第29話 初仕事です
お久し振りです。
4日ぶりの投稿ですね。
お仕事の合間に時間を見つけて少しずつ書いています。
偶に不定期更新をしていきますのでよろしくお願い致します。
朝の眩しい日差しで目が覚めました。
「おはようルナちゃん。」
「おはよう御座いますエルお姉ちゃん。」
お互い夜の事を思い出して顔を赤くしてしまいます。
目覚めのキスをしてからベッドから起き上がります。
「もう皆起きている時間ね、身形を整えてから早く行きましょう。」
私達は身体を綺麗に拭いてから服を着こみ皆の所に向かいます。
皆の所に行くとテーブルに朝食をのせ私達を呼びに来るところでした。
「あっ、おはようなんだよルナ、エル。」
「おはよう御座いますルナさんエルさん。」
「おはよう御座いますルナそれとエルさん。」
「遅くなってしまってゴメンね私達今起きたところだったの。」
「御2人共御元気なようで安心しました。今から様子を見に行こうとしていたのですよ。」
私が昨日の晩部屋に空間魔法結界を張っていたので、私達のことには気付かれていないようです。
もし気付かれていたら恥ずかしくて皆の顔を見れないです。
「心配させてしまった様ですね。ありがとうです。」
「ありがとうね皆。」
「いえ、お元気な様で安心しました。朝食の用意が出来ていますから皆で朝御飯にしましょう。」
はーい
パンとスープと卵料理の御馴染みの朝食を美味しく頂きます。皆も美味しそうに笑顔で食べています。
私は食事がひと段落してから今日の予定を全員に話します。
「昨日街の広場で私達の事を宣伝しました。今日から少しずつお店にいようと思っているのです。昨日の女の子も来てくれるかもかもしれないですからね。」
「それでいいんだよ。頑張るんだよ!」
「そうね、イリーちゃんが来てくれるかもしれないわね。」
では、開店の時間までお店の準備をするです。
皆で手分けしてお店の準備をします。ですが、何でも屋である私達は品揃えをチェックする必要も無いですし、お店の周りもリリスさんが綺麗に掃除してくれている為、特にやることがないですね。お店の前にノボリを出して、お店の隅に机と椅子を用意して準備完了です。
「あとはお客さんが来るのを待つのですよ。」
ギィ
「「「「「いらっしゃいませ。」」」」」
入り口を見れば昨日の女の子が入って来ていました。
「おはようございますお姉ちゃん。」
「おはよう、怪我は痛まなかった?今日は傷の治療に来たのよね?」
「・・・はい、でもお母さんが行くなって言うんだよ、なんでかな?」
「きっとイリーのことが心配なのですよ。昨日あんなことがあったばかりなのですから。」
「今日は親と一緒に来たの?」
「・・・ううん、1人できたよ。だってお母さんしつこいんだもん。」
エルお姉ちゃんの言葉に首を振って1人で来たといいます。この年頃では親の心配が分からないのは仕方ないですが、少しだけ注意をしておきましょう。
「イリーのお母さんは貴女をとても心配したいるのです。今頃イリーのことを探しているに違いないです。イリーは賢いからなんでそんなに心配するか分かるのですよね?」
「・・・私が昨日、殴られたから・・・。」
「はい、ですから今度から来るときは行き先を告げてから親と一緒に来るようにした方がいいですよ。」
「そうね、でもせっかく来たのだから、傷の治療するわね。」
そう言いエルお姉ちゃんが精霊魔法でイリーの傷を綺麗に癒します。
「はい、これでもう大丈夫よ。」
「ありがとう、お姉ちゃん。私一度かえる!」
「そうですね、リーゼこの子を家まで送って来て下さい。初仕事ですよ。」
「わかったんだよ!!イリー一緒に家に帰るんだよ。」
初仕事と聞いてリーゼが大はしゃぎです。昨日から楽しみにしていたので分からなくはないのですが、小さな子供にも笑われてしまっているのです。
「気をつけて行って来るのよ。」
「分かってるんだよ、このリーゼにお任せなんだよ。行くよイリー。」
「はい、お姉ちゃん。」
2人は仲良く手を繋いで店の外に歩いていきました。早く家に帰って安心させてあげて欲しいです。親に心配されるイリーを想像して、前の世界の両親のことを思い出します。私に優しかった両親、遅く帰る私を心配しながら待っていてくれる優しい両親。前のことを思い出し、郷愁に浸ってしまいます。
その後リーゼが戻ってきてからお客さんは1人だけです。高熱がでるとの事で免疫力を高め、熱を少し下げてあげます。お値段はリリスさんに聞きこの街の平民でも払える位の金額に設定してあります。その人は体が楽になったと嬉しそうにし帰っていきました。
結局今日のお客さんは2人でした。この街の異種族嫌いを考慮すれば幸先がいいのではないでしょうか。私達は店じまいをし、今日の仕事は終了です。
また明日もお客さんが来てくれればいいですね。
~Side ???~
豪華な貴族の館の書斎に2人の男が居る。1人は書斎奥の椅子に腰掛けている如何にも貴族然とした服装の男性。もう1人はその前に立つ騎士のような甲冑を着込んだ男性だ。
周りに他の人は居らず人払いがされてあった。
「その後の様子はどうだ?」
「はっ!ストロイツ公爵領では騎士、貴族への不満が徐々に高まってきているようです。それと、我々騎士に逆らう平民が魔族のところに居ります。いかがなさいますか」
「魔族やそれに協力する者などこの街に必要ない、即刻排除しろ。・・・そうか、騎士に逆らう平民が出始めてきたか。くっくっくっ、このままいけばあやつの公爵の地位を剥奪させることもできそうだな。お前の働きにも感謝している。」
「はっ!ありがたき幸せにございます!」
「お前は引き続きストロイツ公爵での闇ギルドの指揮を執れ。騎士、貴族への醜聞の種を大いに撒き散らして来い。」
「はっ!」
騎士風の男は敬礼し部屋から立ち去って行きます。部屋に残った1人が静かに笑っている。そこに新たな声が加わった。
「ご機嫌のようだな。」
「ああ、お前か。」
何も無い空間から現れた男は赤い髪に赤い瞳、魔族の特徴を持っていた。
「順調に進んでいるのか?」
「問題無い。もうじきお前の役割が回ってくる、その時は頼んだぞ。」
「ああ、任せろ。」
それだけ答えると魔族の男は来た時と同じように忽然と姿を消した。
「くっくっくっ、これであやつも終わりだな。そもそもあのような思想を持つものが公爵など間違いなのだ。待っていろ、お前を公爵の地位から引きずり落とし何れはこの国も必ず私のものにする。」
~Side Out~
少し伏線を入れてみたのですが、察しの良い読者の方にはどのように進むか大体の想像がついていると思います。
この話は作者の妄想と、王道で出来ています。
今後も暫くの間不定期で更新していきたいと考えております。
よろしくお願い致します。