転生したなら
私の前世はただの女子高生だった。
どうやら前世での私は根暗なオタクだったらしい。勉強はそこそこで運動神経は無し。得意なことはアニメなどの絵を描くことと言うあまり役にたたないことだった。
前世での私はアニメや漫画を見るたびになりたい職業が増えていたみたいだ。
そのたびに
「もしも記憶を持って転生したなら真面目にいろんなことをやりたい!!」
と意気込んでいた。
今ならそれが出来るのではないか?
私は急いで母のもとへ向かった。
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「お母さん!!」
「あら、なあに?」
「私ね、舞と三味線と剣道やりたいの!!」
「え、芸者になりたいの!?母さんは反対よ」
「違う、やりたいだけよ!!」
前世の私は日本史が好きでそういったものに興味を持っていた。正直に言うと英語とかやりたいがどうやらそれは無理らしい。
いい忘れたが私が生まれたこの世界はどうやら昔の日本と酷似しているようだ。
「それに剣道って………貴女は女のこでしょ?人を傷つける為の術なんて学ばなくていいわ」
「女だから駄目なの?そんなのおかしいよ!!女でも刀を握っていいはずだよ!!それに私は誰かを“傷つける為”に学ぶんじゃない、“守る為”に学ぶの!!」
そういうと母は驚いたような顔をしている。子供とは思えないような言動をしてしまった気がする。やり過ぎた
だろうか?
「…………仕方がないわね」
なんと母は許してくれた。正直ホッとした。
「ありがとう、母さん!!」
まさかこれがチートヘの第一歩だったなんて、私はまだ知らなかった。