自宅へ
無事心臓移植を終えた俺はそれからしばらく体と心臓の適応を見てリハビリをしていた。自宅に帰る許可が出たのは手術から3ヶ月経った頃。
非常に良好だと、医者は言っていた。
俺はこの心臓をくれた人に感謝しきれなくて、お墓まいりがしたいって言ったら医者からドナーの情報は漏らすことが出来ないって言われてしまった。
確かにそうだ、家族からしたら死んでしまった人の心臓だけ生きているデリケートな問題だった。
無事家に帰ることができた俺は自宅での療養と軽い運動をしながら体を慣れさせていた。
ちゃんと定期検診にも行っている。
朝は軽い散歩、昼は家事を手伝い、夜はネットの海にダイブする日々を送っていた。
自宅警備員じゃないかと聞こえてくるが断じて違う!療養及びリハビリだからな!
そして気がついたらもう冬で、この10ヶ月で俺は価値観がガラリと変わってしまった。
病気から手術、退院し、自宅へ。
元気だった頃は想像もできない日々だった。いや、本当に。ドナーの人には本当に感謝しているし、ドナーの人の分も俺は充実した生活を送ると決めている!
そして俺にはちょっとした変化があった。手術前にはそんなに食べてなかったチョコレートを食べる様になったことだ。
正月が過ぎた頃、俺の通っていた高校から連絡があり俺は3年生をやり直すことで話が決まった。正直、一つ年下の奴らだし「先輩」って呼ばれてたヤツと一緒に行動するのに不安はあったけど、病気の時の恐怖に比べたらそんなことは些細なことだって思った。
だから俺は次の春から高校3年生をやり直す。
女子高校生と充実した日々を・・・ゲフンゲフン