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新国-神国-のフラリッシュ  作者: 楠林 シン
-第3章-一年生編
23/28

第22話 通常日課初日(4)

最近投稿が遅れてばかりですね(>人<;)

すみません!


あともう1話か2話ほど、「通常日課初日」のお話が続きそうです!( ´ ▽ ` )ノ

ハァ、ハァ、ハァ……


その後も過酷な体力測定がもう一時限続き、腹筋、背筋、握力、反復横跳びなどの項目がぎっしりと行われた。

シーナたちは皆げっそりとした表情で、疲労困憊な様子だ。


「皆、ご苦労だった!今日の随時運動は中止とする。ゆっくり休むと良い」


そのあまりにも疲れきった学生たちの表情を見て、中尾教官は4時過ぎから行われる予定だった随時運動を免除してくれた。いつもは厳しい中尾教官の不意の優しさに、皆はキョトンとしている。


あれ?もしかしたら中尾教官って学生の事をちゃんと考えてくれる良い教官なのかな……


少し中尾教官に対する印象が変わったシーナであった。


急遽2時間の自由時間ができたシーナたち6人は、とりあえず入浴や洗濯などを先に済ます事にしたが、それでも夕食まで1時間余ってしまった。とりあえず自室へ戻る。


第7小隊の部屋で皆がくつろいでいると、千紘が唐突にある提案をする。


「それじゃあさ、1時間もあるんだし酒保でお菓子でも買わない?運動続きでお腹ぺこぺこで、夕食まで耐えられないよ!」


千紘の言う酒保とは、士官学校内に設けられた売店のようなものだ。タオルなどの日用品や鉛筆などの筆記用具、はたまた軽食や甘味品まで揃っている。


確かに……相当運動したから喉も渇いたし、酒保に行こうかな!


千紘の提案に乗り、シーナたちは酒保へ向かった。


……


「いらっしゃい!うちに来るのは初めてかい?学校で必要なものはほとんど揃っているから、ゆっくり見ていっておくれ!」


そう話しかけてくれたのは、酒保を切り盛りしている秋野 静江さんだ。人の良さそうなおばさんで、ニコニコと話しかけてくれた。この士官学校では、親しみを込めて高尾のお母さんと呼ばれている。


こじんまりとしたその店内には、所狭しと商品が並べられていた。


「じゃあ私は、チョコレートとドーナツと、ラムネを頂戴!」


千紘は一目散に商品を買い漁る。千早やヒナたちも冷たい飲み物などを買っていた。


千紘ったら……そんなに買って晩ご飯を食べられるのかな……


シーナは心配しながら、店内を見渡して自分の買い物を続ける。


「私は蜜柑水と、あと……絵葉書を」


シーナは飲み物と合わせて、士官学校での演習の様子が描かれた絵葉書を一枚買った。


……


再び部屋に戻って、6人は酒保で買った飲み物などを飲みながら、机を囲んで雑談をしていた。


「ごくっごくっごくっ、プハァー!やっぱり、運動の後のラムネは最高だね!五臓六腑に染み渡るよー!」


千紘は豪快にラムネを飲みながら、ご満悦な表情だ。


シーナたちも、それぞれ自分の飲み物の栓を開けて飲み始める。


「それにしても、千紘があんなに運動が得意だとはね!びっくりしたよ!」


「へへー!やれば出来るでしょ?でも、やっぱりヒナは凄いね、ぶっちぎりの1位だよー!」


ヒナは照れた様子で、顔を少し赤らめている。

「いえいえ、たまたま今日は調子が良くって!千紘さんの走りも凄かったよ!」


千紘とヒナは性格こそ違うものの、なかなか馬が合いそうだ。


ここで千早が、前から気になっていた事をヒナに質問する。


「そういえば、ヒナってあまり方言が出ないよね?確かシューン島の北の人達って、独特な方言だったと思うのだけど」


ヒナは千早の唐突な質問に、少し恥ずかしそうに答える。


「……うん。実は、あまりに方言が強かったから、標準語を勉強したの。方言が出るのは恥ずかくって……。ちゃんと標準語話せてるよね?」


友穂は、ヒナが方言を話す事を知らなかったので、少し驚いた様子だ。


「うんうん!私なんてヒナが方言を話すなんて知らなかったです!」


私も知らなかったなぁ。いつも綺麗な標準語を話していたし……


シーナも少し驚きながら、ヒナの話の続きに聞き入る。


「昔、高等中学校の授業の一環で本土の学校の人達と、ある議題について討論をする事があったんだけど、私たちの方言って本土の人達には怖く聞こえるみたいで、相手を泣かせてしまった事があるの……それがトラウマで……」


人を泣かせる程の方言って、一体どんな方言なんだろう……⁉︎


シーナたちはヒナの方言にとても興味があったが、それ以上詳しい事は聞けなかった。



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