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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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目を合わせるということ 後半

少し短いです。

 「今も無意識か? 気づいているか? 目を合わせていられるのを」


 ……確かに、今は何故か目を合わせていられる。……はて?何故に?


 「目を合わせられないのは、おそらく自分に自信がないからだ。自己肯定感がかなり低いな。何らかのトラウマ、強烈な出来事があったと思うのだが……自分で思い当たることは?」


 「そう言った事はありません」


 私は声が小さくなり、目線が下を向く。前世の事なんて突拍子もない事言えないし、言いたくない。正直踏み込んできて欲しくない。


 「そうか……自分の事では無理だが、他の人……例えば大切な人の事となると、ちゃんと目を合わす事が出来ている。つまり、フィリアが人と目を合わせられないのは心の問題だ」


 そう言ってグレゴリーさんは私を分析してくれた。

 過去に何かのトラウマがあって目線を人と合わせられない事。

 自分自身の事では特に目線が合わせられない事。

 自分自身ではない他の人の為なら目を合わせられる事。

 上記の様であれば対策が取れるとの事だった。


 「要は自分のことと思わなければいいのだ。

 大切な人の為に今この人と目を合わせて喋る様にする。

 大切は人と結びつけれない場合は、そうだな……これは目線を合わせる仕事だと思ってみるのはどうだ?」


 「仕事……? ですか?」


 前世を振り返ってみる。確かに前世、仕事をしていた時、必要な場合は目を合わせていられた気がする。

 お金を対価に頂いている訳だから、ちゃんとしなければと思ってやっていた事だと思うけど……。

 仕事が終わった後の私って廃人になった様に、泥の様に疲れて眠ってたっけ? 

 普通の時間の何倍も気を使うのだ。多分ずっと仕事の様に思うのは体力が持たない。

 無理な気がする……。


 「今、無理って顔をしてるぞ?

 そんなに難しく考える必要はない。

 ずっと仕事してる様に張り詰めろとも言っていない。

 ただ必要な時は目を合わせられればいいんだ」


 「必要な時…………?」


 「そうだ。最初に会った時、何故あんなに煩い声で話し始めた思う?

 まぁフィリアを試したかったと言うのがある。

 普段はもっと優しいお爺様なんだぞ?」

 

 と言ってグレゴリーさんは戯けて見せた。

 グレゴリーさんが優しいお爺様……ちょっと想像出来ない。

 スミマセン。

 

 グレゴリーさんは不服そうな顔をしているが話を続ける。


「まぁいい。例えばフィリアが今結界に阻まれて迷いの森に行くとする。

 迷いの森にいる害獣は、雄叫びを上げる奴もいる。

 その時に一々目線を下げていては、襲われるきっかけになる。

 害獣と会った時は反射的にでも、目線を下げてはいけないんだ」


 そこからはグレゴリーさんの何故目線を下げてはいけない講座が始まった。

 要するに目線を下げてしまうと相手に格下と思われ、害獣に襲われるきっかけになる事だった。

 鑑定も極めれば、物に触れずに行う事は出来るが、相手と視線が合えば更に多くの情報が引き出せるとのこと。

 視線を合わすって、害獣対策にはとても有効なのね。最初の出会い頭のあれはグレゴリーさんなりの試験だったのだ。多分害獣より、怖かったよ? 

 害獣とまだ会ったこと無いけど。

 害獣と会った時私は目線を下げるのだろうか……。あってみた事ないから想像ができない。

 前世の私のことを考えると、目を合わせられないのは人に対してだけだと思う。

 少なくとも犬やウサギ、アヒル、馬は大丈夫だった。

 害獣って熊みたいなものなのかな。熊は前世であった事ないからわからないけど、やっぱり怖そうだよね。

 恐怖心から見て見ぬふりをしてしまうかも……無駄死にはする気はないので、頑張らなければ!!


 ってな訳?で私は視線の練習と、グレゴリーさんの体力トレーニングが始まった。

 5歳児です。どうかお手柔らかに……。

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