彼女が現在の性格に至るまで
白雪の覚えている限りの過去話です。
小さい頃の私はとても大人しい性格の子だった。
言われた通り勉強をして言われた通りのことをやる。だから回りの子に見下されることも多かったし何より人見知りだった。
そんな暮らしをしていたある日、一つの句と出会う。日本史の授業で出てきたものだ。
「おもしろき こともなきよを おもしろく すみなすものは こころなりけり」
面白くもない、そんな世の中を面白くするのは自分の心構え、行動次第なのだと。
その言葉に強く影響された私は自分にとって面白い世の中になるように動いた。そしてそれがこの結果である。
~~~~~~~~~~
「姉さん、しっかり仕事しなよ」
転生した現在も奇跡的にその記憶がありこの性格のままである。正直覚えているのはこの句と前世の自分がロクな生き方をしていなかったとかそういうことだ。家族の事や自分がどうしてここにいるのかはわからない。けれども……
(そんなこと、思い出さなくていい)
兄がいて、弟に叱られたり、遥ちまあゃんやもりりんや総郎が遊びに来たり、争いが絶えることはない。けれどとても幸せで毎日が満ち足りている。それなのにどうして過去を思い出すことがあるというのだろうか?
(なにも思い出さなくていい、あなた達がいるならそれだけでーーー)
ここが私の居場所だから。
ということで前世の記憶フラグをへし折りました。