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【完結】穏やかな午後の、魔法のジャム作り  作者: あめとおと


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9/9

結婚式の空に舞った、世界一の「お裾分け」


カイルとセシリアの結婚式は、王都の大きな大聖堂ではなく、彼らの強い希望で「エマさんの家の大きな庭」で行われました。


参列者は町の住人と、少しの親しい貴族たち。そして、誰よりも張り切っているアルとセバスです。



アル君の「特大の祝福」


式のクライマックス、新郎新婦が指輪を交換した瞬間のこと。


アルは自分に課された大役、「お祝いの魔法の花火を打ち上げる」ために杖を構えました。


「エマさん、見てて。特訓の成果を出すから!」


アルが放った魔法は、空高く昇り……そしてパチンとはじけました。


しかし、現れたのは花火ではなく、なんと数千個の「小さな一口パン」でした。


アルが緊張のあまり、お祝いの気持ち(と、パンを食べさせたい食欲)を混ぜこぜにして魔法をかけたせいで、空から焼きたてのパンが雪のように降ってきたのです。



予期せぬ奇跡


「わわっ、ごめんなさい! 失敗しちゃった!」


慌てるアル。しかし、次の瞬間、会場は驚きと歓声に包まれました。


空から降ってくるパンを、庭にいた何百もの「風の精霊」たちがキャッチし、参列者一人一人の手元へと優しく運び始めたのです。


そのパンは、セシリアが泥だらけで育てた小麦と、アルが魔法をかけ、エマさんが見守った、あの「思い出の味」でした。



結ばれた絆


セシリアは、ドレスの裾に落ちてきたパンを拾い上げ、カイルと顔を見合わせて笑いました。


「ふふっ、最後まで計算通りにいかないわね、私たちの毎日は」


カイルも、パンを一つ口に入れ、感極まった表情で頷きます。


「ああ。でも、最高に美味しいな」


背後では、セバスが「……予定外ですが、ゲストの満足度は過去最高です」と、涙で曇った眼鏡を拭きながら手帳に記録しています。


エマさんは、そんな若者たちを温かく見つめながら、空に向かって小さく手を振りました。


精霊たちも、幸せな香りに包まれて、いつまでも楽しそうに踊り続けていました。



これにて、エマさんと仲間たちの物語は、本当におしまいです。



一編の温かい絵本を読み終えたような、そんな余韻があなたに届いていますように。



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