僕の妹、僕の姉
前半は兄、藍視点。後半は弟、瑠璃視点です。弟の方が長くなりました。
僕には十歳離れた妹がいる。
妹はお転婆だが目に入れても痛くないぐらい可愛い。
弟の瑠璃は姉さんは外見だけはいいなんていうけど実際雪はたくましく、困っている人がいたら手をさしのべる優しい子だ。
いつも僕や瑠璃が雪に近寄ろうとする男を追い払っている。
きっとお前は気づいていない。お前は僕たちを見ているようでたまに僕たちではなくどこか遠くを見据えていることに。
いつかお前の心はここから居なくなるかもしれない。
けれど僕は此処で待っていよう。
お前がいつでも帰ってこれるようにーーーー
~~~~~~~~~
僕の姉は馬鹿である。昔から目を話すと居なくなってたりすることが多いのでどうにも目を離せない。
その日は兄と姉が出かけ、帰りが遅いと思ったらどうやら姉は木から落ちたらしい。
ああ、これだから目を離せない。
今思えば姉が更に馬鹿になったのはこの時からだろうか?
次の日、急に舞と三味線と剣道をやりたいと言い出した。どんな組み合わせだ。
最終的に母さんが折れるような形になった。
姉さんは女なんだから強くならなくていいのに。
そう思った僕は姉さんに内緒で自分も剣を習い始めた。
姉さんは女だから男に敵うわけがない。だから僕が頑張らなくちゃ。
姉さんはいつも周りの人達に笑われたりして不服そうだが実際は人望が熱く、みんなから好かれている。
知らぬは本人だけと言う奴だろう。
きっと姉は兄が男を近寄らないようにしているのを知らないのだろう。
まぁ、僕とて人の事は言えないが。