この世界の人物鑑定がチート? おかしい! 前半
キャラの濃い方が出て来ます。
作者の勝手な世界観です。ご注意を。
鑑定結果
グレゴリー=⚫️⚫️⚫️⚫️
年齢55歳
身長190センチ、体重85キロ
魔法レベル 48(高位魔法使い)
属性 聖魔法以外の全属性
筋力レベル MAX …………etc。
へ〜、グレゴリーさん50代だったんだ。すごく若く見える。この世界の魔法使いは基本的に、皆若く見える。魔法使いは長寿だからかな?
家名は拒否したんだ。よっぽど嫌いなのかな? 黒く塗り潰されてる。やっぱり魔法レベルも属性も凄いや! こんな人が神官なんてちょっと勿体無い気もするけど……。ん?
鑑定の内容が頭に入ってくると同時に、別の声が聞こえて来た。
『昔々ある所に、グレゴリーと言う侯爵家の次男が生まれた。グレゴリーは次男だった為、兄を立てるように、成績を中の中にしていました。
(どうせ、スペアの自分なんかは最終的には必要とされない。
なら適当に適当な位で成績も修めとけば良い)
と思っていたある日、グレゴリーはエメリーと出会い変わりました。
エメリーは病弱だったので、グレゴリーは治癒魔法を、極め、エメリーからの支えもあって、様々な事に努力し、最終的に魔法武闘大会優勝、主席で卒業しました。
スペアであったが為に、兄の子が2人産まれるまでは、自由にさせてもらえませんでしたが、漸く願いが叶いエメリーと結婚し、幸せに暮らしていました。
エメリーは1人の男児を出産しましたが、元々病弱だった上に、無理を押して出産した為に、数年後に他界されました。残された男児も早産だった為、半端者になってしまい……………』
っておい!! なんじゃこの語り部は??
そう心の中でつっこんでいると…。
「お呼びでしょうか。ご主人様」
はひ? 急に現れたのは黒のロングテールコートを着た執事風の男性だった。初老くらいなのか、白いチョビ髭がトレードマークだ。
灰色の目に灰色の髪はどこか安心させるおじ様な感じの色合いで、親近感が湧く。大きなクリクリの目をしていて、可愛らしいが似合う人だった。
「ええっと貴方は?」
「私はブレンと申します。人物鑑定のエキスパートでございます」
エキスパートって自分で言う? すごい自信だ。
そう言えば、ブレンと名のる彼が話し始めてから、周りの世界が止まったかのように動かない。どう言うこと??
「この世界は、鑑定の間で、時間の感覚はございません。
時が止まっているとも言えますね
フィリア様は鑑定レベルはMAXでいらっしゃいますので、この空間にお連れする事が出来ます。
いやはや、いつ視線人物鑑定をされるのかと心待ちにしておりました。
鑑定レベルは殆どレベルMAX、視線を合わせての対人物鑑定のみされた事がなかったので、中々お連れする事が叶いませんでした。
この様にお目にかかれる事、恐悦至極にございます」
ブレンは慇懃に頭を下げた。
「えぇっと?頭を上げてください。この世界は鑑定の部屋で、鑑定した内容を吟味できる場所って事かしら?」
「そうでございます」
そう言って、ブレンは話を始めた。
この空間は、鑑定したありとあらゆるものを吟味出来る空間で、時間の感覚もなく、考えを纏めることが出来る。
鑑定はありとあらゆる事を精通してるらしく、その人の人生をそのまま投映もできるとの事。えぇっとつまり、映画やドラマの様に、その人の人生を映像で見れると言う事?えっ?
「そうでございます。
ちなみに、映像はダイジェスト版、映画版、ドラマ版、正規の全てのからお選びいただけます。
ご安心ください。1.3倍速、1.5倍速、1.8倍速をご用意しておりますし、睡眠等もカット出来ます。
あぁ、睡眠はカットしなくて、どんな夢を見たかなども投映出来ますよ。
お好きな時間、年齢を仰っていただければその映像のみを写すことも可能です。わたくしにお任せください!!」
ドヤ顔のブレンが目の前にいた。胸に手を当てて、自信満々の、笑みを浮かべている。
私は理解が追いつかず、固まっていると……。
「これは失礼を致しました。
立ったまま、話をしてしまいましたね!
なにぶん、久々なので……はいっ! これでいかがですか?」
私の前には豪奢な1人用のテーブルと椅子があり、テーブルの上には温かい飲み物と添え菓子が、置かれていた。まるでティータイムが始まった様な感じだ。
いやいや……そういう問題ではありません!!
グレゴリーさんの家名が表示されなかったのは、グレゴリーさんが知られたくないという意を汲んで、フィリア自身が無意識に隠しているだけです。
フィリアの鑑定能力は凄いので、本来は何でも知る事が出来ます。しかしフィリアが無意識にこれはダメだろうと思う事は排除されているという設定です。




