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転生少女は生きることに全力です  作者: 宵螢
何も知らない転生少女はとりあえず死亡フラグ回避と趣味を極めることにしたようです
5/23

ここは乙女ゲームの世界だったらしい

いよいよ本編の始まりです!!

それから数年後、十七歳になった私は店の留守番をしていた。


注文が入り私は常連のおばさんのもとへ大福を運ぶ。

「はい、どうぞ~!!」


「あらぁ、雪ちゃんありがとうね」


「いえいえ、お礼なんて」


「一度雪ちゃんが作ったものも食べて見たいわぁ」


「あはは……」


正直、私は前世から料理が苦手である。


何故か失敗するのだ。何故か。その為私は接客しかしていない。


「おい、姉ちゃん」


柄の悪い人達に呼ばれながらもこれも仕事だと割りきり、その人のところへ向かう。


「わっ………」


さすが私、可愛いげのない声だ。なんて感心してる場合じゃない。


柄の悪い人達の一人に足をかけられたのだ。

「姉ちゃん、どうしてくれるんだよ、服が汚れちまったじゃねえか」


プチっーーーーーーー


「言いがかりは止してもらえませんか?私やってませんが」


周りにいる他の客達が次々に手を合わせたり哀れみの目で見たり


「御愁傷様」とか「可哀想に」「運が悪い」とか「喧嘩売る相手間違えた」など好き勝手呟く。失敬な。


珍しいのがこちらを見て助けようとしている人、余所者だろうか?


そして馬鹿な柄の悪い奴等はそれ全てが私に向けられたものだと勘違いしたらしい。


「姉ちゃん、諦めてこっちこーーー!?」


何が起こったのか?投げ飛ばした。


助けようとしていた人は口を大きく開け驚いていた。


「いてぇ!!」

「よくもやったな!女だからって容赦しねえぞ!!」


そういうと男の一人が刀を抜いて降り下ろしてくる。


が、私はあっさりとそれを避け、男に攻撃し手から刀を落とした内に攻撃する。


「これに懲りたら二度とうちにくんな、カスが」


そういうと男達は逃げていき、周りの客からは喝采が飛び交う。


「そもそも幼い頃から鍛えてきた雪ちゃんに叶うわけないのにな!!」


さっきのあの態度とは大違いだな!!


よく見るとさっきの助けようとした人は机に突っ伏して笑いを堪えてる。とりあえず敵として認定した。


(なんか時代劇みたいだなぁ……)


まぁ、昔の日本には似ているが。


「姉さん、大丈夫!?」

瑠璃が調理場から出てきた。


「瑠……」


「さっきの人達!!」


「やっぱりそっち!?」


毎度お決まりのパターンである。


「姉さん、姉さんは一応建前上は看板娘なんだから素が出ないように気を付けてね?手後れかもしれないけど」


「今日も今日とて辛辣だね!!」


「ところで姉さん」


「何?」


「さっきの刀を避けたあの時の動き見事だったね」


「いやぁ、それほどでも……………」


「あんな動きをするような練習、僕は見たことないんだけどどこで覚えたんだろうね」


瑠璃が黒い笑みを発した途端にさっきまで喝采をしていた人々がとっさに視線をそらし始める。


裏切りものめ!!


「御愁傷様……」


「何かいいました?」

「なんでもありません!」


常連客の一人が弟(黒い笑み装備)の被害にあった。口は災いのもとである。


ちなみにいつの間にかに敵はいなくなった。

「そ、そうだ二人とも!!知ってるかい?」


気の聞いた客の一人が気を聞かせて話題をそらそうとしてくれた。


ありがとう、私はあなたの命運を祈っています。


「そんなこと………」


「近々この町に壬生浪ってのがくるんだってよ!!」


どうやらこの客は馬鹿だったようだ。


壬生浪?ーーーーー


(何処かで聞いたことがある、壬生浪がーーー?いいや、この会話が)


そう、これは前世でプレイした乙女ゲームの会話だ。


(ここは乙女ゲームの世界?)


「姉さん!?」


そう考えた途端、記憶が流れ込み私は気絶した。

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