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遠くて近い、記憶の路  作者: レンジ
序章 始まりの旅
9/14

8話 女郎蜘蛛の凛_後編

戦闘シーンの描写が荒いところがあります…

ご容赦くださいm(_ _)m

―何で?


私の幻覚は男には全く聞かないけど、その代わりに力をすべて女に使った。

だから、一寸のズレもなかったはず。なのにどうして…?


ふと光るものが目に入ってはっとする。


アレのせいで…

確か慈霊之霞とか言ってた刀、あれで村長の糸を切ったときにできた隙をついて…いや、絶対に無理。それともその一瞬の隙に気づいたとでも言うの?


いや、そんなことどうでもいいか。

()()()()()()。絶対に負けないんだから…


「―殺す」


あ、死ぬ。


初めて感じたこの感覚。全身から恐怖が、死への恐怖が伝わってくる。


「わ、私を殺そうとしたら、この男を先に殺すわよ」


そうよ、私にはこの男がいる。弱っちいくせに威勢はいいコイツを人質にすれば…


「龍俊、わかってるでしょ、絶対に動かないで」


この女、何言ってんの?

コイツが動かなくても私が動かせば…!


……は?

今、首…

気づいたときにはすでに遅くて、肩から血が吹き出す。


「わかったでしょ?アンタは私に勝てない。それに龍俊にも」


思わず落としてしまった人質は上手く着地して刀を握っている。


「…雑魚が一体増えたところで変わんないのよっ!」


こんなところで怯んだら…確実に、負ける―!


〜〜〜〜〜


――!

今、明らかに空気が変わった。

俺を落として、一気に弱体化したと思ったら、急にこんな強くなるなんて、どういうことだ?


「紫苑…あいつ」

「あいつは、女郎蜘蛛じゃない、少なくとも普通の」


それだけ言うとまた風を起こして光の刃を走らせる紫苑。俺も役に立たないと…


「おっそいのよ!バーカ」


やっぱりさっきよりも速さが上がってる。これじゃあどこにいるのかもわからないぞ…

どうすれば…


「龍俊、見て」

「え…」


紫苑が指差す方をじっと見てみる。

何も無い…何も無いように見えるほど細いそれがちらりと光った。


「あれは…!」


そうか。女郎蜘蛛といえど蜘蛛だから、あれがないと動けないのか!


「アハハハハ!遅い遅い!」


でも、どこにいるのかわかったところで、その速さを止める前にやられる。


「龍俊、いける?」

「!…ああ、いける!」


なら、それよりももっと速くに、糸を切る!


「”光刃の舞”!」

「”慈霊之霞”!」


二人の声が重なって光を渦巻いた霞が蜘蛛の巣を切っていく。

でもそれよりも速くこっちに向かって飛んでくる凛をどうやって対処すれば…


――そうか、この刀はいつも()を散らしていた。なら、()()()()使()()()も、できるんじゃないか?

刀を握る手に力を入れる。大丈夫、きっとできる。


「…”慈霊之霞”!」

「っ!」


刀を土に差し込んだままそう叫ぶと刀から大量の霧が撒き散らされる。

相手はきっと俺達の力を感じることができるからあまり意味がないのかもしれない。でも、こうすればきっといけるはずだ。


「そんなの無駄なのよ!」

「紫苑!」

「わかった!」


即座にどうしたいか察してくれた紫苑は風の方向を変える。

あと少し、あとちょっと…

凛が俺の方に近づいてきている。間に合え、間に合うんだ…!


「死ねえぇぇぇぇぇ!」

「”光刃”!」


そして、俺達の方に手を伸ばしてあと少しというところで紫苑の放った刃が頭を掻っ切る。

――危なかった。もし、あと少し遅かったら…


「…刀」

「は?」

「その刀の力……欲しい」


さっきの紫苑の攻撃が致命傷だったようで、体を起こすこともできないまま凛が喋る。

もしかすると死ぬ前の独り言なのかもしれないが、思わぬところで情報が役に立つかもしれない。

それだったら…


「神器を…手にしたのに」

「「…神器?」」


意図せず紫苑と一緒にハモってしまった。

女郎蜘蛛の凛が…神器を持っている?

次回も楽しみにしていただけると幸いですm(_ _)m

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