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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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魔力移行

 あれから数ヶ月がたち、最近精霊さん達に呼びかけてもあまりより良い返事が貰えないときも多くなってきた。

 元々自由な精霊達だけど、ちょっと忙しいとか、もうお腹いっぱい……。とか言われて魔力移行を、手伝ってもらえない日も増えてきた。


 このままじゃダメだと思い、不確定な精霊さんに頼らない方法はないかと考えていた。……そう言えば、私の腕輪って、魔力移行出来るのだったと思い出した。

 でも腕輪って外れないんだよね。子供が間違って外さない様に、外すには保護者の許可がいるのだ。

 けれどこれまた私は思い出したのだ。魔力移行って、違う人の魔力を魔素に変えて相手に移行させるんだけど、お母様達の魔力は高位のものだから、魔力の弱い私が一気に貰うと体に負担がかかるのだ。

 だから、ゆっくり移行させるけど、そうするとずっとそばにいて魔力を流し続ける事になるわけで、そうならない様にこの腕輪には魔力を貯めておける装置にもなっているのだ。

 つまり今この腕輪の中には両親の魔力があるのだ。

 ふふふ。という事は……?


 私は腕輪の中にある両親の魔力をすこし拝借して、腕輪を外してみた。結果……外れた。

 これをルイス様につければ、魔力移行出来るかもと思ったが、ずっと自分自身が外しておくのは危ない事に気がついた。魔力暴走を起こさないための魔道具なのに外したらダメか……?


 う〜ん。振り出しかなぁ……。

 けれど、ルイス様は私なんかより遥かに魔力量が多いのだから、私の魔力くらいの移行なら一気に移しても問題ないかなぁ? 

 そしたらこの腕輪の移行指数を最大にすれば一気に移行出来るかも!!

 以前お母様にレベルを上げたくないと相談した時に魔力移行のレベルを下げてもらっていたので、逆をやれば上がるはず!! やり方はわかる!! と浅はかな考えて、今目の前にいるルイス様に説明してみた。


 「腕輪を外すとか……なんか……色々凄すぎて突っ込みたいところが沢山あるけど、試してみても良いんじゃないか?

 俺の今のレベル51だし、50に比べれば安全にはなったけど出来ればもう少し上げたいのはあるし……。

 多分普通の方法じゃ俺のレベルを上がるなんて気の遠くなる様な話だしなぁ。リスクは覚悟の上だ」


 ルイス様は私が腕輪を外してみせた事に驚愕してたが、意外にも乗り気だった。

 ルイス様が乗り気過ぎて、私は逆に不安になった。

 私は研究、実験が好きで、つい理想論を語ったが、もしルイス様に何かあったらと思うと心配症の私が出てきたのだ。


「いきなり最大で移行しろなんて言ってないからな。とりあえず最小で試してみるのは良いんじゃないか?」


 不安そうな私を見て、ルイス様はそう提案してくれた。


 とても不安だったが、試してみた。


 ……結果から言うと成功した!! 最大移行でも問題無かった! さすがルイス様!! 


 「やったな! 」


 年相応に笑うルイス様を見て私も嬉しくなった。

 ルイス様もレベルが上がったお陰か前までのツンツンがだいぶ柔らかくなった気がする。

 沸点はまだ低いけど。


 これで精霊が手が空いてない時も魔力移行出来る事になった。

 勿論精霊達の方が魔力移行は安全なのには変わらないけど、精霊達がいない時はこれで魔力移行する事にした。

 

 

 これで新たな選択肢が増えた!! 良かった!!


 


 ルイス様とは、何故かわからないが普通に会話できる様になってた。ちょっと嬉しい! 前世では少ないが友達がいた。 

 けれど今世では、高位魔法使いのファドマ侯爵家に半端者がいるなんて周りに知られる訳にはいかないので友達はいなかった。精霊は気が向いたら話し相手になってくれるし、お兄様やカイとお茶をする時もあるけど、皆は色々忙しいしね。暇なのは私だけ。


 誤解のない様に言うと両親は私を恥ずかしいと思っているから私を隠しているのではない。

 私が知られてはいけない理由は色々あるけど、大きな理由は2つの側面がある?


 一つは将来、私が半端者として神殿で暮らすのであれば、私が高位貴族出身である事を知られるのは避けたいから。やっかみとかありそうだし、お兄様達の汚点になりたくないからだ。これは私の言い分。


 もう一つは私が家族の弱点にもなると言う事だ。今はアーレン王国では穏健派と過激派の2つの派閥がある。ファドマ侯爵家は穏健派で、つまり国王派であるが、過激派の人達に私の事が知られると、私を人質にして、両親を脅すかもしれない。子供は狙われやすいのは勿論だが、半端者なら尚更だからね……。なので私は他家に知られてはいけない存在なのだ。


 なので私はルクセル侯爵家と王家、神殿の一部の者しか知られていない。

 なので友達もいないのだ。

 まぁ普通の魔法使いだったとしても友達が出来たかはわからないけど………?


 今世では家族も侯爵家の使用人の皆もとても良い人達なので私は特に不満はなかった。

 1日中、本の虫になるのも構わない! 寧ろ落ち着く?

 精霊の皆も時々だけど、暇な時には遊びに来たりしてくれるし、寂しさもない。

 それでも、ルイス様は私にとっては友達だ!! 友達と呼んで良いのかわからないけど……話し相手……? 相談相手……? ルイス様はどう思っているかわからないが………?

 友達だよね……?

 

 


次は……新たな濃い人? 変なキャラ? が出て来ます……フィリアがんばれ!!


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