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第12話 ご対面のようです

 重苦しい雰囲気(一人だけ)の中、俺は生徒会室まで来た。

 ここにくるまでに『俺、何かやっちゃいましたか?』というような某無自覚勇者を思い出させるようなセリフを頭の中に浮かべていたが、まったく思い当たる節が無かった。


「ほんとに何があったのやら……」


 震える手で生徒会室のドアをコン、コンとノックする。


『入りなさい』


 緊張しながら扉を開ける。

 扉を開けた先には、執務机に堂々と座る茶髪サイドテールの美少女と秘書らしき茶髪ポニーテールの美少女がいた。


「遅かったわね、九十九恋」


 本当に申し訳ありません、この学校に来て数か月しかたってなくて生徒会室の場所なんて分かりませんでした。ちなみに今は秋なので、6、7ヶ月くらい? 結構経つんだな―――じゃなかった。


「えっと―――俺に用事があるんですよね?」

「そうよ、とりあえずそこに座って頂戴」

「あ、はい」


 言われた通り、近くにあった黒いソファーに腰掛けた。そしてその対面に彼女が座る形だ。茶髪サイドテール美少女さんはお茶を汲んで俺に出してくれた後、彼女の隣に座った。


「とりあえず、まずは自己紹介から。私は初風沙保(はつかぜさほ)。この学校の生徒会長よ」

「……私は初風佳保(はつかぜかほ)。副会長……」


 初耳だな……ん? ちょっとまて、いま初風って言ったか? 

 もしかして、あの小学生(奈菜)シスコン姉(美由さん)の家族か何かか? それか、血縁が近いとか?

 何か関係性はあるのだろうが―――。


「……えっと……俺は九十九恋です」

「知ってるわよ、わざわざ私たちが1限目が始まる前に呼んだからね―――と言うより、その顔だと私たちのことを知らないみたいね……確か、生徒会選挙の時に名前がわかるはずだと思うんだけど……」


 沙保が佳保の耳に近づき、俺に聞こえないように、


(沙保……この子、問題児なの忘れてない?)

(そういえば、そうだったわ)

「……なにか悪口言われてる気がする」


「でね、さっそく本題に入るけど―――」


 あからさまな話の転換。

 思わず思考を捨ててしまいそうなにっこりとした笑顔でこちらを向く。


 話の流れは全く何も理解していないが……何を言われるんだ?


「私の()()()妹、初風奈菜について何か知ってるかしら」


 ―――え、ええ!? 奈菜のことぉ?! やっぱり関係していたか……。

 これは絶対口の中にお茶を含んでたら噴き出してたな。してしまえば学校内で……いや、世間的に殺されそうだからあまり想像したくないところだ……。

 ていうか、『愛する』って強調してくるなよ……。

 佳保さんも何も言わないし……。

 気持ちは分かるけど。


「……大丈夫?」

「―――ん゛ん゛、大丈夫です。……それで、妹さんがどうかしたんですか?」


 咳ばらいをして、何もなかったかのような表情をとる。


「昨日、妹の怪我を治してくれましたよね? 九十九君のハンカチで」

「……あ、あの小学生のことか! てことはつまり……え……2人はあの小学生のお姉さん……たち?」

「そうね、その認識であっているわ」

「えーっと、ハンカチって―――あ、あれか。怪我口につけていたやつ」

「そうね」

「……もしかして美由さんがなにか言ってましたか?」


 なにか処置の方法が悪かったのだろうか……。といった後ろ向きの考えは杞憂のようで―――


「いえ、姉はあなたのことを大絶賛していましたよ」

「……問題児だったこと、苦笑してたけど」

「やっぱり問題児……くっ……心当たりがあるだけに言い返せない……」


 ちくしょう。


「という話はとりあえず置いといて、今日呼んだ本来の目的なんだけどね」


 前の席に座る2人は俺の目を見据えて―――


「この度は私の妹―――初風奈菜についての一件、本当にありがとうございました」

「……ありがとうございました……」


「はぇ??」


 こんなに純粋にお礼を言われる―――それも2人の美少女から―――のは初めてだったので自分の意思に反して素っ頓狂な声をあげてしまった。


 恥ずかしいわ。これ。

本作品を読んでくださり、ありがとうございます。

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「はやくハーレムハーレムしろよ!」


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