6話 神器の行方
昨日は部活が忙しく投稿できませんでした…
できるだけ毎日投稿しますm(_ _)m
大切な故郷を出て何時間経ったんだろう?
見える景色はずっと変わらず、土と田んぼと雑草があるだけだ。
「なあ紫苑…どこ目指してんだ?」
「どこって…神器がありそうなとこ」
この前の妖怪、堕飛鳥が願いの祠と言っていたことから、俺達は祠と同じ神器を探すことにした。
紫苑によると神器が発する力と癒やし手の発する力は似ていて、その力が出ている方向を目指すと自ずと神器にたどり着くはずならしい。
でも、この前と同じように、神器に引きつけられて妖怪が近づいてくることも多々ある。
まあそれ以上に近づけてしまうのがこれ何だけど…
「紫苑、そっち」
「わかってる」
扇を一振したら瞬殺されるような雑魚ばかりだけど、この刀―慈霊之霞を持ってから明らかに遭遇率が上がった。
簡単に倒すことができるから問題はないんだけど、なかなか前に進むことができずにいるのもまた事実だ。
このままだと村に着く前に日が暮れちまうぞ…
「なあ紫苑…」
「うるさいんだけど!私だって早くどっかの村見つけて…あっあれそうじゃない?」
嬉々としながら指差す方向を見ると、確かに明るい光が指している。
「本当だ。今日はあそこに泊めてもらうか!」
そうと決まればあとは進むだけ、妖怪がまた寄り付くよりも先に村へと二人で走り出す。
近づけば近づくほど明るい光が増えてくるところから察するに、今日はお祭りでもあるんだろうか?
「龍俊、ついたよ」
「ああ、でも…」
予想通り村人たちは明るい火を囲んで踊ったりしている。
でも周りの家を見たらわかるけど、いわゆる裕福な家は無さそうだ。
じゃあ俺はここで一泊するのか?
布団は…夕飯は…
いろいろなことが心配になってきて、さっきの安心感は一気に心配に変化する。
「なあ紫苑、やっぱりもうちょっと良い…」
「すみません、今夜一泊させてもらえませんか?」
もうそろそろ慣れてきたけど、こいつホントに人の話聞かないよな。
話しかけられたおじいさんは優しく微笑みながらもちろんと言う。
確かに人はみんな優しいみたいだから多少の貧乏さは目を瞑ったほうが良いな。
「そういえば、今日はお祭りなんですか?」
「はい、私…村長の孫と隣村の長の娘が結婚することになりましてね。村を上げての結婚式といったところです」
本当だ、みんなが踊っているところの少し奥に座っている男女がいる。
二人とも幸せそう…
―!
「しお―」
「ところで、そちらの方はどなたですか?」
俺が紫苑に伝える前に村長が話しかけてくる。
「…龍―」
「一緒に旅をしている弟の龍です。申し遅れました。私は紫苑、旅をしている巫女です」
「そうですか、お二人は神官ということですね。ありがたいことです、よければ祝詞をあげてもらっても」
「もちろんです」
おいおい、てことはあっちに行くのかよ…
紫苑は気づいてないのか?
あの新郎新婦…特に新婦の方から、やばいくらい邪気が出てることに。
村長の後ろをついていきながら紫苑に耳打ちする。
「なぁ…あの新婦…」
「わかってる、可愛いよね」
コイツ…!
なんにもわかってないみたいだけど、どうしてだ?
紫苑のほうがずっと妖怪と過ごしてきた時間が長いはずなのに、俺が気づいて紫苑が気づかないなんて…
「―!」
そういうことか…
一度目を瞑り、そしてもう一度開ける。
そこで踊っているのは全員男だった。全員楽しそうに踊っている。
楽しそうな顔をさせられて、踊っているように見せられて…
全員が操り人形のように引きずられていた。
本格的にローファンタジーになってきた(?)と思います!
これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m