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転性者が行く  作者: 金時
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第17話 私の秘密です

「ルナよ、お主は本当に規格外な存在じゃな。」


エンジュが呆れています。その言葉にエルお姉ちゃんも同意します。


「そうね。神霊と契約できるなんて規格外すぎるわよ。それに、さっきの時間・空間魔法は普通の魔法じゃ抵抗できそうになさそうでした。それを魔力の消費を少なく扱えるなんて、ルナちゃん凄すぎるわよ。」


私自身こんなことになるとは思ってもいませんでしたからね。精霊と契約が出来ればいいと、精霊魔法が使いたいと思っていただけですからね。こんな規格外な魔法しかも、この世界でおそらくオリジナルの魔法、唯一の使い手になるんです。・・・いいですね、オリジナル・唯一の使い手、どちらも童心を刺激されます。ですが、人前でおおっぴらに使用するのは控えないといけないですね、リーゼの1件もありますし、厄介ごとは遠慮したいですからね。


顔をニヤけさせながら思考していると、エンジュから声がかかりました。


「さて、ルナの件で話が逸れていたが、エルネスよ、お主の精霊魔法も他からすれば、充分規格外じゃ。そのことはお主自身が良くわかっておるじゃろう。」


「はい、エンジュ様」


「この世界の人間は強欲の者が多すぎる。ハーフエルフであるお主たちにはこの森での生活は少々面倒になることが出てくるじゃろう。しかし、森の外ではその面倒ごとがさらに増える。お主たちはこれからどうするつもりじゃ?」


エンジュが心配そうにこちらを見てきます。神獣であり、友達であるエンジュがこんなに心配してくれている。それがとても嬉しいです。でも、私はこの世界に来てから、世界を見て周ろうと思っていた為、森を出るつもりです。私のことをこんなに心配してくれるエンジュ、私の義姉エル、契約精霊のリーゼ。この人たちになら私の秘密を教えてもいいと思える強い繋がりが私の中で出来ています。これから一緒にいることが多くなるかもしれない人達です。秘密にはしたくないです。


「・・・私、皆に黙っていたことがあります。その話から聞いて欲しいんです。」


私の真剣な言葉に3人は、黙って私に目を向け、聞き入る姿勢です。


「私はこの世界の住人ではないです。気がついたらこのユグドラシルの森の中にいたのです。私がいた本当の世界は地球という魔法が存在しない世界で、この服装は地球にいた時のものです。・・・証拠としては弱いかもしれないですが。」


私の異世界から来たという言葉にエルお姉ちゃんと、エンジュは驚いていましたが、リーゼは特に驚いていないですね。


「なんと異世界とな。」


「ルナちゃんはその地球からここに来たのね。」


「はいです。その世界は科学というものが発展していて、この服装もその科学から生まれたものです。・・・リーゼは驚かないのですね。


「あたしはずっとルナの中にいたんだよ。はっきりとした意識は無かったけど、こことは違うところにいたことはわかるんだよ。」


なるほどです。知っていたのでしたら驚くことは無いですね。


「そうでしたか。リーゼが私をこの世界に呼んだのですか?リーゼの空間魔法でしたら、上手に使えば転移のようなものが出来ると思うのですが。」


「たしかに、転移に近いことは出来るんだよ。でもあたしはやってないと思うんだよ。しっかりとした意識が無かったから確証はないけど。それに、あたしの空間魔法では異世界には行けないんだよ。空間魔法は空間を操れるけど、世界を渡るなんて大それたこととてもじゃないけどできないんだよ。」


なら私はなぜこの世界にいるのでしょうか?その疑問が残りますが、私はそのことを考えるのを止め、これからのことをエンジュ達に伝えます。


「私は異世界から来た身で、この世界のことを何も知らないです。・・・ですから私はこの森を出て、世界を旅したいです。」


私の意見を伝えました。後は3人のことです。私に無理をして付いてくることはないのですから。


「わしはこの森を守らなければならん。故にこの森を離れるわけにはいかんのじゃ。すまんなルナよ」


「まだわからないわ。1度お父様や、里の人たちに話をしないと。でも私は付いていくつもりよ。ルナちゃんと離れるつもりなんて無いんだから。」


「あたしはルナの契約精霊で友達なんだよ。どこまでも一緒にいるんだよ。」


エンジュはこの森の守護者でこの森を離れるのが難しいことはわかっています。リーゼは私の契約精霊で、友達ですからね。私と一緒にいてくれると思っていました。エルお姉ちゃんのことは1度エルフの里にもでってからですね。


「ありがとう、リーゼ。・・エンジュ私たちは1度エルフの里に戻ります。」


「よい、わしも久し振りに楽しい時間じゃった。また来るが良い。」


「お世話になったです。また来くるです」


「エンジュ様ありがとうございました。」


「バイバイだよ、エンジュ。」


3人で別れの挨拶を済ませ、エルフの里に向かいます。


・・・何事も無ければいいのですが。

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