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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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再凍結

 「どう言う事だ!!」


 「まずは治療の結果を聞いてからにしてはどうだ」


 私が一次治療の終了を告げると、エイベル様は激怒した。

 ……鑑定を行ったからであろう。

 私に詰め寄ろうとするがオリバーに阻止される。

 エイベル様の激怒はわからなくもない。凍結した魔力柱は鑑定では認識出来ない(私の鑑定ではカッコ書きで出てくるけど一般的には出ない)ので、見た目は魔力柱レベルが減った様に見えるのだ。


 「確かに鑑定の魔力柱レベルは下がっておりますがちゃんと、サーラ様の魔力柱は残っておりますよ。心配なら一度元に戻しますか?

 不服ならいつでも元に戻せると言った筈です。

 また激痛に見舞われますが、それでも宜しいのでしたら」


 今にも掴みかかってきそうなエイベル様に早口で私は説明した。

 エイベル様とオリバーは一触即発だった。

 サーラ様は、痛みのない体にずっと朧気だったが、自分の魔力柱レベルが下がっていると聞かされ青ざめて元に戻してほしいと懇願してきた。


 「私の生きる希望なの!!」


 最後の言葉の意味はわからなかったが、エイベル様にもお願いされ、もし戻らなければ容赦しないと怒気も飛ばされたが、ちゃんと見てからにしてほしい。

 ちゃんと気に入らないなら元に戻すと言ったのに、そんなに怒らなくても……説明しなかった私が悪いんだけど、説明したところできっと不審に思われ治療出来ないかもしれないと思っての強行突破だ。

 両者の同意もあり、仕方なく解凍し結合した。次に凍結をしやすい様にマーカーを引いておいた。こうすれば次凍結する場所がすぐに分かるためだ。

 やはり凍結を解除すると先程の痛みが襲ってくるのか、サーラ様はうずくまる様になった。


 エイベル様が再度鑑定をして魔力柱のレベルが戻ったのを確認して、ようやく納得した様だ。

 再度治療するか問いかけ、バツが悪そうに了承したので、先程のマーカーをつけたところまで再度凍結する。

 傷んだ器と回路をエイベル様に再度、修復していただいて、再度一次治療は終わったことを説明した。


 「今のサーラ様の器や回路の耐性よりもほんの少し強い魔力柱のレベルにしています。以前よりは痛みは減ったでしょうが、1日3回ほどは治癒魔法が必要な状態になる可能性があります。寝る前に治癒魔法を行い充分な睡眠を取ってください。睡眠と適度な運動、日光浴をする事によって丈夫な体が出来上がります。好き嫌いなくバランスよく栄養もとってくださいね。

 体作りをして、丸一日治癒魔法が不要になれば、また魔力柱のレベルを少しあげます。そうやって魔力柱のレベルに慣れていきましょう」


 私は今後について説明した。次の診察はサーラ様の体調次第なので、また連絡をくれる様に促す。今の調子だと、納得はしてくれている様だ。


 「こんな治療法今まで聞いた事がない……どういう、仕組みなんだ?」


 「それは教えられません。教えた所で、同じ事が出来るとも思えませんが、治癒魔法師には治癒魔法師毎に秘伝の治癒魔法があるのでお教えない方が多いのでは? これは私の独自魔法です」


 教えても、あの器用なオリバーですら出来なかったのだ。私の魔力が特殊なのか、オリバーが、偶々出来ない苦手分野だったのか……。魔力のクッションや、カバーに対する拒絶反応は私の魔力には皆無なのだ。これは治療のし易さ、幅が広がると言う事だ。

 私は半端者なので、2回も凍結保存すると魔力量は限界だ。私はふっと意識が飛びそうになり、ふらついた。

 オリバーがつかさず、危なげなくフィリアを抱き止める。


 「ごめんなさい」


 「無茶をしすぎですよ。ご主人様。」


 流石に2回はやり過ぎだがこうでもしないと納得しなかったのだから仕方ない。


 私の態度に相当難しい治療なのは理解してくれた様だ。

回復魔法は、1日3回かけて、更に体力増強を図り、治癒魔法が不要になればアンを通して連絡して欲しいことをお伝えした。


 エイベル様から直接連絡を取りたいとお申し出があったが丁重にお断りした。なんせ私は敵対する派閥ですからね。

 私という存在は知られてはいけないのだ。

 

 とにかく今回の治療は終わりだ。これからは経過観察しつつ治療していくしか無い。長い道のりだ。私が神殿に入る前に終われるかはサーラ様の頑張り次第だ。


 


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