表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/84

俺、捕獲される。

 俺は今、グングン大海を一直線に泳いでいる。


 .....背中に漂流船を乗せながら....。


 どうやら元々俺がタチウオのポーズで寝ていたのがコイツ等の事故の原因らしいから仕方無しにコイツ等の目的地の港に連れて行ってやることになった。


 まあー、寝る以外にやることねえしなー。


 <またまたそんなこと言って~。君、少し情がわいてるでしょ?>


 うっせえよ!物喰いながら喋んなや!!


 船首に居る奴が指し示す方向へグングン飛ばす。


 全力疾走持ち舐めんなよぉぉぉ!!


 背に乗せた漂流船を振り落とさないように気をつけながら大海を疾走すると......おう、港みたいなのが見えてきたな!!


 そろそろ止めるか......あれ?意外に勢いが止まっ.......ああああaaaーーーーー!!!!



 ぼっこーーーーん!







 ぺしぺし.....べしバシ!!


 .....何だよ。


 .......やっちまったもんは仕方ねえダロ。


 目の前にいる涙目のパツキン兄妹から俺は鼻面をバシバシ叩かれている。


 俺は身体半分くらい港に突っ込んで打ち上げられている。


 えー、なんて言いますか勢いが良すぎて港を半壊させちゃいましたよっと。


 あー、めんどくさ。


 .....弁償すりゃいいんだろうが!!


 俺は胃袋の中に長年貯めていた宝石類を少し吐き出す。


 しかし怒り顔の人間達がその宝石を見た瞬間顔色を変え叫んだ。



 「「「なまぐせぇぇぇーーーーー!!!!」」」



 うっせーよ!!!!






 何故か偉そうな人間のオッサンに懇々となじられた後、俺の吐き出した宝石は全部回収された。


 これで許してやんよって蹴りをくらいながら言われたんだが.....絶滅させても良いよな?


 そんな事を本気で実行するか考えているとパツキン兄妹が側にやってきて不思議な事を言い出した。


 「もしかして、今なら龍王さまが弱ってるかもしれないし.....いけるんじゃない?」


 「かもな.....やってみたら?」


 何言ってんだ?コイツ等。


 《エミリアから召喚獣の契約申請が来ました。》


 お?久々に聞いたなこの姉ちゃんの声。


 《受諾しますか?yes? or no?》


 何じゃこりゃ?


 <面白そうだからうけちゃいなyo!!!!>


 は?バカかお前は”はい”なんて言うわけ......


 《選択確認、召喚獣モードに移行します。nowloading.....》


 ちょ、おま.....へ、えっ?


 フウァーーーーーー!!!!


 俺の巨体が光の粒になるとパツキン妹の身体に吸い込まれていく。





 《.....再起動確認....これより召喚獣モード...始動》





 ....え....ねえ、聞こえる?龍王さま!聞こえる?


 うっさい!聞こえてるわボケ!落ち込んでるんだ、ほっとけや!!


 ちょっと待っててね!召喚してみるから!


 は?ねえ?人の話を.....て聞いてねえな。


 引きずり出されるような感覚が有り、唐突に視界が広がる。


 そこには......巨大化したパツキンガールが俺の目の前にいて俺はガクブルする。


 やべえ!俺よりでかい奴、まじ久々に見たぞ!!!


 <ちょっとは落ち着きなよー。本来の君よりでかい人間がいたらある意味怖すぎだって。>


 ......マジで!?つうことは.....。


 自分の身体を見回した後に周囲を見ると......うん、俺がちっさくなってるね。


 そんな......こんなの......まるで.........マムシじゃん!!毒はないと思うけど。


 俺の血と汗と努力の結晶の経験値をかーえーせやー。


 どんだけ死にかけながらリヴァイアサンになったと思ってんだよー。


 やる気なーくーすーぜー。


 <まあまあ、後で説明するから取り敢えず君の御主人の話を聞いてあげたら?>


 は?御主人?やんのかこら、おらつくぞ!!コノヤロウ。


 「龍王さま!!かわいい!」


 パツキンのジャイアント小娘がウナギを掴むように俺を握ると薄っぺらい絶壁の胸に抱いた。


 「....名前をつけてあげるね。.....うーん。フォル.....フォルティーナって名前はどお?」


 はぃ?何言ってんのコイツ。


 頭は大丈夫か?どうみても俺はオスだろ?


 クッソックッソ、決めた!絶対お前を喰ってやる!!


 「フォルティーナ....良い名前じゃないか!お前の守護神様だ。大切にするんだぞエミリア。」


 パツキン小僧が小娘の頭を撫でながら慈愛の満ちた顔をしている。


 「うん!エリュセルお兄様!」


 小娘の言葉を聞いて小僧の顔に笑顔が綻ぶが、一瞬暗い表情になり「さあ、エミリア。いこうか。」と小娘と手を繋ぐ。


 「ばいばい、フォルティーナ!また呼ぶね!」


 俺はまた光の粒になり小娘に吸い込まれていく。


 おう、呼ぶなよ。


 呼んでも召還されてやんねえからな!







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ