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消えないでほしい

作者: すみいちろ

自分で自分を

殺す

そうだ

私は

自分で自分を

殺していた


しかし

言葉が

出て来ない

湧き出て来ない


項垂れる

虚脱



勇気が出ない

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現実の

自然淘汰に

消されるところだ



そう

消されるとは

自分で

自分の意識を持って

自分自身を

消し去ることだ



自分が

消える

という選択肢を

選ばなければ

消える

ということはない


生き続けるだろう


それでも


何のために

書くのか

何のために

生まれるのか


私たちは

何のために?


そこに

楽しみも

喜びも

なければ


生き続けることは

難しいんじゃないか?


絶望とは

自分自身を

消し去ることだ

この世から


どんなに

素晴らしい

芸術家も

誰からも

評価されなければ

いつか

自らを

消し去るだろう


ただ

私は

素晴らしい

芸術家

ではない


何の才能もない

ただの

素人だ


小学校の頃

素晴らしい詩を書いて

みんなから褒められて

小さな賢い女の子は

今では大人

どうしてるだろう?

天才的な詩だった

かたや

僕は

変な詩だったらしく

周りから

キョトンとされていた

朗読後の

シーンの

静まり返った

教室の空気は

子どもながらに

はっきり分かったよ

先生も僕の評価に

困っていた

国語の勉強量に

差があったのかな?

その子は学年一賢くて

僕は普通くらいだった



技術的な問題か?

表現力の差?

ランキング上位や

評価の高い

作品群をよむ

到底真似できるものではない

一朝一夕に

出来る代物ではない


では

心か?

心のエネルギーが

足りないのか?


作品に

傾ける集中力は

自分で言うのも何だが

投稿後の

疲労感は

相当なものだ

その場に

倒れるくらい


なのに

あの程度


自分の作品には感動がない


人の心を揺さぶる

何かがない


抽象的にいうと

心が入ってない


人の心を揺さぶる

僕自身の心が


赤裸々な心が


ただ

ありのまま

全てを

語るのではない


メタファーとやらが

みんな

上手いんだ


料理なら

良い肉に

素晴らしい調理技術に

絶妙なスパイス

サラダに

スープ

デザートも

絶品だ

さらに

食後のコーヒーも

旨い!!


慣れない下手クソな

生まれたての

メタファーを

僕なりに

使うなら

そんなところか

最近知ったばかり


後は

共感性の問題か?

みんなが

ほしいものを考えて

作品を

生み出す


空をみた

雲をみた


なんだか

そんなことばかり追い求め続けてたら

狂って死ぬ

才能という

証や紋章

特別な力を

心に持つ

選ばれた人間でないと

死ぬ

普通の生活が送れない



もう一つ最後に

生き様か?

長い間

何十年も

慎ましい生活をしながら

誰からも

かえりみられることは

なかったけれど

ひそやかに

自分の一つの楽しみとして

自分が生んだ作品を

世に送り出すことを

喜びとして

元気でな

たっしゃでなぁ

息子娘に似た気持ちを作品に持ち

失わず

生き続けることが

老齢となる

未来の自分自身の姿

そうありたい

そうなりたい 

と思う

派手さは

なくとも

大切な

何かを

失わず

心に秘めて

生き続けたい

死なずに済みたい



夜空をみた

はるかな昔から

いつの時代も

多くのひとが

想いを

馳せる

月まで遠い

星まで遠い

ロケットや宇宙船にのる衝動を抑えて

夢という曖昧で頼りないもう一つの現実がもたらす未解析装置を

頭の中で

知らず知らずの内に

回し続けよう


今宵も

頭の中で

知らず知らずの内に

グルグル回る


グルグル

グルグル 


みんなの頭の中に


グルグル

グルグル 


つながってゆく


今宵も

みんなと同じ

夢をみる

頭の中の未解析装置を回して

眠りの中

つながってゆく

オフラインで

つながってゆく


ひとりじゃない


自分で自分を消さないでほしい


僕も自分で自分を消さないから


一緒に夢をみよう


やさしい夢を


自分で自分を消さないで


お願いだから


たのむから


生き続けてほしい


僕と


確かに存在する


画面の向こう側の


君へ



この瞬間にも


自分自身を


消そうとしている人へ


画面の向こう側に


確かに存在している


あなたへ


消えないでほしい







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― 新着の感想 ―
[一言] すみさん、こんばんは。 ほんの少し前からしかすみさんの詩を読んでいない私は、この詩を初めて読みました。すみさんの詩のスタイルはいろいろとバリエーション豊富だなと思いました。 詩を朗読して、シ…
2021/03/04 22:54 退会済み
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