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5話 3人目の仲間

おそらくザーリック達は手分けして探し出そうとするだろう。そう予想してた俺達は変装などせずに堂々と町中を歩いた。


そしてキャルティが常にサーチを使い続けて周りの人間の動きを観察していた。


もし向こうが俺たちを見つければ必ず尾行するだろうと読んでいた。


尾行すれば明らかに周りと違う動きをするのでサーチで感知できるはずだ。


その予想は的中した。


「いたよ! ジェイク!」


「本当か?」


「ええ。明らかに尾行しているわ」


「魚が餌に食いついたみたいだな」


と、ライズはニヤけた。


「よし! それじゃ作戦通りにやるぞ」


俺たちは大通りから路地へ入っていった。


その直後3人で手を繋ぐ。


そしてライズがバニッシュを発動し俺たちの姿は見えなくなった。


すると誰かが路地の角から顔を覗かせた。


よく見るとそれはマックスだった。


マックスは俺たちの姿が見えなくなったことに驚いた様子を見せた。


そして俺たちの前を通り過ぎ次の角でキョロキョロと周りを見渡している。


俺たちはその隙だらけの背中に向けて手を伸ばした。


俺が炎の攻撃魔法ファイアフォースを、キャルティが雷の攻撃魔法サンダーボルトを、ライズが風の攻撃魔法エアーシューターを撃ち放った。


「ぐああ!!」


マックスは三発分の攻撃魔法をくらい身悶えた。


すかさずそこへ俺がロングソードで斜め上から斬りつけた。


続いてライズが二刀のナイフで、キャルティがレイピアで攻撃する。


俺たちは3人でマックスを取り囲み集中攻撃を食らわせていった。


するとマックスは地面に倒れて身動きが取れなくなった。


まだ魔力は残っているらしく身体に怪我はしていない。


俺はマックスの額に指を当てた。


そのまま3秒間魔力を込めた。


そして新たに仲間が一人加わった。





ザーリックはコネクトでマックスに話しかけた。


「どうだ? マックス。見つかったか?」


「いや、だめだ。どこにもいねえよ」


「そうか。ところでエルンとグラッドがもう直ぐ到着するらしい。今から中央広場に集合だ。いいな」


「あ……ああ、分かった」




「なんだって?」


俺はマックスに尋ねた。


「エルンとグラッドがもう直ぐこの町に到着するそうだ」


「くそ、思ったより早かったな」


ライズはバツの悪い顔をする。


例のヒューマンコンパスを使えるエルンという奴が間もなくやってくるらしい。


ヒューマンコンパスとは半径5km内にいる人間の位置の方角を知ることができる魔法だ。


つまり射程内にいる限りどこまでも追いかけられるということになる。


ならいっそ真っ向勝負する選択肢もあるが、リーダーのザーリックというやつはライズやマックスより一回り格上の強さらしい。


ライズの見立てではやはりこちらが少し分が悪いようだ。


「仕方ない。逃げるしかないな」


そう言って俺は地図を広げた。


「どこへ行くの?」


「北の山道を通ってパルライトの町までいこう」


「その道ってモンスターが多いらしいよ」


「俺たちなら余裕だって」


と、マックスが得意げに言った。


そして俺たちは町で適当な馬車を見つけると御者を洗脳して馬車を奪い北へ向かって出発した。





「どうしたマックス。応答しろっていってるだろ」


ザーリックは先ほどから何度もマックスにコネクトで話しかけるが梨の礫だ。


「どうやら洗脳されちまったようだね」


レジーナは悔しそうな顔で言った。


「くそったれ!」


ザーリックは地面を蹴った。


するとそこへ二人の男女がやってきた。


「おお、エルン! グラッド!」


「遅くなりましたね」


「よく来てくれました。待ってたぞ」


「キャルティとライズが洗脳されたっていうのは本当ですか?」


「キャルティとライズだけじゃねえ。おそらくマックスの奴もだ」


「そんな、マックスまで」


「お前の力が必要だエルン」


「分かりました。早速見てみましょう」


エルンは右の手のひらを上に向けて魔力を集中させた。


すると手のひらの上に矢印のような物が浮かび上がった。


「どうやら北へ向かってるようですね」


「北か、よし行くぞお前ら!」






町を出て山道を2時間ほど馬車で進んでいたその時。


突然馬車が止まった。


「おい、どうした?」


俺は扉を開けて御者に尋ねた。


「そ、それが……」


何事かと思い外に出てみる。


するとなんと川に架かる橋が崩れていた。


「な、なんてことだ」


「ちょっとこれじゃ渡れないじゃないのよ」


「なんか食べられている様に見えるな」


マックスは橋の残骸を見ながら言った。


これはおそらくホワイトアントというモンスターの仕業に違いない。


ホワイトアントは木を食い荒らす習性があるモンスターだ。


「仕方ないここからは歩いて行こう」


「マジかよ」


ライズはうんざりした表情を見せる。


「確かに今から引き返すくらいならそっちの方がいいよね」


俺たちは馬車を乗り捨てて徒歩で進むことにした。





その一時間後、


「なんだよ! これじゃ渡れねえじゃねえか!」


ザーリックたちも同様に崩れた橋を前に立ち往生していた。


「これはおそらくホワイトアントの仕業ですね」


「くそったれ! こうなったら歩いて行くしかねえ!」


ザーリックたちも同様に乗ってきた馬を捨てて歩いて進むことにした。







馬車を捨てて歩き出して30分ほどが経過した頃。


「はあ、この調子だとパルライトまでどのくらいかかるんだろ」


キャルティはだるそうな顔をして言った。


「真夜中ぐらいには到着するだろうな」


俺は地図を見ながら言った。


するとその時、前方から何かが近づいてきていた。


よく見るとそれは3匹のゴブリンだった。


「でやがったな」


マックスは意気揚々とした顔でファイティングポーズをとる。


「おいこっちからもくるぞ!」


ライズの声に振り返ると背後からも3匹のモンスターが接近していた。


狼のモンスター、ヘルハウンドが2匹とトカゲのモンスター、モヒカンリザードだった。


すると狼のモンスター、ヘルハウンドがマックスに向かって飛びかかってきた。


「うおりゃ!」


マックスはそれをアッパーカットで迎撃した。


ヘルハウンドは縦に一回転しながら吹っ飛んだ


続いて今度は1匹のゴブリンが俺を狙って棍棒を振りかぶる。


俺はそいつにを雷の攻撃魔法サンダーボルトを食らわせた。


ゴブリンは激しく痙攣しうつ伏せで地面に倒れた。


続いてキャルティが1匹のゴブリンに氷の攻撃魔法コールドフォースを撃ち放った。


ゴブリンは立ったまま氷漬けになった。


そしてもう1匹のゴブリンをライズが二刀のナイフでメッタ斬りにした。


すると残りの1匹のヘルハウンドが俺に飛びかかってきた。


俺はそれを横に飛んで回避した。


そしてそのヘルハウンドの背中にロングソードを叩き込んだ。


ヘルハウンドは背中をザックリと裂かれて動きを停止した。


そして最後の1匹のモヒカンリザードにマックスが炎の攻撃魔法ファイアフォースを食らわせた。


モヒカンリザードは黒焦げになりその体は灰の様に崩れて消えていった。


「まあ楽勝だったな」


そう言ってライズはナイフをクルクルと回して鞘に収めた。


するとその時。


「ライズ! 危ない!」














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