表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新国-神国-のフラリッシュ  作者: 楠林 シン
-第2章-入学編
15/28

第14話 入科試験(1)

Twitterフォロワーが1500人を超えました!

フォローして下さった方、ありがとうございます!m(_ _)m


@shinkoku0

シーナたち女学生たちは、大講義室に戻っていた。男子学生も集められており、教卓には岡田教官の姿があった。


「新入生諸君、7つの学科をそれぞれ見学してみて、興味の持てる学科はあっただろうか。どこも良い環境が整っているから、安心して選択して欲しい。」


岡田教官は少し残念そうな表情をして続ける。

「皆には自分の志望する学科にそれぞれ入って貰うのが一番なんだが、何しろ学科ごとに定員というものがあってだな……突然で悪いのだが、一週間後に入科試験を行う‼︎」


「……‼︎‼︎‼︎」

「ええぇーーーーっ‼︎」

新入生たちは突然の大発表に声を張り上げて驚いた。シーナたちも他人事ではない。


「えっ!私、入学が決まってから、ほとんど勉強なんてしてないんですけど‼︎」


「私は復習程度はしていたけど……いきなりの発表ね……」


「え!千早は勉強してたの⁉︎私もしておけば良かった……」


「まあまあ、私が教えてあげるから、頑張ろうね!」


「うん、まあ、千紘みたいに可能性が無い訳じゃないし、頑張ってみようかな!」


「ちょっと、それじゃあ私がバカみたいじゃないっ‼︎」


ワイワイとやっているシーナたちを片目に、ロゼが声高々に罵る。

「おほほほほほほほっ‼︎無様ね千紘さん!私の飛行兵科への入学は決まった様なものだけれども、まあせいぜい頑張りなさい!」


「ぐぬぬぬー」

挿絵(By みてみん)

一触即発な雰囲気の中、岡田教官がパンパンッと手を叩き、話を続ける。


「はいはい、最後まで話を聞く様に!入試科目は、数学、化学、物理、そして各学科の専門だ。希望する学科を机の上の紙に記入して前の箱に入れておいてくれ。あと、専門の教科書は後で前に並べておくので、自分の志望する学科の教科書を各々取るように!では、解散!」


というと、スタスタと岡田教官は去ってしまった。


うん、こうなったらもう一度勉強し直すしかないよね!


シーナたちは紙を提出して教科書を受け取ると寮に戻り、食事を済ませた後すぐに勉強を始めた。

千早と友穂がシーナと千紘の勉強を補助する形で。


「ん?二重積分の事を広義積分っていうの?」


「いやいや、領域Dが無限に広がっている場合に二重積分が定義できる時の事を、広義積分って言うんだよ」


「無限に広がる……どういう意味⁇」


シーナは窮地に立たされていた。しかし、隣にはもっと酷い有様の千紘が……


「積分って何⁇微分の兄弟的なものかな⁇」


「千紘!よくそれでこの学校に入れたわね!それまではどうやって勉強してたの⁈」


「いや〜、私覚えるのは早いんだけど、忘れるのも早くって。本当にどうしようかな(笑)」


「いや、勉強するしかないんじゃないの……」


「ですよね……はい」


シーナたちの勉強会は深夜まで続いた。


次の日、朝食の為に食堂に現れたシーナと千紘は、まるで歩く屍のようだった。


「ひっ!どうされましたのシーナさんっ!目の下が青くなってましてよ‼︎」


「うん、ちょっと勉強を……」


「無理は禁物でしてよ!お体に気をつけて」


「うん、ありがとう……」


それから毎日、勉強会は続いた。

少しずつだが2人とも勉強は進み、試験前日の夕方には一通りの勉強を終わらせる事が出来た。


「うーん!終わったー‼︎」


「大変だったけど終わったね、シーナ!私も何とか間に合ったよ。これも、千早と友穂のおかげだね!」


「うん!本当にありがとう、千早、友穂!」


「いいのよ。みんなで飛行兵科に入るんでしょ!今日は体調を整える為にも、早く寝ましょ!」


「そうだね!それじゃあ、お休み!千紘、友穂」


「うん、お休み〜!」

千紘と友穂は部屋へ帰って行った。


シーナたちは、これまでの過酷な勉強会の疲れからか、千紘たちが帰って間もなく眠りについた。


次の日、外は春らしい澄み渡った快晴だった。


「うん、きっと大丈夫!千早や友穂にみっちり鍛えて貰ったし!」

強気なシーナだが、内心は不安で一杯だった。


シーナたち新入生は、食事の後すぐに大講義室で試験が行われた。50分×4教科の計3時間20分。シーナはまるで生きている心地がしなかった。


「おっ、終わったー!」

シーナは満面の笑みで達成感に満ち溢れていた。


感覚的には、どの教科も70点以上はあるはず!多分大丈夫なんじゃないかな!


隣で試験を受けていた千紘にも、出来具合を聞いてみた。

「千紘はどうだった⁇」


「……うん、……終わったよ……いろんな意味でね……」

シーナはそれ以上千紘に声を掛けることが出来なかった。


試験は直ぐさま回答され、合否が判定される。合格出来なかった者は、希望者の少なかった学科に回されるというシステムだ。昼食の後、新入生たちは大きな掲示板の前に集合させられた。


2人の教官が、巻かれた大きな紙を運んできて、

「これより、各学科の成員を発表する!」


真っ白なその合否結果が、掲示板の上にバッと広げられた!

今回で、無事入学編を終わることができました!


次からは新章となり、お話もズンズン進んで参りますので、ぜひ読んで頂けると嬉しいです!( ´ ▽ ` )ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ