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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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今ある選択肢

 土曜日と月曜日にも更新しています。

 「私の目を見るんだぁ!!!!」


 ひぇ〜!!!!!?


 ……ハッと目を開くと見慣れない天井があった。

 ゆっ夢? 夢だ夢!! そうだ! そうに違いない!!!

 

 私は体を起こして、周りを見た。悪夢に魘された為か、何だが怠い……。ここはどこ……?? あれ? こんなに視界が見やすかったっけ……? ん……?


 部屋は白を基調としたシンプルな造りで、床は白っぽい大理石、簡素な雰囲気から神殿の一室ではないかと推測した。

 外を見ればもう日は沈んでいた。あれ? いつ眠ったんだろう? 半日くらい眠ってたのかしら? それにしても変な夢だったわ。

 筋骨隆々の神官なんて、私はどんな想像力を持ってたのかしら……? けれどどうして神殿の一室に……? 何で眠ってたのかしら……?


 マーサはいないのかな……? 心細い……。私、こんなに弱い子だったっけ……? 前世はとにかく何でも自分で解決しなきゃいけなかったのに……今世では本当に甘えたになっちゃったな。

 

 更に見渡すと、簡易テーブルには1枚の紙が置かれてあった。


 『フィリアへ

 今日の事は刺激が強過ぎた様だ。

 今日はゆっくり休みなさい。

 グレゴリーは自ら反省室に入っておる。許してやってくれ。

 ご家族には今回の事を伝えてある。

 今日は神殿に泊まる許可もとってあるから、ゆっくり休みなさい

   大司教より』


 …………ゆっ夢じゃなかった!!!!

 嫌だ嫌だぜーったいいやだ!!

 あんな怖そうな人の訓練受けるなんて無理だ!!

 目を合わせるだけで失神するんだよ!?

 無理無理無理無理!!!


 もう、これは仕方が無い。引き篭もりになろう。成人まで家で引きこもったら良い。幸い、侯爵家には沢山の貯蔵書もあるし、お兄様やカイもいる。もともと私はレベル上げなんてするつもりもなかったのだから、神殿に来る必要は無いのだ。


 ただ、神殿の礼拝堂にいると、心が清らかになるというか、悔いる事ができる気がして毎日通っていただけだ。懺悔はどこでもできる。両親は私にレベルを上げてもらいたいと思っているが、いつも私を尊重してくれてるので、多分説得出来るはず。皆、なんだかんだ私に優しいもん!


 鏡台があったので、自分を見てみた。私の砦の様だった前髪は目がはっきりと写し出されるくらいに短く切られていた。

 (あ〜。私の心の防御壁がなくなってしまった……。私の精神的な保険が……)

 グレゴリーさん! デリカシーなさすぎです!! 

 髪は女の命ですのよ!! ほほほ!! 

 私はそこまで拘ってはいませんでした。スミマセン。


 グレゴリーさんはあんな乱暴だったのに、とても繊細な切り方? だったのか、とても綺麗に切り揃えられている。と言うか、サイドに向かって少し長く切られており、輪郭に合わせて切られているので、サイドの髪と合わせてもちょっと可愛い。なかなかセンスのある切り方だ。

 今世の私は自分で言うのもなんだが、整った顔をしているので、可愛い女の子が目の前にいる。グレゴリーさん……カット技術もだが、意外と女の子にも慣れているのだろうか?



 はぁ……でも、成人する前にはここに入るんだよね。そうするとグレゴリーさんがいるわけで……。今までの2年間には会わなかったのだから、大丈夫かな? いや、見つかったと大司教様が言ってたし、これからは無理……?

 グレゴリーさんは悪い人では無いと思う。自ら反省室に入ってると言うし……脳筋そうだけど……。

 私との相性は最悪だ。だって、最後の方は覚えてないけど、多分私、失神したんだよね? キャパオーバーですよ。毎日顔を合わせていたら、胃がもたない気がする……。


 …………そうすると第3の選択肢を思い浮かべる。

 今までの選択肢は、レベルを上げて試練に打ち勝ち魔法使いになるか、試練を受けず半端者として神殿に仕えるかの2択だった。これはアーレン王国に残る事ならば……だ。

 


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