クラルフェラン共和国にて休暇中
「まあ、あれだ。子供が出来て良かったじゃねえか。おめでとさん。」
「ふふ、ありがとうフォルティーナ。...ところで...あなたはこれからどうするの?」
「あん?俺か?どうするって...そうだな~。ファメルテウス民主国が俺の手から離れる位にはエミリアにもガキが出来てるだろうからな。そのガキの面倒でもみながらゆっくり暮らすさ。」
ヴァランティーヌが俺の答えを聞き、少し考える素振りを見せた後に茶に口をつけた後に言う。
「...あなたも自分の相手を探したらどうかしら?」
「....俺は要らんぞ、めんどくせえ。それに俺はお前と違ってまだメス型に近い雌雄同体のままだからな。」
「あら?勿体ない。そんな見た目をしてるのに...楽しまないと損よ。」
「俺はお前みたいに酔狂じゃねえし考え方がオスだからな。この姿に流石に慣れたとは言えめんどくせえ事はこれ以上抱えたくねえわ。」
俺の答えでヴァランティーヌが諦めたように「そう。まああなたの好きにすると良いわ。」と言い、再びカップの中の茶を飲む。
爺がセレナを伴い部屋に入って来ると「セレナをファメルテウス民主国へ行かせて先日の侵入者がどうしたかを確認させて来ました。」と耳打ちしてきた。
あー、完全に忘れてたぜ~。
「おう、ごくろうさん。っであいつは何者なんだ?」
「やはりあの男は今代の魔族の王...魔王クリストファーでした。」
はぁ?魔王?何でそんな奴が俺に用があるんだ?
「なんじゃそりゃ?そんな奴に俺は用はねえぞ!」
「セレナが城の者から魔王から預かった書状を受け取って来ております。」
爺が懐から手紙を取り出し、俺に手渡して来るので受け取る。
封蝋を割り、手紙を取り出すと魔王からの手紙を読む。
綺麗な字で書かれた手紙の内容はこうだ。
一月後の日時が書かれていて、ガレア高地と言う場所に来い。そこで俺と魔族とで勝負をして俺が勝てば2回分の城の修理代を払うっと言う風な内容だ。
「ほう。...爺、その魔王様とやらが俺に城の修理代が欲しけりゃガレア高地ってとこに来いって言う事らしいぜ。これは果たし状か?」
手紙を爺に渡すと爺も目を通し始める。
「...左様ですね。果たし状のような物でしょう。」
「私にも見せて。...うん、あなたに喧嘩をふっかけてるようね。魔王風情が意味わかんない。」
ヴァランティーヌも興味津々という風に手紙に目を通し答える。
「つうかよ、俺は魔族になんか今まで会ったことも無いんだが何で喧嘩を売られてるんだ?」
「....もしかして私のせいかしら。大昔、まだバハムートじゃなかった時に魔族からちょっかいを出されて根絶やしにしようとした事が有るのよね。途中で飽きた上に進化出来るようになったから自分の巣に帰ったまま魔族の事を忘れ去ったのだけど...。あら?魔族は何か面倒な物を持っていた気がするわね。」
ヴァランティーヌが額に手をやり、必死に思い出そうとしているようだ。
「面倒な物って何だよ?」
「...忘れちゃった。凄い昔の事だから。そもそも私があなたに出会うかなり前の話よ?」
「ああ、そら覚えてねえわ。」
何せ俺がヴァランティーヌと出会って1000年は余裕で経ってるからな。
おい、天の声!お前は魔族が何を持ってんのか知ってんのか?
<あー、何か持ってた気はするけど僕も覚えてないや。そもそも僕は人間と君達みたいな面白モンスターの観察が趣味だからね。魔族は...結構放置気味だったわ、あの種族は比較的長寿命の上に頭が堅くて見てても面白くなかったし。>
...お前、誰が面白モンスターだこら!なめてんのかあん?
<いや、君みたいに自分の主が結婚するからってボロ泣きする龍は他には居ないからね。...その上、人間の国の王になって善政してるし。これ以上の色物モンスターはいないと思うけどね~。>
うっせえよ!!それに俺は王じゃなくて代表だし...。
「それでフォルティーナ様。どうなさるおつもりですか?」
爺が冷めた俺の茶を新たに入れ直してくれたので、一度その茶で喉を潤した後に口を開く。
「まあ、あれだ。城の修理代を払わせるためにアイツらが死なねえ程度に揉んでやんよ。城の修理代も国庫から出したんだから回収出来るんならその分国民に還元した方が良いだろうが。」
「作用ですね。」
「爺!その魔王つう奴に喧嘩を買ったるわ!と手紙でも出しとけ!!」
「はっ!それでは手紙をしたためてセレナに持って行かせます。」
「おう、任せたぞ!...セレナ、魔族領で暴れんなよ。釘を刺しとかねえとお前はあぶねえからな。」
セレナが良い笑顔で「ラジャーです~!取り敢えず手紙を魔王にぶん投げて来て直ぐに逃げてきますね~!」等と言い出した。
...コイツ、マジで今度は大丈夫だよな?




