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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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第3の選択肢


 第3の選択肢……それはアーレン王国の結界の外へ行くという事だ。

 アーレン王国の外に関する書物はあまり見てこなかった。

 外の国の本を読んでるとお母様がとても悲しそうな顔をしているからだ。それでも、最低限の知識は知ってる。


 魔法使いの奴隷解放後、結界の外の国の方々は大変荒れたらしい。それはそうだろう。今まで魔法使いに押し付けていた仕事を全部自分達でしなければならないからだ。

 それだけではなく、今までは自然災害も魔法使いによってある程度は抑えてもらっていた為、災害に対しても貧弱な事が災いし、大混乱になった。


 そこでオーディナリーの人々は外の世界に残った魔法使いを頼る事になる。殆どの魔法使いはアーレン王国へ避難したが、すべての人が避難した訳では無い。

 それは、全ての外の国が魔法使いを奴隷の様に扱っていたのではなかったからかもしれない。

 奴隷の程度は様々で魔法使いを対等に共存していた国や村もあった。なのでそのまま外の世界に残る者いたとか。

 残った魔法使いの奪い合いや再度、奴隷狩り等が起こったりもして大混乱したのは言うまでもなく。

 外の世界に残った人達の理由は様々だが、多くはオーディナリー達を見捨てられないのだろう。その皺寄せは相当なものだった筈だ。


 創造神様も外の世界が混乱していることも、外にいる数少ない魔法使いの事も心配して、とても憂いていた。それを見かねた勇者アーレンは、有志の高位の魔法使いと共に「神の御使い」として、最低限の期間の食料保全と自然災害の抑制に尽力した。


 ただし、以前の様に何でもかんでも魔法に頼るのではなく、自分達でできる事はする。その国にいる魔法使いを見守り、時には手厚く保護して、自国にて再び奴隷の様な扱いにしない。他国からも守るという条約を結んだ国に対してだけだ。

 今もその条約を結んでいる国は沢山あり、両親も時々外の世界へ「御使い」に行っている。良好な関係を築いている国も多いと聞く。


 私の腕輪だって外の世界の人が作った物らしい。お母様は外の世界が結構好きなのだと思う。お母様の論文を読んでいると、わかる。外の世界の人との合同事業だってあるのだ。

 お母様は、どちらかといえば珍しいのかもしれないが、外の世界の人と交流があるという事はそれほど危険では無い国もあるのではないかと思っていた。



 やっぱり今度調べてみよう。半端者でも暮らせる国があるのかもしれない。家族と離れるのは寂しいがもともと神殿にいても同じ事だ。魔法使いにならない限り、侯爵家にはいられないのだから。

 神殿も外の世界も変わらないのかも……。外の世界に行ったとしても、山奥とか、外の神殿とかで暮らせば良いのだし……あぁ……でも虫は苦手だ。虫はいるのかな……。Gだけは勘弁して欲しい……。今世では見た事ないな。嬉しい!


 ……と、新たな選択肢を考えつつ、もう一度眠ろうとするが……うまく寝れない。

 なんか目が冴えちゃったな。外を見るとすっかり夜だ。

 けど星の位置からまだ夜になってそう間もない頃だろう。

 散歩でもしようかな。


 侯爵家でも眠れない時は散歩していた。侯爵家の周りにも害獣よけの結界が張っており安全だった。

 神殿には、この国で1番と言えるかもしれない害獣よけの結界が張っており、アーレン王国の中でも1番安全な場所だと言える。王宮に行った事ないから知らないけど、王宮よりも強固な結界らしい。中庭くらいなら出ても大丈夫かな。

 この世界には魔物が存在する。アーレン王国でも然り。

魔物の中でも人間を襲う魔物を害獣と呼んでいるが、アーレン王国にも勿論いて、時々被害の多い害獣は討伐に出かけているけど。まぁ1番強固な結界を張っているのが神殿だし大丈夫でしょう。


 ……グレゴリーさんは反省室に入ってると大司教様の手紙にも書いてあったし、大丈夫なはず。会ったとしても大丈夫である事を祈ろう。今度こそ脱兎の如く逃げるのだ!


 私は近くにあったガウンを羽織り近くにある中庭へ出た。

 フィリアのいた部屋は夜間、半端者以外の人が出入り出来ない仕様になってます。なのでマーサや家族は誰も付き添い出来ませんでした。ある意味とても安全な部屋なのですが、自ら外に出てしまいました。フィリア……何かあっても知らないぞ!!

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