表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/84

召喚獣の授業

 昼くらいに学園へと到着した馬車で俺と爺は屋敷へと帰った。


 エミリアの事だから今回のような事をまたやりかねないと察した侍女が寮のにあるエミリアの部屋に俺の着替えなどを一通り置いてきたそうだ。


 うちで勤めてる奴ら、マジで優秀だわ。


 ....なのにエミリアは何であんなガキになっちまったんだろうな?


 <たぶんエミリアはやれば出来るけどやらないんだよ。まあ甘えたいんだろうね君に。>


 ....なるほどな。


 まあ、お前みたいにエミリアがならんければそれでいいわ。


 <なにそれ?酷くない?>


 胸に手を当てて今までのことを振り返れや!クズ!!役にたった事の方が稀だろうがよテメーは!!


 <.....そっすね。>






 それからエミリアに無意識で寮に召喚される事も無く、無事に過ごせたのだが....


 (今度ね、授業で召喚獣を使える人だけを集めて授業をやるみたいなんだけど私とフォルティーナも出た方がいいよね?)


 (うーん、そうだな。俺も他の人間の召喚獣ってのに興味もあるし....いいぜ。出るか。)


 (やった~!!三日後だからね!仕事のスケジュールを入れないようにしてね!)


 (ああ、爺に言っとくからアイツが勝手にスケジュールを組むだろうよ。)


 (そうだね。じゃあ、フォルティーナおやすみ~。)


 へー、他人の召喚獣か。


 よく考えたら俺とエミリアの関係しか知らねえからマジで他の召喚獣が普段なにやってるのか気になるな。


 <君とエミリアみたいな常に笑いにまみれた生活はしてないと思うよ。>


 あん?こら。


 こっちは毎日が真剣勝負だぞボケ!....もしかして他の召喚獣ってこんな奴隷以下の様な長時間労働はしてないのか?


 <....それは見てのお楽しみだね!>


 なんだ、その含みのある言い方は。


 まあ、実際に授業に出ればわかるか。




 三日後、時間まで軽く自分の仕事をこなした俺は侍女から入れてもらったお茶を飲んで休憩している。


 (フォルティーナ、喚ぶよ!)


 (おう!良いぜ。)


 目の前にいる侍女と執事の爺に頷くと「「いってらっしゃいませ。」」と頭を下げながら言う言葉を聞き俺の体は光の粒となりエミリアの体の中へと戻る感覚がある。


 《龍人モード、終了。これよりエミリアの召喚要請に応えますか?》


 おう、出るぜ。


 《フォルティーナの意志、確認。これより召喚プログラム作動.......complete》


 引きずり出される様な感覚が体に伝わると暗かった視界が開ける。


 「これが私の召喚獣だよ!!」


 またもウナギのように細く長い姿で呼び出された俺はエミリアに両手で掴まれながら召喚されたらしい。


 周囲を見ると四人のガキが俺を見ながら固まっているが、俺とエミリアを指差しながら全員カタカタと震え出す。


 そうかそうか。


 コイツ等には俺様の凄さがわかるようだな!エミリア君とは違うようだね。


 さぁエミリアと違って俺様に恐れおののくがいいぞー!!


 「キュキューン!!」


 俺は尻尾の方をエミリアの腰に巻きつけ、背中から頭が出るように体を固定した後にクソガキ共を威圧するように雄叫びをあげた。


 「....っぶ」


 「クスクス...何その弱そうな召喚獣!!」


 「所詮適性はあってもアルフェール家の人間....と言うことか。」


 「....なぜフォルティーナ殿はこの様な者に目を掛けてらっしゃるのやら...。」



 ....コイツ等...皆殺しでいいか?いいよな!喰っちまうぞごらぁ!!!!



 <ちょい待ち。たぶん省エネモード中の君の縮小された姿でこの子達は勘違いしてるんだと思うよ。>


 あんだと?じゃあ、省エネモードを切れば戻れるのか!?


 <戻れるけど...君、あの巨体に戻ったら学園を全壊させて港を壊した時みたいに弁償させられるよ。>


 ......それは...間違いねえな....。


 つうか、何で省エネモードとか言うやつに最初から入ってんだ?


 <君、デカすぎだから初期設定を僕がそうした。褒めて褒めて!!>


 おう!えらいぞえらいぞ~!!...なんて言うかボケナスが!!!!前もって説明しとけやスカタンがぁ!!


 <うん。君が龍人モードでずっといたもんだから完全に忘れてた!!>


 ...はぁー、もういいや。


 完全にやる気の無くなった俺はエミリアの腰に体を巻き付けたままエミリアの頭の上に俺の頭を乗せる。


 (ねえ?フォルティーナ?何でみんなはフォルティーナを見て笑ったのかな?こんなに可愛いのに。)


 (可愛いは余計だボケ!...かなり格下のヘビ辺りと勘違いされてるんじゃねえか?)


 (ふーん、まっいっか!)


 エミリアは馬鹿にされているのが本当にどうでもいいようで真顔から笑顔に戻った。


 まあ、エミリアは俺の元々の姿を知ってるからな。


 俺をバカにしていたクソガキ共が召喚し始めたようだ。


 さて、俺様をバカに出来るくらいだ!!!!さぞおっそろしい物を召喚してくれるんだろうな!?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ