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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第二部 ルルーシオ王国編

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試練への扉

 溢れ出した魔力が収束して、前面に伸び試練の扉を作り出した。

 自分の試練の扉を見るのは2度目だ。

 1度目は、魔法使いになるのが嫌で逃げ出した。

 前回はミィやルイス殿下に頼ってしまったけれど、今回は逃げない。


 私は意を決して扉に触れた。


 扉に触れると、触れた部分からサラサラと砂のような粒子になり扉が崩れていく……。最後には跡形もなく消えてしまった。


「えっ……?」


 (どういう事!?)

 長年、逃げ続けたせいで、試練の扉が壊れてしまったのだろうか?

 私にはもう魔法使いになる資格は無いのだと言われた気がした……。


 私は、呆然としてしまった。

 少しの間沈黙が流れる……。


「ふふふ。良かったね! おめでとう!!」


 沈黙などお構いなしにミィは話しかけてきた。

 おめでとう!? 喜ぶ事なの? 

 以前の逃げていた私ならそうだったけど、今は違う。魔法使いになりたいのだ。試練を乗り越える為に扉が必要なのだ!! ミィは勘違いしている?


「えっと、前は魔法使いになりたくなかったんだけど、今は魔法使いになりたいの。他に魔法使いになる方法を知らない??」


私の言葉にミィは可愛らしく首を傾げた。


「? 分かってるよ?

 だからおめでとうって言ったんだけど?」

「えっ?」

「嘘だと思うなら鑑定してみなよ!」


 のほほんと言うミィに、私は半信半疑で鑑定をした。

 鑑定結果を見て、私は驚きを隠せなかった。


「えっ!? レベル53!!

 これって王位魔法使いじゃないの!?」

「ふふふ。凄いでしょう??

 私の育て方が良かったのね!!」

「育てすぎじゃない!?」


 思わずミィに突っ込んでしまった。

 まさかの王位魔法使いだなんて……確かに身体中を巡る魔力は今まで以上なのは確かだ。

 これは試練への扉が開いたからと思っていたけれど、扉が無くなってからも体から溢れる様な魔力は変わらなかった。

 これが王位魔法使いの魔力……それを実感していると……。


「ふふふ。試練の扉はフィリアが扉に触れただけで、決意と今までの鍛錬を認めたって事だよね〜。さすが私が見込んだフィリアだわ!!」


 ミィが得意げに話している。

 どうやら、扉に触れた事で試練をクリア出来たようだ。

 そんな事ある?

 私は、まだ納得できていなかった。


「も〜フィリアは深く考えすぎ!!

 試練がいいって言ってんだからいいの!!

 わかった!?」

「えっ? あ……。うん。そうだよね。

 ありがたい事だわ」

「そう言う事!! じゃぁ、まったね〜」


 ミィは、そう言って姿を消した。

 そういえば、前もこんな感じであっという間にいなくなっちゃったなと、どこか諦観した気分だった。


 この世界が魔法使いと認めてくれたのなら、手順はどうであれ受け入れて、使うべきだ。

 


 私は魔法使いになって、やりたいことがあるのだから。



「ブレンも見守ってくれてありがとう。

 思っていた事と違うけれど、結果的に魔法使いになれたのだから、私の望みは叶ったわ」

「はい。そうですね。魔法使いなったことが終わりではありません。これからその力を使い何を為すかですよ」

「そうよね。それが大事ね。

 心に刻むわ。ありがとう。

 ブレンが見守ってくれて心強かったわ」

「それはようございました。まだまだいつでもお越しくださいませ。心よりお待ち申しております。

 何もなくても、話し相手に来てくださいね?」

「あ……。ごめんなさい」


 最近は忙しくてブレンとのお茶会はしていなかった。

 時間が止まっているからいつでも良いはずなのに……。

 申し訳ない気持ちになりつつ、今からじゃぁお茶でも……と思っていたら、ブレンはにっこり笑う。


「今、茶会をしたところで気もそぞろでしょう?

 もっと落ち着いた時で良いですよ」


 時が止まっているとはいえ、外の世界を気にしつつお茶会は確かに、ゆったりとはできないだろう。


「ごめんなさい。落ち着いたら必ず!!」

「ほほほ。心よりお待ちしております」


 全てが終わったらゆっくりお茶会をしようと約束した。

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