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転生少女は生きることに全力です  作者: 宵螢
ここは乙女ゲームの世界らしく、もう開始してるけど肝心なヒロインの性格があれなので大丈夫とたかをくくっていたらフラグが乱立していたようです
20/23

願い

「それじゃあこの子をよろしくお願いします」


そういって女性から託されたのはもりりんと遥ちゃんである。


「はい」


返事をすると女性ーーーーもりりんの母親は甘味処から出ていった。


母親が帰るともりりんと遥ちゃんは席に座り、もりりんは持ってきた道具で勉強を始めた。


「…………藤白」


私は布巾で机を拭いている。


「藤白っ!!」


そういうともりりんは私の着物の袖を引っ張った。


「藤白?なにそれ」


「千藤白雪、だから藤白。藤白だって僕のこともりりんなんて言ってるんだから文句ないでしょ?」


「…………まあ、ないけど」


「ならよし」


そういってもりりんは満足げに笑う。急にどうしたんだ。


「お団子」


「だめ」


「どうして!」


もりりんは子供っぽいがそれでも時々他の子たちよりほんの少し大人びているところがある。それでもやはり子供だ。この間子供たちと遊ぶときお団子を持っていったらもりりんが落とした。その時のもりりんは涙目で正直変な扉を開きかけた。危ない危ない。


もりりんはむくれっつらになりながらも大人しく勉強していた。


(……………お似合いだなぁ)


もりりんの隣に遥ちゃんが座っている。ロリショタさいこ………いや、もりりんの顔的にロリロリだろうか?


(はっ…………、もしかして!!)


「二人って付き合ってるの!?」

「「それはない」」


二人して否定、しかも即答だ。


(せっかく目の保養になると思っていたのにーーーーー)


そう落ち込んでいる時だった。


「雪、終わったから遊びにいっていいよ」


「え、いいの!?」


「うん、いっておいで」


「僕も行く!!」


「私も!!」



「遥ちゃんはいいとしてもりりん、勉強は?」


「それなら大丈夫だ」


そういってもりりんは私に本を渡し問題を出すように言うのでスラスラ答えた。まさかと思いちょっとした意地悪で後ろの方のページの問題をだしてもこれまたスラスラと答えた。おい、なんの嫌がらせだよ。12歳より頭悪いとか本当に泣いちゃうよ?だってこれはここに答えが書いてあるからわかるけど私が問題出される側だったらわからないもの。


「これで文句ないね!」


ねぇもりりん、君は何のために勉強道具持ってきたんだい?


ていうかお前は顔よし家柄よし頭よし運動神経よしって森鴎外かよ、…………まてよ?もりりん、森林太郎………森鴎外の父親!?でも子供の頭の良さなんてわからないし……まさか禿げてしまう!?あ、それは三次元の方か、よかったよかった。あれ?でもゲームにはこんなキャラいないし…………うん、頭混乱するから考えるのやめよう。


~~~~~~~~~


私達は寺へと行った。


「雪~!!」


「おお、彰」


「今日は何するんだよ」


「今日は………そうだ、エゲレス語を知ってる?」


「「「エゲレス語?」」」


もりりんは驚かない。エゲレスとは平成でいうところのイギリスである。キリギリスとか聞き間違えた馬鹿は私だけじゃないと思いたい。


「それじゃあ言ってみよう!あっぷる!」


「「「アップル」」」


「アップル」


もりりんよ、なぜそんなに発音綺麗なんだい?私が恥ずかしいじゃないか。


「次はオレンジ!」


「「「オレンジ」」」


「オレンジ」


何これ楽しい、遥ちゃん可愛いしもりりんに至っては別の意味で楽しい。もりりんは知識の倉庫みたいなもので教えると記憶力いいから覚えてるし私が間違った発音しても素晴らしい発音で返ってくる。これなんて電子辞書?


「おお!エゲレス語が聞こえるがか!!」


そこに現れたのは茶髪の青年だった。独特すぎるしゃべり方により土佐藩の人間ということだけは解る。


だいたいこの時代に今日に出没しやすい土佐藩士って坂本龍馬とか中岡慎太郎辺りじゃない?いや、日本広いから違うと思うけど。


「気のせいじゃないですかね?」


とりあえず何事もなかったかのように誤魔化す。尊壤の志士に知られたら危なすぎるかもしれない情報だからだ。


「隠さなくてもええきに、わしにエゲレス語を教えて欲しいんじゃ!!」


え、エゲレス語を?正直そこまでわからない。ちょっとした単語とアイアムアペンしか解らない。


「やっぱり日本はこれから世界に通用するようにならなきゃいかんぜよ」


「あ、それわかる!!やっぱりこのままじゃいずれ外国に負けると思うんだ!!」


「そうじゃ!おまん話がわかるのう!!やっぱり日本も外国と交流していろんな知識を取り入れなければ………!!」


ポンポン


「二人とも、大声で喋ったらいけないよ。誰か聞いてたらどうするの?」


もりりんが小声でそういう。もりりんが声をかけてくれなければ危なかったかもしれない。


「ありがとうな、坊主」


「僕は当然の真似をしたまでだ」


「そういえば自己紹介がまだじゃったの、わしは坂本龍馬というがか」


「えっ………坂本龍馬!?」


私は小声で話した。この時代の土佐藩士なら坂本龍馬か中岡慎太郎辺りじゃない?とはいったもののまさか本人だなんてだれがおもうだろうか?


「おんしは?」


「私は白雪、千藤白雪」


「違う、藤白だ」


「なにいってんのさ」


「わぁーった、藤白じゃな?」


そういうと龍馬さんはにっこり笑った。


「というか龍馬さん名前名乗ってよかったの?」


「ええんじや、おまんはどうやらわしと同じ考えをしちょるみたいじゃし。その代わり人前では梅さんじゃ」


「わかった、梅さんだね。梅昆布茶みたいな名前なので梅昆布茶さんって呼ばせてもらうね」


「おまんは気が合うだけじゃなく面白いおなごじゃのう!!」


なぜだろう、面白いと言われてるのになんか悲しい。


こうして私は攻略対象、坂本龍馬と友人になった。

藤白という呼び名には『白雪』という名に縛られゲームのような結末を迎えてほしくないと言うもりりんの願いが込められています。そして坂本龍馬と白雪のこの国を変えたいという願いーーーー、それがこのサブタイトルの意味です。そしていよいよランキングの設置が出来そうです!!

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