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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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sideメイソン 4、決意と試練

少し短いです。


今日は5時ごろにも投稿しています。

お読みでない方は前話からお願いします。

「わるい……大丈夫か?」


「大丈夫です。こちらこそ、すみません。少しぼーっとしてただけですので。ダメですね。鍛錬に集中できていませんでした。今日は残りを見学しますね」


明らかに何かに悩んでいるのにそれでも人に頼ろうとしない。

頼りにされない自分に何とも言えないやるせなさを感じつつ悪戯心に火がついた。

フィリアを抱き上げた。抱きしめる事は出来ないが、体調の悪い人を運ぶのは許されるはずだ。

自分にそう言い訳をしてフィリアを運ぶ。思ってた以上に軽くて驚いた。そういや、こんな事をしたのは自分も初めてだった。

最初は呆気に取られていたフィリアだったが、顔を真っ赤にして下ろして欲しいと懇願してきた。

フィリアの慌てぶりをさらりと流して、俺はあと少しだからと聞こえないふりをして端に移動する。もう終わってしまうと寂しさを感じながら、ベンチにフィリアを優しく下した。

フィリアは顔が真っ赤になっていた。抱き上げられるなんて事された事がなかったのだろう。可愛いなと思っていたら、更に可愛い声でお礼が聞こえてきた。


 俺の中でプツンと何かが切れた。フィリアが何を抱えているのかもわからないのに、俺は魔法使いになる決意を伝えてしまった。押し付けもいいとこだ。

 半端者の俺では、フィリアに出来る事なんて殆どない。魔法使いになった所でそれは変わらないがしれないが、少なくとも誰かに養ってもらってる状況からは抜け出せる。それに俺にはある構想があった。魔法使いになれば、構想が現実になるかもしれない。


 今思えば、フィリアからすれば急に決意表明された所で困っただろうに、励ましの言葉をくれたのだった。

フィリアの反応から今は望みがない事は明らかだが、俺は魔法使いになっていつかフィリアを振り向かせてやると心の中で決意したのだった。


俺の決意表明が良かったのか? フィリアは何処か吹っ切れた様に、以前より体調は良くなった様だった。嬉しい。俺も何となくだがあと少しで試練の扉が開く様な気がしていた。


……そして試練への扉が出来上がった。元々覚悟は出来ていた。他の人達に心配かけない様に笑顔で皆に挨拶した。扉に手をかけた時ふと、もしこれが最後の別れになったらと不安がよぎった。勿論試練を乗り越えて、戻ってくるつもりだったが、もし最後になったら……フィリアには俺の笑顔を覚えていて欲しかった。フィリアの顔を最後に見ておきたかった。俺は振り返りフィリアを見つめる。そして、満面の笑みをフィリアにむけた。必ず帰ってくるが、最後にフィリアの顔を目に焼き付けて試練への扉をくぐった。


…………


試練は胸糞悪いことばかりだった。自分自身の弱い所、痛い所ばかりついてくる様な嫌な事ばかりだ。過去の嫌な事、後ろめたいと思う事を見せてくる。

試練と言うのだから、もっと、害獣がたくさん出てきて、それを必死に倒すくらいの方が精神的にはよっぽど楽なのにそう上手くは行かない。まぁこれが試練だと言われたらそうなのだろう。以前の俺なら一つ一つに対して、落ち込んだりイライラしていた。

けれど今は何故か心は凪いでいた。感情の起伏が全くないわけではないが、何処か客観的に冷静でいられる自分に成長を感じる。これは過去に折り合いをつけたと言うのだろうか?

それとも、何としてでも試練を克服して会いたい人がいるからだろうか?

試練を乗り越えたらやるべき事が沢山あるなと感じつつ、目の前の試練に集中する。

この後、どんな試練が待ち受けて居ても、必ず帰れる。何故かそう確信していた。

メイソンの試練内容を書き始めたら、長くなりそうだったので、具体的な内容は飛ばしました。フィリアの物語なので。そうすると短くなってしまいました。ごめんなさい。これで、メイソンの話は一旦終わりです。

少し書き始めた部分をフリーメモにして残しておけるようになって便利になりましたね。フリーメモが消えなくなったのは便利。運営様感謝です。


いつもお読み頂きありがとうございます。

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