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転性者が行く  作者: 金時
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第16話 ベアトリーゼは凄いです

目の前の少女に目を奪われます。その容姿は・・・・・・私と同じですね。銀色の髪にアメジストの瞳。双子でも充分通用する似通った容姿をしていました。そしてそんな少女が私の名前を呼んだのです。私は相手の声からなんとなくですが検討がついていました。


「もしかして、ベアトリーゼですか?」


「そうだよルナ。友達のベアトリーゼだよ♪これからよろしく」


私もエルお姉ちゃんもエンジュも全員驚いています。まさか完全に実体化している精霊が出てくるなんて。・・・この少女は精霊と呼べるのでしょうか?生きている人間のように生命を感じます。


「エルお姉ちゃん、エンジュこの少女ベアトリーゼは精霊ですか?人間のように感じるのですが。」


「これは精霊で間違いないじゃろうが、ルナお主も感じるじゃろ、ベアトリーゼが発する強烈な存在感を、わしら神獣と同格のものじゃ。精霊じゃが、ただの精霊ではないのは確実じゃ。例えるならば神霊とでも言うべき存在じゃ。神霊などわしでさえ初めて見るぞ。」


「神霊?それは精霊の上位存在のことでしょうか?エンジュ様。」


「そのとおりじゃ、わしらと同格の存在じゃ」


「そんな、こんな少女が・・・神霊?」


2人の会話からベアトリーゼが精霊であることはわかりましたが、その存在は精霊の上位存在のようです。


「ベアトリーゼ、貴方は精霊なのですか?」


「わからないんだよ。生前は人間だったけど、今は世界の流れ、力のような流れを感じる。あたしは人間ではなくなったのかもしれない。向こうの2人が言っているように精霊というのが一番可能性があるんだよ。」


人間じゃないかもしれない、そう言われてもベアトリーゼはそれほど気にしてはいないようです。悲しんでいる感じがしません。それでも、精霊という存在に戸惑いはあるようです。そこで、エンジュがベアトリーゼに質問を投げかけました。


「ベアトリーゼよ、お主の属性は何じゃ?普通精霊は各属性の魔素を持っており、色が属性の証明になっておるのじゃが・・・お主からは属性と識別できる魔素が存在しておらぬ。それこそ人間と変わらないようにじゃ。お主はいったい何の属性でどのような魔法が使えるのじゃ?」


「あたしに属性があるのかはわからないけど、おそらく時間・空間の魔法が使えると思うんだよ。生前はその2つの魔法が使えていたからね。」


「なんじゃとっ!?そのような魔法が存在するのか?聞いたことも無いぞ。」


「この2つの魔法はあたししか使える人がいなかったんだよ。珍種の魔法だと思うよ。」


「そのような魔法が・・・使って見せて欲しいのじゃが、どうじゃ?」


ベアトリーゼは私を見て質問してきます。


「どうするルナ?あたしはここで魔法が使えるのかも試しておきたいから使いたいのだけど・・・いい?」


「はいです。私もベアトリーゼの魔法が見てみたいです、その時間と空間の魔法を。」


「うん、いいよ。・・・時間魔法から使うからね。・・・タイムトラベル。」


ベアトリーゼは1本の樹に目を向けているだけで何の行動も詠唱もありませんでした。ですが、その効果は一目でわかりました。ベアトリーゼが目を向けていた先の1本の樹が急激な速度で生長していたのです。凄いです、これが時間系の魔法。


「なんと、これは驚きじゃな。」


「凄い、こんな魔法初めて見ました。それに何の詠唱も無しに魔法を使ってしまうなんて、本当に神霊の可能性が大きいわね。」


2人共とても驚いていました。この世界に住んでいる2人がこれほど驚いているのです。相当凄い魔法のようですね。


「この魔法タイムトラベルは時間を行き来できるんだよ。時間を戻る、進む、止めるの効果があるの。この魔法に詠唱は必要ないんだよ。どこまで行くのか、どうするのかを明確にイメージし、魔力を使う。ただし、膨大な魔力を使ってしまうけどね。さて、次に空間の魔法を使うんだよ。・・・エリアート」


ベアトリーゼの姿が消え、数秒後同じ場所に現れました。


「今のはあたしの周りの空間を切り取り、外からの干渉力を無くしていたんだよ。見た目からだと全然たいしたことはないけど、この魔法を周囲に展開しているだけで相手の攻撃を一切受け付けないんだよ!!でも、時間系と同じくらい魔力を消費してしまうから多様は出来ないんだよ。」


しょんぼりしてみせるベアトリーゼがとても可愛らしいです。


「私の魔法は魔力を消費し過ぎて多用できないのが欠点なんだよ。でもこの魔法は他ではできない効果があるからとても魅力的な魔法なんだよ。」


どのくらい魔力を消費するのかは使用してみないとわかりませんが、とても魅力的な魔法に感じます。


「ベアトリーゼ、その魔法は貴方と契約をすれば私にも使えるのですか?」


「そうだよ。でも、気づいていないみたいだから言うけど、あたしたち既に契約しているんだよ。今の魔法だってルナの魔力を貰ってたんだから。」


・・・いつのまに・・・。


「そうなのですか?その割りにあまり魔力を消費したような感じはしないのですが・・・?」


「そうだよ、あたしも驚いたんだよ!もっと大量の魔力を消費すると思ったけど、ルナの魔力だと魔法発動効率が凄く高いんだよ。それに、ルナの身体の奥にはまだ使っていない魔力が泉のようにあるから滅多なことでは魔力切れなんておこさないんだよ。」


なんてでたらめなんですか。あんなことをたいした魔力を使わずに使用できるなんて、私自身驚きですよ。


「それと、あたしのことはリーゼって呼んで欲しいんだよ。ルナ。」


「わかりました、リーゼこれからよろしくです。」


私は精霊と契約を交わすことが出来ました。

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