第5話 初の人里です
練習作品です
「あそこですね」
朝起きてから日の光が入り込まない暗い森の中を走り続ける。
氣流と氣炎を常時展開している私にとって100Kmの踏破は何の問題もありません。
走り続けること90分目的の人里に辿り着いた。
「しかし妙ですね。人の気配はあるのに森しか見えません。隠れているのか、隠蔽効果のある術でも掛かっているのか・・・。私の勘では後者ですね。」
見たこともない事なのに私の直感が教えてくれる。
そして私の直感でどうすればいいのかすでに答えは出ている。
念の為、フードを目深にかぶり顔を隠す。これから起こす事で顔を覚えられて問題になるのは嫌ですからね。
「夢技、氣凝」
氣炎を拳に集約させながら腰だめに構える。その拳からは光が零れだしている。
「実力行使です。こんなもので隠れている貴方たちが悪いのです。いきm「お待ちください!!」・・・あ?」
今まさに結界を破壊しようとしているところに第三者の声が響き渡った。
~Side???~
私の名前はエルネス=カーティスこのユグドラシルの森に住んでいるエルフです。
私達エルフ族は魔力量に優れ、精霊魔法を得意としています。
この里には精霊魔法で結界が張られている為、エルフ以外入ることができません。。
この森は魔力が満ち足りており、私達エルフにとってとても住み心地がいい場所です。
私達の御先祖様は何万年も前からこの森に住み精霊と言葉を交わし、森を守り豊かにしてきました。
私が生まれて今年で60年1000年近く生きるエルフにとって成人となる年です。
「エル」
後ろから呼ばれ振り返ればそこにはお父様がいました。
「用意はできたか?」
「はい。」
エルフにとって成人とは精霊と契約を交わす大事な儀式である。
「お前なら大丈夫だと思うがしっかりやるんだぞ」
お父様からの激励の言葉に微笑みで返す。
私には昔から一つの特技がある。それは精霊を視ることができるということです。
精霊魔法を使うには大事なことが2つあります。精霊にお願いをし、魔力を与えることです。
精霊には様々な属性があり種類も多様に存在する。私は精霊の姿を視、言葉を聴くことで精霊に愛情を持って接することができる。
精霊と言葉を交わせるエルフが減っている中、精霊の姿が視える私はこの森一番の使い手です。
そんな私にはが周りからの期待が大きく寄せられている。
まだ若いながらも将来次の長になることがほぼ決定している。
「お父様、行って参ります。」
成人の日を迎える前日に突然精霊たちがおとなしくなった。
普段、飛び回ったりじゃれあいをする精霊からすると考えられないことだ。
私は近くにいた精霊にどうしたのかを尋ねると、「すごいよ」「つよいよ」との答え。
何物かがこの森に入り込んできたみたいです。
ですが、精霊たちは怯えたり警戒することも無いため、危険なことではないのでしょう。
そう思い私は明日の準備を済ませ期待と不安でいっぱいになりながらその日を終えました。