彼等は何時の人間か
新キャラ視点!!
ちょっとした用語解説
【春】…『君朝』の登場人物、明治の人間を差す。公式用語
【夏】…過去に囚われず前を向いているキャラを差す。春と冬に合わせファンの間で提案された非公式用語。
【秋】…幕末時での過去に囚われ続けているもの、または幕末での過去に囚われたり、幕末(冬)で消えず未だ生き残っているものを差す。主に吉田稔麿、『君朝』での斎藤一、藍と瑠璃を差す。非公式用語。
【冬】…『君夜』で消えてしまう登場人物、幕末を差す。公式用語
【何時】…『春夏秋冬』のどれかを差す。
ある日俺は攘夷浪士の間で沖田総司の出没率が多いと噂の甘味処に晋作をつれてきた。最初は嫌がってたものの刀を向けた途端喜んで了承してくれた。
「お、彼処に可愛い子がいるぞ!!」
其処には艶やかな黒髪に黒目をした青色の着物を着た美少女だ。確かに可愛いがそういう人間に限って性格悪い。
「梅太郎、ここは遊郭じゃないし女口説きに来たわけじゃないんだけど」
とりあえず晋作を牽制して俺は席に座る。
「後注文は?」
「団子を一つちょうだい」
「俺は餡蜜とき…………」
とりあえずこの馬鹿の口を塞ぐ。
「それでお願いします」
「了解!」
彼女は元気に返事をし駆けていく。
どうやら気取ったりする高飛車な女ではないらしい。
しばらくすると彼女が戻ってきた。
「お待たせしました」
そういって彼女はテーブルの上に団子と餡蜜を並べた。
「ありがとう」
「いやいや、ごゆっくりどうぞ!」
そういうと彼女は別の客の方へとかけていった。いつもは媚びたりする奴が多いのでこう言った反応は新鮮だ。
「やっぱり俺口説いて…………」
「馬鹿牛?」
「…………はい、大人しく奴が来るのを待ちましょう」
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しばらく経ったが奴はまだ来ない。仕方がないので暇潰しに晋作をいじりながら彼女の観察をしていた。
彼女の呼び名は雪でどうやら彼女は周りの人間からの人望が厚く、好かれているようだ。性格は見た限りどこも悪くなくむしろ面白くて目を引き付ける。
「なあ稔麿、本当にあいつは来………ひぃっ!」
「マシュマロ!?」
どうやら看板娘に聞こえていたらしい。幸い俺の名前がはっきり聞こえた訳では無さそうだが彼女の耳は大丈夫だろうか?
「マシュマロ………」
大丈夫じゃなさそうだ、何故か涎を垂らしている。
「ねえ、馬鹿牛。俺ここに来る前に言ったよね?人が多い場所では俺の名前呼ぶなって」
「すみませんでした、栄太郎様。いや、でも刀を抜くのは良くねえぞ!!」
「見えないからいいんだよ、それともしかして馬鹿牛の分際で俺に指図するつもりかな?」
「いいえ、滅相もございません」
「おい、お前が雪か」
「雪さ~ん、変なのがついてきちゃいました……」
(ああーーーーーーーー来た)
待ち構えていた相手の声を聞き、口角がつり上がるのを押さえられない。なんで晋作の顔が真っ青なんだろうね?
この声の主は沖田総司と土方歳三だろう。どうやら看板娘に会いに来たようだ。
「………………!!」
向こうにばれないように後ろを振り替えると
そこには沖田総司、土方歳三だけではなく斎藤一、藤堂平助、それと見たことがないやつと子供が二人いた。
彼等は顔がいい類いの人間だが看板娘はポカンと呆けたような顔をした後に彼等を席に案内し、相手の正面に座る。
「単刀直入に聞く、お前は長州の人間か?」
「「「「「「!!」」」」」」
どうやら彼女は俺達側の人間だと疑われているようだ。こんな面白い人間なんてこっちにはいない。
「私が……チャーシューのにんげ…………!?」
「ブッーーーーーーー」
チャーシューってなんだ。チャーシューって。それにそのあと弟に叩かれたところも笑える。
「姉さん、長州だよ長州。長門の隣の…………」
「………………」
どうやら本気でわからないらしい。間違いない、彼女はただの馬鹿だ。
そしてその後彼女は壬生浪の奴等に変な名前をつけていた。
「ひっ……はは……!!」
ああ、腹がいたい。こんなに馬鹿笑いしたのはいつぶりだろうか?
「帰るよ、梅太郎」
そういうと俺は机の上に代金をあげ席を立つ
「栄太郎!?」
今日はとても良いものが見れたかも知れない。また今度ここにこよう。そのときの理由は「彼女は人望が厚い人間なので新撰組の人間にならないように」でいいだろう。
また今度ここにこよう。次は君に会うために。久々に楽しめるものを見つけたのだから。
ランキングの設置方法がわかったのでそのうちやりたいと思います!!あと登場人物紹介更新しましたがネタバレ注意です。