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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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帰還

フィリア視点に戻ります

 オリバーは予定通り3日後に帰ってきた。

 いつもの仕草、表情に安堵する。特に何事もなくて良かった。

「休暇をいただきありがとうございました。

 何事も問題なく終わりそうですよ。

 メイソンも後一週間程で戻って来るかと思います。

 些か、武の方が弱いみたいですね。

 まぁ私が直接指導したので大丈夫でしょう」


 本当に試練の間に行ってきたのだろう。

 事もなげに言うオリバーの凄さには感心する。

 勿論、流通や経路等も順調に進み、今日初出荷となる。

 先行したサンプルの方での評判も上々で、既に予約も入ってるらしい。

 ありがたい事だ。


「ありがとう。オリバーも無事で良かったわ。

 メイソンさんも無事で何より。

 ふふふ。オリバーの指導は懐かしいわね。

 きっと鬼の様な訓練だったのでは? 

 試練より大変だったりして」


 メイソンさんの無事を確認できて安堵した。

 試練の間でまさかのオリバーの指導なんてちょっと可哀想だけど、試練を乗り越えてる為に必要だったのかしら?


「さぁどうでしょう? フィリア様の指導よりはだいぶ手加減したつもりですよ?  

 まだまだメイソンはフィリア様の足元にも及びませんのでこんなものか? と言う感じでした。

 まぁ付け焼き刃ですが、短期間では及第点をあげたまでです。

 先に帰ってきても大丈夫と思える位にはなりましたね」


 オリバーは首を振り、まだまだダメだという様な表情だが、少し楽しそうだ。

 メイソンさんは骨があるし、指導は思いの外、有意義だったのだろう。

 今回、初めて会ったはずなのに呼び捨てで、身内の様に喋っている事にオリバーは気づいているのだろうか?

 こんなオリバーの表情は見た事が無かったので私は思わず笑みが溢れた。


「ふふ。楽しそうで何より」


「手間が増えただけですよ」


 半ば呆れ混じりな顔になったオリバー。

 オリバーにこんな顔をさせるなんてメイソンさんは凄いと思いつつ、更に私は笑ってしまったのだった。



 …………


 そして本当に1週間後、メイソンさんが帰ってきた。メイソンさんは訓練場で扉が開いた為、訓練場に戻ってきたのだ。

 いきなり現れたメイソンさんに皆一瞬止まっていたが、メイソンさんがにっと笑って

「ただいま。帰ってきたぞ!」

 という言葉にわー!!っと歓声が上がり皆が周りを囲んだ。

 揉みくちゃにされながらも満面の笑みを浮かべるメイソンさんは誇らしげだった。


 私はそれを少し離れた遠くから見守る。

 メイソンさんが扉をくぐってから、キャサリンさんと仲良くなり、それにケイティさんが加わって、エイムの女性3人はとても仲良くなった。

 エイムの他のメンバーとも魔力ポーションの事やキャサリンさんの邪魔? が入らない事もあり、少しずつであるが普段の何気ない会話が出来るようになってきている。


 メイソンさんがいない1ヶ月で居住区の生活は一変した。

 メイソンさんにはオリバーからある程度話してあると言っていたが、メイソンさんは1人取り残されて皆との距離が開いてしまう?

 なんて事はなく、一瞬で元のポジションに戻り、今の生活にも馴染んでしまっている。

 これまでのメイソンさんの実績が大きいのだろう。

 バッカスさんも少し寂しそうだが優しい笑みを浮かべている。


 こっちも変わったが、メイソンさんも変わっていた。メイソンさんはこの1ヶ月で更に体が大きくなった? 

 ような気がするし、顔つきも変わった気がする。

 一皮も二皮も剥けたメイソンさんに驚きだった。


 メイソンさんが無事試練を乗り越えて帰って来るか心配だった。

 けれど、とても変わってしまったメイソンさんに、いざ帰って来たら私は何と声をかけて良いのか戸惑っていた。


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