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転生少女は生きることに全力です  作者: 宵螢
何も知らない転生少女はとりあえず死亡フラグ回避と趣味を極めることにしたようです
4/23

兄弟

「よし、今日も頑張るぞ!!」


あれから私は毎日欠かすこともなく剣の修業に励んでる。


私は両親譲りの自慢の黒髪を櫛で解かし、


紐で結わえ袴を履き森へ出掛ける。


~~~~


「つまらない」


「つまらないならついてこなければいいのに」


この無表情の少年は私の弟の瑠璃である。


「姉さんは放っておいたら何をしでかすかわからないから」


どうやら私は弟から危険人物扱いされているらしい。


「私のこと信用できないの!?」


「できないね、この間だって「釣りよりも手で取った方が早い!!」とかいって魚を手で取ろうとして川で溺れかけたじゃないか」


「だってそっちの方が早そうじゃない!」

「実際一匹も取れなかったのに?」


「うっ………」


「それにいつかさらわれないように気をつけなよ、心配なんだ」


「瑠璃………!!」


「姉さん外見だけはいいんだから、それに騙された人が余りにも可哀想で………」


「…………感動して損した」


「こらこら、瑠璃。雪、瑠璃は雪を心配しているんだよ」


言わずもがな兄である。


「お兄ちゃん!!」


「兄さん、だって可哀想じゃないですか。騙された人が」


瑠璃は兄に対しては敬語で私に対してはタメ口である。


前に理由を聞いたら


「尊敬できるところが何処にも見つからないから」


と言われた。解せん。


「そんなことないよ、雪は外見だけじゃなく中身も魅力的だよ」


兄は私に対して甘いところがある。


「兄さん、そんなんだから姉さんがろくでもない人間に育ってしまうんです。嫁の貰い手も見つからないかもしれませんよ」


「そしたらずっとここでみんなで暮らせば良いじゃないか、何も嫁ぐ必要はない。僕が一生二人の面倒をみよう」


まさかのニートフラグか!?


「兄さん、姉さんがただの駄目人間になります」


一方瑠璃は辛辣である。何時ものことだが。


私はふと二人を見る。


二人は私の黒髪黒目とは違って藍色の髪に母親譲りの青目である。


正直あの青目がうらやましい。

そのたびに私は


「両親譲りの黒髪があるから大丈夫!!」


と自分で自分を励ますという虚しいことをしている。


「姉さん」


「なに?」


「舞と三味線と剣道。姉さんは一体何がしたいの?」


舞と三味線と剣道だけじゃないよ!実はこっそり鍛えているんだ。


忍みたいな動きがしたくって!!とかは口が裂けても絶対に言えない。


というか質問が


「どうして生きてるの?」


並みに難しくてなんと答えればいいかわからない。


「……とりあえず剣の稽古しようか!!」


「わからないんだ」


都合が悪いことはスルーで。

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