健康診断 アン編前半
私は侯爵家の邸内に戻ってきた。
お兄様達に、用が済んだら早く戻りなさいと言われたからだ。
防御魔法を展開できる様になったらもっと見れるかな。
最初は怖かったけど、少しずつ落ち着いてきて、もっと見たい気持ちが強くなってきた。
今度グレゴリーさんに教えてもらおう。
私は他の人達も健康診断(鑑定)をしていった。
少し運動不足な人とか、肩こりとかはいたけど命に関わる様な病気はなく概ね健康体でした!
肩こりには患部を少し温めつつマッサージをしたり、小まめなストレッチを、お願いした。
私は心配してたけど、グレゴリーさんが言った様に、今の所鑑定を嫌がる人はいなかった。
私が健康診断と言って、お医者様気分でやっているせいがあるかもしれないけど。
前世のお医者様ごっこ的な?
さすが魔法使いは長寿だわ。
多少の怪我とかなら大体自分で治せる人が多い(自己回復力を促進するのは初級魔法なのだ)し、最近は大怪我をする人も少ないらしい。専門の治癒魔法師もいるらしく怪我の後遺症はあまり存在してない。
そう思うとマーサが特別だっただけで私ができる事は少ないかもしれない。
アーレン王国の食事はとてもシンプルな味付けが多いから健康的な食事ともいえる。
私はなんでも雑食派なので、辛い物じゃ無ければ大丈夫! 美味しくいただいてるよ!
前世で嫌いだったものは辛い物だけだ。
甘い物が好きなのですよ!! ストレスには糖分を取りたくなると言いますしね!
まぁ私はストレスとか関係なく甘い物好きですよ!
侯爵家でも毎日ではないですが、甘い物が出てきます!!
私にとって至福の時です! ありがとう!! 甘い物よ!!
あっすみません。話がそれました。
みんなの運動不足は、私の体力トレーニングに付き合ってもらおう。
グレゴリーさんは忙しい人だ。
神官のお仕事は勿論のこと、王族や高位貴族、騎士団の訓練にもいまだに参加してるらしい。
今は私に対して、毎日1時間ほどトレーニングしてくれてるけど、半端者なんがずっとグレゴリーさんの時間を頂くのは申し訳ないのである程度、基本が掴めたら自主練時間を増やしてもらうつもりだ。
運動不足の使用人にも、手伝ってもらえば一石二鳥!!
侯爵家では、私が外に出れない分、皆は私に甘い。
勿論、甘いからと言って、私は甘やかされたりはしてない。我儘を言って困らせたくないし。
だから、偶に私が意思表示をすると全力で付き合ってくれるので、今回はそれを利用させてもらおう! 皆の健康のためだ!!
いつも顔を合わせるみんなの健康診断は終わった。どうせなら、普段会わない侯爵家の下働きの人達も全員健康診断しちゃいましょう!
そう思って私は、リネン室に行った。
リネン室には下働きのアンがいた。アンは16歳、魔法学校を卒業してすぐ侯爵家の使用人として働いている。まだ数ヶ月くらいだ。下働きでも、侯爵家の使用人は優秀な人で無ければ採用されない。アンはブラウンの髪に髪より濃い茶色の目をした可愛らしい感じの人で、今は仕事中もあり、長い髪を一つに纏めている。
魔法は万能の様に思われがちだが、実際は適性や能力によって、使える魔法は限られてる。グレゴリーさんのようなほぼ全属性を使える方が稀なのだ。
なので個人の特性に応じて分担しているのだが、アンは水魔法が得意で洗濯を担当し、リネン全般を任されている。
侯爵家は使用人の数も凄いのだが、アンを含む数人でリネン全般をまかなっている。
一度、洗濯魔法を使ってる所を見たが10キロの洗濯機の10倍くらいはある水をぐるぐる回したり、叩きつけたりして、洗っていた。勿論乱暴だと服が破けてしまうので、とても繊細な魔力操作がいりそうだ。
侯爵家の使用人は、どんなに下働きであっても侯爵家みんなに紹介される。私にも紹介されたので名前覚えてました。
侯爵家の使用人の出入りはそんなにないので、私でも覚えられるのだ!! えっへん!
あぁ!また話がそれてしまった……。
気を取り直してアンさんに声をかける。
「アンさん! こんにちは!!」
挨拶は大事ですよ!
「こんにちは、フィリアお嬢様。いかがされましたか?」
アンはこんな小さな私に対しても、礼儀を弁えている。
一線を引いてると言ってもいいかもしれないけど、今回は健康診断だ!!
毎日顔を合わせる侯爵家の皆に対しては殆ど人見知りはしなくなった。
そんな私だけど、まだ日の浅くて、あまり会わないアンとは、人見知りを発揮してしまいそうだ。
けれど、人見知りの私でも普段お世話になっている方々に恩返ししたい!!
勇気を振り絞って、アンにお願いをした。
「アンさん! 私、皆の健康診断をしてて、アンさんにもしたいのです。どうか鑑定をさせてください!!」
その言葉に、アンさんはぴくりと肩を揺らし、顔がこわばった様に思えた。
あれ? なんか私ダメなこと言った??
やっぱり鑑定ってダメ?




