表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/84

セレナの実況中継

 王都へ到着した私、セレナが引き続き調査を開始します!


 謁見は明日なのでもう宿は取っていますから街中を探りますか~。


 街中を歩き、人間観察を終えた後にカフェに入って小休止する。


 うーん、この国は一見華やかで良い国に見えますがなんと言いますか貧富の差が激しいですね。


 華やかな表通りには身なりの良い男女多く歩いていますが、裏通りに入ると....。


 明らかに栄養不足な子供達、表情が暗くボロボロの服を着た大人、動けなくなり死を待つ老人...。


 ダメだこりゃ!この国は腐ってやがりますね。


 元リヴァイア領はまだフォルティーナ様の善政の名残が残っているのでここまでの所までは落ちて無いですが王様のお膝元でこれは終わってますね!


 どこの国もこのような薄暗い所は有るのですがこの国は郡を抜いて酷いです。


 貧困層が多すぎますね。


 一言で言うと金持ちか大貧民の二択です。


 ...既にクラルフェラン共和国に帰りたくなってきたのですが。


 もうアレですね、明日謁見出来るらしいのでフォルティーナ様の手紙を渡してとっとと帰りましょう!



 明くる日、お城に到着するなり何故か私は兵士に囲まれ捕まってしまいました!


 私が一体何をしましたか!!


 ...え!?王族直轄地での施設の破壊行為とある貴族の屋敷の爆破の訴えが来てる!?


 ...なんの事でしょうかね~?


 惚けていると尋問室に投げ込まれ、腰に下げていた剣を取り上げられる。


 まあ、その剣は旅の途中で買った安物なのでどうでも良いですけどね!


 いやー、良かったです!こんな事もあろうかと、フォルティーナ様から今回の旅に出る前に身を守れと授けられた魔剣グラムをフォルティーナ様のお屋敷にある私の部屋に置いてきて!!


 ...途中で私と召喚契約で繋がっているレスターさんに置いている事がバレて盛大に怒られましたけどね。


 別に良いじゃないですか~、レスターさん!!魔剣グラムは呼んだら私の手元に来るんですから!


 さあどうしましょうか?取り敢えずフォルティーナ様の手紙を目の前で私を睨んでいる兵士に渡しましょうかね。


 兵士に手紙を渡すと手紙の封蝋を見て顔色が変わり部屋から出て行った。


 暫くするとぞろぞろと5人程他の兵士を引き連れて戻ってきた。


 手紙をこの国の上層部に渡してから私の処分を決めると言い出し、私を牢屋へと放り込んだ。


 これは...戦術的撤退を早々に考えた方が良さそうですね。


 放り込まれた牢の中は石造りでとても頑強そうだ。


 何処か出れそうな所は...あー、かなり上の方に光の取り入れ口が有りますね。


 私の入っている牢屋周辺に兵士が居ないことを確認すると、翼を背中に出現させて光の取り入れ口に近づく。


 おっ、これは抜けれる位の大きさがありますね!かなり高い位置にあるためか鉄格子もありませんし。


 うーん、どうしましょうかね~。


 直ぐに脱出しても良いですが...一応この国の出方を探るために暫くここにいましょうか。


 仮に私に害を為すのなら魔剣グラムを呼んで暴れるか、大規模魔法で城を発破してやれば良いですしね!



 誰かが来る間、暇だったので床のシミの数を数えていると日暮れが近付いてきたようで薄暗くなってきた。


 夕御飯を持ってきてくれた兵士に聞くとお偉いさん達の会議が紛糾しているから今日はこのままと言う事なので大人しく御飯をいただいて寝ましょうかね~。


 しかしここの御飯は不味いですね~。


 残飯を漁った方がマシですよ~!!




 朝日が登り、光の取り入れ口から照らされる朝日で目が覚めたのですが、やっぱりベッドで眠りたいですね。


 陸に上がってからの野良セイレーン生活の時は木の上で寝たり残飯を漁ったりして凌いでましたがフォルティーナ様の元に行ってからは贅沢な暮らしになっているので体がなまりまくってます!


 運ばれてきた朝御飯の歯が折れそうなくらい堅いパンにかじり付いているとお偉い様方から私の処断があるからと牢から出された。


 私を連れ出した兵士の顔を見ると酷く辛そうな顔をしていますし時折すれ違う兵士からも心痛な顔をされますね。


 ...既にやな予感がムンムンするのですが...。


 質素な廊下を歩いているとある区間から豪華になり、一際豪奢で大きな扉の前で止まる。


 扉が開かれ中へと押されるように入ると豪華な服に身を包んだ偉そうな方々が私を一目見るなりニヤリとする。


 ボソボソと小声で”この娘が...勿体ない。”とか"下も髪の色と同じ銀色なのか?"とかきこえますけど...。


 ふぁあぁー!こいつ等私を慰み者にする気満々やんけ!!...言葉が乱れましたね、失礼しました。


 私を慰み者にするつもりの人間達がざわつく中、一際偉そうな人が手を上げると皆が静まり口を開く。


 え~、簡単に言いますと私はフォルティーナ様とヴァランティーヌ様をファメルテウス王国に引っ張り出すための餌...らしいです。


 拷問の後、クラルフェラン共和国に知らせを出した上で処刑...それが私に課せられる罰との事。


 その拷問って...絶対エロい事ですよね!?いや~、お断りですわ~!!


 今の私がすべき事....それは...全力でここから逃げる!!


 私はセイレーンの時によく危機回避で使っていた眠りの歌を使用して部屋の中の人間達を寝落ちさせる。


 おぉ!ヴァルキリーになってから初めて使いましたが中々の威力になってるみたいですね。


 全員ぴくりとも動かなくなりましたよ!


 さあ、帰りましょうかね~。


 まあただ帰るだけでは気が引けるので悪戯してから帰りますよ!!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ