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エミリアに召還された俺は...

 エミリアの入学式が終わり俺と執事の爺は馬車に乗り自分の屋敷へと帰った。


 学園は全寮制だからエミリアをそのまま学園に置いて帰って、入学式に出席している間に溜まった仕事の書類を夜遅くまでかたずけていたのは良いのだが...


 (フォルティーナ~!でね、お兄様がね!.......)


 (もう寝ろや、クソガキ!!明日起きれねえぞ!)


 俺とエミリアは召喚獣の契約のせいで離れていても意志の疎通が出きるのだが...このクソガキ、俺が仕事中なのを知ってて延々話しかけて来やがる。


 (はーい。わかったよーだ。フォルティーナもお仕事を止めて寝なよ~!)


 そこでエミリアとの交信は終わったが....あのやろう、一体誰の為に働きたくもねえのに働いてやってると思ってんだよカスが!


 <君、本当に口が悪いだけで面倒見はいいよね。>


 うっさい。


 お前が漂流してる人間を助けろって言ったのがそもそもの始まりだろうが!お前も責任をとりやがれ!!


 <やだ。君みたいに働いたら絶対に死ぬ!!>


 .....断言してんじゃねえよ、クズ!



 天の声といつものように悪態の付き合いをやりながら仕事を進め、全部終わったのを確認してから湯浴みなどの寝る準備をし、寝室へと戻る。


 はぁ、エミリアもこの屋敷から出て行ったし久し振りに一人でゆっくりと寝れそうだな。


 いつもエミリアは朝気付くといつも俺のベッドに潜り込んでいやがった。


 今日からエミリアが潜り込んでくる事はねえからな.....海に居た時みたいに真っ裸で寝るか!


 俺は寝間着を脱ぎ捨てると久々に熟睡が出来そうだと思いながらベッドに入った。






 《守護神捕獲コマンド作動確認。エミリアの元へ帰投します。》






 うん?なんだ?なんか妙に俺の胸から腹にかけて重さがあるんだが....


 久々に熟睡していた俺は朝日に顔を照らされ少しまどろみながら何故か身体に掛かる重さ不思議に思っていたのだが......一気に頭に思い当たることが浮かび上がり、がばりと勢いよく起き上がる。


 「もう、どうしたの?フォルティーナ~。せっかく素肌のフォルティーナのお腹を枕に寝てたのに~!」


 「.....テメー、俺を呼び出しやがったな....学園の寮に。」


 「え?うん?....そう言えば何で居るの?しかも裸で。」


 「.....無意識で呼べるんか.....マジでこの機能、停止できねえのかよ....。」


 <無理だよ。でも無意識で呼ぶなんて......前代未聞だよ。>


 おぃー、爆笑しながらしゃべんなや!よく聞き取れねえぞ!


 「たくよー。.....あー!人の腹によだれを垂らしやがってばっちいな!マジ勘弁せいや!!」


 「マーキング!!」


 エミリアの一言にムカついた俺は頭にスパンといい音が響くように一撃入れる。


 「あんこら?クソガキ。すまんのう位言えんのか?」


 「さーせん。」


 はー、誰がコイツにこんな言葉を仕込んだのやら....


 <どう考えても君だよね?>


 ちゃうわボケ!勝手に覚えたんだよ!


 ....しかし、コイツ一応メスなんだからよ俺の言葉遣いを覚えたら嫁のもらいてが居ないんじゃね?


 <その場合、君が一生養うことになりそうだね~!>


 ....なんだその暗闇しか見えない仄暗い未来は...。


 先の事を考えると頭痛がして来るぜ...。





 さてと、取り敢えず俺が真っ裸なのをどうにかしないといけねえが.....服がねえ。


 ここにはエミリアの服しかねえよな......。


 あのひらひらな服を俺が着るのか?しかもちいせえぞ?


 <着るしかないでしょ!!>


 なんで朝からテンションがたけーんだよ、テメーは!


 やっぱ着るしかねえか....。


 「おい、エミリア。責任を取ってお前が持ってる服の中で一番マシな服を出せや。」


 「うん?私の服?いいよー、いっちばん似合いそうなのを選ぶね!」




 数分後....俺は渡された服を着た自分の姿を見て憤死しそうになる。


 「.......おい...これ、この学園の体操服じゃねえのか?」


 「うん!」


 うちのアホの子のいい笑顔がムカつき過ぎて辛い.....。


 「....もう自分で選ぶ...お前も制服に着替えろや.....。」


 取り敢えずエミリアの持っている服の中でどうにか着れそうな服を選ぶと着替えた後に鏡に自分の姿を映す。


 小さめのワイシャツにタイトスカートみたいな妙な色気を感じる姿になっている。


 うーん、胸と尻がパッツンパッツンで動きづらいがもうこれしかねえな。


 「なに?その格好!!私を誘ってるの!?」


 叫び声に近い悲鳴を上げながら俺に飛びついてこようとするのでサッとかわすとベッドにエミリアがダイブした。


 「誘ってねえし!!後、マジでこの格好の時は飛びついてくるな!色々と弾ける!!」


 「しかたないな~、弾けられたら困るしね!」


 コイツぜってえ何が弾けるのかわかってねえな!


 さあ、後はどうやって帰るかだが....執事の爺は勘がいいから俺が寝室に居ないことに気づいたらここに迎えに来るだろ。


 「この寮でお茶でも飲んで帰るか。おいエミリア、準備が出来たら食堂に連れていけ。お前の飯が終わる頃には髪を振り乱した執事の爺が飛び込んで来るだろ。」


 「大変だねー、お屋敷の人達もフォルティーナのお世話で苦労してるんだろうね~。」


 俺の髪を櫛で解きながらそう言ってくるのが物凄く腹立つ。


 誰のせいでこうなってると思ってんだこのクソガキは....



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