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アルフェール家より手紙が来る

俺の知り合いのモンスターを用心棒兼動力と使うと言う計画だが...どうやら好評のようだ。


初めこそ反発もあったみたいだが商船ギルド長と俺についてきた商人達がモンスターを使っている姿を見て安全で何より効率も良いとわかったらしく、今ではみんなが使い始めている。


そりゃなー、俺がここに居る限りあのモンスター共は絶対に暴れないからな。


ある意味人間より大人しい奴らだし。


そんなわけで港町にも以前以上の活気付いてると報告が入ってきているし良いことだろう。


まあ最近は何故かタコがガキ達に人気らしく、毎日波止場でタコ踊りを披露して喝采を浴びてご満悦らしい。


あのタコは何やってんだ?


<海のモンスター達は基本的に孤独なタイプが多いから人間達と共存するのが楽しいみたいだよ。>


そうか。


...人間共にアイツらを裏切って落胆させるような事はするなよ!って言っとくかな。


<それが良いだろうね。まあこの領に限っては君が居るから大丈夫だろうけどね。>


おう、だと良いな!



「フォルティーナ....アルフェールの家からクラルフェラン共和国への亡命願の書簡が届いてますが...。」


「...またか。」


執務室にエリュセルとヴァランティーヌが書簡を握り締め、入ってくる。


「あーと、この前のは金を寄越せだったよなー。」


実は前の国に居た時からエミリアとエリュセルの生家であるアルフェール家から金の無心をやられていた。


エミリアやエリュセルは「自分達を売った家なんか知った事ではない!」と言ったが、その時の表情はとても寂しげで見てられなかった俺はアルフェール家に生かさず殺さず位の金を毎月送っていたのだが...クラルフェランに来てからはそれもやめていた。


「よくこんな図々しい物を送って来れるわね。私とフォルティーナが国から敵認定されたときにいち早くあちらから離縁の書状を送りつけてきたのに...バカなのかしら?」


不快そうに顔を歪めながらヴァランティーヌが言う。


「アイツらがバカなのは確定だが...どうすっかな?あー、事が事だしワイナールに相談すっか。」


「それが宜しいでしょう。セレナを首都に行かせて会談の日程を組みます。」


「おう。頼むぜ!...しかしどうすっかな?」


一礼をして去っていく爺とセレナを見送りながら考える。


「簡単な事よ。滅ぼせばいいじゃない?」


「お前....それが出来たら初めからやってるわ!!一応エミリアとエリュセルの肉親だからな。そこを考えろ。」


「...面倒ね。」


「フォルティーナ、ヴァランティーヌ。実家の事で悩ませて申し訳ありません。...本来なら僕自身がどうにかしないといけないのに...」


唇を噛み、悲しげな表情でエリュセルが呟く。


「気にすんじゃねえよ!俺やヴァランティーヌはお前ら兄妹の召喚獣。言ってしまえばお前らの親であり兄弟...みたいなもんだ。お前らの悩みは俺達の悩みでもあるんだよ!一人で背負い込むな!」


「フォルティーナの言う通りね。あなた達の問題は私達の問題...一緒に考えましょ。」


「フォルティーナ、ヴァランティーヌ....ありがとう。」


肩を震わせているエリュセルの背中をぽんぽんと軽くたたいてやった。




「ふむ、エミリアとエリュセルの生家ですか....」


ワイナールとの会談の時間が出来たため、こちらから首都にある城に出向きワイナールと相談しているところだ。


部屋には爺とセレナ、俺にワイナールが居て、ワイナールに送られて来た書簡を渡す。


ワイナールが書簡に目を通した後に一つ溜め息を落とし俺に向き合う。


「フォルティーナはどうしたいのですか?」


「うーん、そうだな。エミリアとエリュセルの邪魔をしないのならこっちに呼んでやっても良いけどな。だがアイツらを売るような奴らと一緒には住みたくねえから住処は別々だ。」


「そうですね。...ならば首都に軟禁と言う条件でアルフェール家が良いと言うなら引き受ける。と言うことにしましょうか?」


「すまんが頼んで良いか?何か問題を起こしたらそいつらを遠慮なく叩き出して良いからな!」


「わかりました。では...そうですね。受け入れる意の書簡を書くので出来上がり次第あなたの屋敷に届けさせます。それと一つこちらからも相談がありまして...」


ワイナールの相談事はうちの領でモンスターを使用しての海運業が評判が良いらしく、陸路でも出来ないか?と言う事だった。


「陸路なー。俺は陸には知り合いが居ねえしヴァランティーヌに頼むとまた大型飛竜を連れてきそうでめんどくせえしなー。」


「...無理そう...ですかね?」


「あの~。」


俺とワイナールが陸路の事で悩んでいるとおずおずとしたようにゆっくりと手を上げながらセレナが口を開く。


「私、たぶんやってくれそうな知り合いが居ますよ?」


「マジか!」


「本当ですか!?」


ほほう。


セレナは結構出来る奴だな!!



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