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バハムートの申し出

 騒ぎを聞きつけた学園の教師が集まった生地達を落ち着かせ、散らしていった。


 どうやらセイレーンの幻覚が広範囲に効いてしまったとかいう苦しい言い訳で学園長が生徒達を言い含めたようだ。


 よくそんな事で納得できやがるな。


 <いや、バハムートの土下座なんて普通は信じられないからね...そりゃあ幻覚で通用するよ。>


 あん!?バハムートなんざ俺からしたらスズメと変わんねえぞ!!!


 <そりゃあバハムート相手でも本気だした君からしたらワンパン瞬殺だからね...ほら君は殆どの時間を深海で過ごしてたから人間にはよく知られてはいないんだよ。伝説で龍王と言うのは伝わってるけどほぼ姿を人間に見せた事がなかった珍獣だから君は!!>


 珍獣言うなや!!...仕方ねーだろ、シーサーペント系のモンスターは基本的に深海が住処なんだからよ。



 天の声と話をしていると視線を感じるのでそちらを見るとセイレーンが目を輝かせながら省エネモードに戻って小さくなっている俺を見ている。


 あー、そういやセイレーンは海の管轄か。


 それでこのセイレーンは初めから俺を見ていたんだな。


 「きゅきゅっきゅー」


 〔おう、俺様に何か様か?〕


 そうセイレーンに話しかけると顔を赤らめ鈴の様な声で「らー。らららら!」〔やっぱり。リヴァイアサン様だったのですね!〕と俺の前で頭を下げた。


 詳しく話を聞くと、やはり初見から俺がリヴァイアサンじゃないかと思っていたらしい。


 やっぱ海管轄の上位モンスターは会話が通用するから意志の疎通が楽だわ。


 普通の陸上モンスターには会話が通用しねえからな。



 さてと、バハムートにどうおとしまえをつけさせるかな?


 「きゅきゅ!」


 「グワ、ググワ...」


 あん?罪滅ぼしに俺と同じように召喚獣として働くだと!?


 エミリアには俺がいるからお前なんていら....うん!?...その手があるか...。


 ちらりと横目で今回の騒ぎでエミリアを心配して側についているエリュセルに目をやる。


 (おい、エミリア。バハムートがエリュセルの召喚獣になってくれるらしいぞ。)


 (....っえ!?フォルティーナそれ本当!?...バハムートさんを脅して言わせたんじゃ無いよね?)


 (誰がこんなクソよわい奴を脅すかよ!!自発的に言い出したの!!)


 エミリアがエリュセルにバハムートとの事を伝えるとエリュセルが驚愕した表情で俺を見る。


 エリュセルが俺に近づいてきて小声で「本当に竜王さまがそう言っているのですか?」と尋ねて来るので頷く。


 俺の頷きを見てエリュセルは深く考えているような行動を取っている。


 何でこんなにコイツは悩んでんだ?


 (良い話だから受けろってお前から言え!そうすれば領主の仕事をバハムートに手伝わさせて俺に少しくらいは自由な時間が出来るだろうが!!)


 (....なるほど~、ワルだね!フォルティーナは!!)


 うっさいボケナス!賢いと言えや!!


 おい!天の声!!エリュセルはバハムートを呼べるような器はあるのか?


 <ほーい。...うん。無いね!!ぜんぜん足りない!!>


 やっぱ足んねえか。


 じゃあ、俺のMPをエリュセルのかわりで毎日バハムートに喰わすってのはいけるのか?


 <....いけ..ちゃうね。間違いなくこんな事をやるのは君くらいだから前例は無いけど。>


 よし!何の問題もねえな!バハムート!!面倒だからお前からそこのパツキン小僧に召喚獣申請を押しつけろや!!


 バハムートは頷くと目を閉じる。


 ずっと悩んでいる様子だったエリュセルがびくりと体を動かしバハムートを眺めながら口を開く。


 「竜王さま!!本当に宜しいのですか!?」


 エリュセルの問い掛けにバハムートがゆっくりと頷くとエリュセルがまだ迷いながら「では...よろしくお願いします。」と見上げながら呟いた。


 「グルウヮーー!!」とバハムートが方向をあげると光の粒になりエリュセルの中へと入っていった。


 「...信じられない。まさか本当に竜王バハムートが僕の召喚獣になるなんて。」


 「お兄様!良かったね!!でもフォルティーナ...私の部屋に帰ったらバハムートさんをここに呼び出した理由と大暴れした理由...教えてもらうからね。」


 ...アホの子の本気睨みが少し怖いなんて...俺はだいぶエミリアに飼い慣らされてるな...。



 それから俺はエミリアの中に戻ったのだが再び喚び出されたのは夕方頃だった。


 部屋にはエリュセルも居て何やら自分の中に居るバハムートと話をしているらしく目を瞑ったまま俯いていた。


 エミリアから俺を喚び出す間の事を聞いたのだが学園長からエミリアとエリュセルは呼び出しをくらい、俺の説明とバハムートの説明をしていたらしい。


 詳しい話は二人じゃよくわからんから後日、俺と話をしたいと言う事になったらしいのだが...まあ当然の如くエミリアとエリュセルの話だけでも学園長は驚きの連続で頭をかかえていたらしいぜ。


 俺は龍人モードでエミリアの部屋に置いてある服を着た後に....何故かエミリアに正座を強要されて正座をしていた。


 「どうしてブルードラゴンといきなり喧嘩をしたの?教えてよ!!」


 「あん?うっせえなー!アイツから喧嘩を売ってきたから買っただけだ!文句あっか!!」


 「あるに決まってるでしょ!!」


 俺とエミリアが口喧嘩をしているとバハムートと話していたらしいエリュセルが顔を上げ「バハムートがエミリアに話があるそうです。喚び出しますよ。」と言いバハムートを召還するのだった。



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