表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/159

心配事

 あれからキャサリンさんとジョアンナも仲良くなり3人で薬草を管理することになった。

 キャサリンさんは聞き上手で、居住区にも顔が広いみたいだ。他にも一緒に手伝ってくれる人を探してくれるみたい。ありがたい。

 キャサリンさんと私が、和解と言うか仲良くしだしたことにケイティさんは自分の事のように喜んでくれた。

 薬草畑も手伝ってくれると言う事だったが……ケイティさんは火属性が強くて、植物を育てるのには向かないみたいだ。

「収穫と薬草を乾燥させたりは手伝えるから、その時は言ってね?」

 申し訳なさそうに言うケイティさんに、私は手伝っていただけることに感謝したのだった。


 全て解決した! 訳ではない。一つ心配事がある。それはメイソンさんがまだ帰ってきてない事だ。

 半端者から魔法使いになる為の試練は他の試練よりもかなり難しいので、時間がかかるのは仕方ない。平均は2週間だ。メイソンさんが扉を開いてから今日で3週間。平均よりも遅いことに私が心配していると、オリバーが調べてくれた。平均より遅いけれどこれくらいの日数はよくある事らしい。

 特に、成人を過ぎての試練は比較的長い傾向にある。だから心配する事は無いですよと言ってくれたけれど……心配してしまうのは仕方ないだろう。


 ルーチェ草の研究が一段落して、今は栽培する量を増やしている状況だ。キャサリンさんの呼びかけであれから何人も人が手伝ってくれる事になった。皆、減らされた国の予算の事を心配していて、自分が出来る事は手伝いたいと意欲的だ。

 お陰で区画は広がったけれど、無理しない様に1人1区画の担当なので、自分の担当量が増えるわけではない。

 手入れは、やり過ぎても良くないとジョアンナにも、言われてるし、時間が出来てしまったことにより余計に考えてしまうのだった。

 ここ最近オリバーとは毎日の様に面会している。

 ルーチェ草を使った症状別治癒ポーションと魔法薬の販売経路や流通量、金額、流通方法等、詰めなければいけない事柄がたくさんあった。

 最初、販売はジョアンナの実家の伝手を頼って……と話していたけれど、それだと居住区のお金にならないからと、とても悲しそうな顔で言われた。

 それはジョアンナの望む事ではないと。

 ジョアンナにも複雑な事情があるのだろう。

 本人が濁したのでそれ以上は追求してない。

 販路等はこちらで探すことになったのだ。

 それでオリバーである。有能なオリバーはなんでも熟してしまってるので、申し訳ないと思いつつも頼ってしまっている。

 まだまだやる事は沢山あるが……


 それでもメイソンさんの事は心配で、日に日に私が考え込んでいたのだろう。オリバーは、聡いし、よく私を見ている。


 面会中もそれを感じたのか、 

「フィリア様を心配させるなんて、男として許されませんね」

 と、ちょっと怖い笑みを浮かべていた。


「長くなる事もあるってオリバーが言ってたんでしょ? きっと帰ってきてくれるわ」

 と、何故か私が慌ててメイソンさんをフォローしたのだった。


 次の日にオリバーが休暇申請と爆弾発言をしてきた。

「フィリア様、少し休暇をいただきたく思っております。

 すぐに戻るつもりですが、念のため数日空けるとこになるかもしれません。

 その間、連絡が取れないかと思いますが、ルーチェ草の事に関しては遅延なく進んでおりますのでご安心ください。

 あまりにもフィリア様が、心配されているのでちょっと試練を覗いて来ようと思います」


 さらっと、最後に爆弾発言をしてくるオリバーに開いた方が塞がらない。えっ? 試練ってちょっと覗いてくるって言って覗けるものなの?? 私が驚いた。


「えっ? そんな事できるの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ