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新国-神国-のフラリッシュ  作者: 楠林 シン
-第3章-一年生編
27/28

第26話 前期中間試験

皆様こんばんは!

長らく更新出来ず、申し訳ございませんでしたm(_ _)m


これからは、週1回程度の不定期で更新して行きたいと思いますので、どうかこれからも『新国-神国-のフラリッシュ』をよろしくお願いします!m(_ _)m

「あーっ‼︎やってらんないよ‼︎」


千紘は右手に握っていた鉛筆を床に叩きつけた。鉛筆の芯の欠片が無残にも四方に飛び散る。窓の外は既に真っ暗で、時計の針は11時を指していた。


「しょうがないでしょ!明日から中間試験なんだから!それとも、落第して来年もまた一年生のままでいたいの⁇」


「いや、別にそういう訳ではないけど……」


千紘は友穂の正論を聞くと、つーっと目を左に泳がせてボソボソと答えた。その視線の先にはシーナがいる。


「っていうか、何でそんなに楽しそうなの、シーナ⁉︎」


「この問題はこうやって、こうして解くのかー!そしてこの問題はこうしてっと!」


シーナはフンフンと鼻歌交じりに問題を解いていた。その顔はとても満足気な表情で、この切羽詰まった試験直前の状況には全く似つかわしくない表情である。


半分上の空で勉強し、挙句の果てには質問さえスルーするシーナに益々腹を立てた千紘は、さらに続けた。


「シーナって、どっちかと言うと『私側』の人間だったよね⁉︎今までそんなに熱心に勉強なんてしてなかったよね⁉︎どうしたの?何か悪い物でも食べちゃったの⁇」

千紘は黙々と勉強するシーナの顔を、下から覗き込むようにしてジーッと凝視する。


…‼︎


ガンッ!


「ッ……痛ーーー‼︎」


シーナの怒りが込めらたゲンコツが、千紘の脳天を直撃する。シーナの髪の毛は白く輝いていた。


「……今のは千紘が悪い」

「そうね、千紘が悪いよ」

「申し訳無いけど、千紘さんが悪いわね」

「いつもの事ですけど、千紘が悪いですわ!」


皆の意見は一致する。まあ当然の事ではあるのだが……


四面楚歌の千紘は珍しくその状況を察し、申し訳なさそうな表情で深々と頭を下げた。

「……調子に乗りました……すみません。試験前のイライラを、暴走させてしまいました」


素直に謝る千紘の姿を見て、シーナの白い髪の毛はたちまち元の黒髪に戻り、穏やかな表情になる。

「分かったなら別にいいよっ」


「ありがとうシーナ〜!」

千紘はシーナにぎゅっとハグをする。


結局この日は深夜の3時まで第7小隊の部屋には電気が灯っていた。


……


キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン……


「はい、解答用紙を集めるから一番後ろの人は解答用紙を集めて前に持ってくるように!あと、問題用紙は次回の授業で解説をするから持ってくるように!」


学生達は、各々席を立ち教室から出て行く。


「うーん、終わったー!」


シーナは大きく伸びをしながら、試験から

解放された幸せを噛み締める。シーナは満足そうな表情だ。


前の席にはたまたま千早が座っていたが、その表情は少し暗い。


「うー……5日間もテストが続くと流石に堪えるよ……しかも12教科もあるなんて……私たちを学者や医者にでもするつもりなの⁉︎」


「確かに12教科は多すぎるよね、あれだけ大変だった入荷試験も可愛く感じてくるよ……でも、頑張れば頑張るだけ一人前の飛行兵に近づいてる気がするし、これからも更に気を引き締めて頑張らないと!」


シーナは疲れた表情ではあったが、その奥底には希望に満ち溢れた強い気持ちが感じられる。

それを感じ取った千早は少し驚いたような表情を見せ、シーナに一言語りかけた。


「シーナ、変わったね」


突然の一言に戸惑うシーナだったが、千早の言葉には続きがあった。


「今までのシーナは義務的に勉強をしている感じだったけど、最近のシーナは違うね!なんて言うか……自分から進んで勉強してるって感じ?特に試験の数週間前から勉強に対して熱心になったように感じたけど…何かあったの?」


不思議そうに質問を投げかける千早に、シーナはにっこりとほほ笑んで、


「ううん、何にもないよっ!お世辞にも勉強出来る方じゃ無かったから、ちょっとやる気出してみようかなーって思っただけ!」


「すごいなー!私もシーナを見習わなくっちゃ!」


千早は小さい頃から知っているシーナが立派に成長している姿を目の当たりにし、同級生ながら強い感動を抱いた。


「そうだ!これから大和屋に行かない?甘い物でも食べて、試験の疲れをパーッと取り払おうよ!シーナの立派な志も聞いたし、今日は私が奢るよ!」


「えっ!奢ってくれるの?ありがとう千早〜‼︎じゃあ、今度は千早の志を聞かしてもらわないといけないね!その時は、私が奢るよ!」


「えー、私の志なんて大した事無いと思うよ〜。まあ、とにかく大和屋へレッツゴー‼︎」


そうして2人は、ウキウキと心を躍らせながら教室を後にした。

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