表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/28

何もかも魔法頼みじゃ愛しい彼女は振り向きません

 休憩毎顔を見せるカインと入れ違いに、アークが教室を出る。

 アルミナ嬢を気にする素振りもない。

 同じ(クラス)だと言うのに、話しかけることも。目で追うこともしない。 

 一体、どうしてなのか?

 目で追わずにいられるなど――可能なのか?


 是非、方法を教授願いたい……。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 教室に戻ると、静かな違和感に確信を持った。

 ()()のアークの報告に。


「アルミナ嬢への悪評が出回っている」

「!」

 やはり、動きが。

リリアル嬢(公爵令嬢)に取り入って、貴様を籠絡させた」

 ーーだそうだ。


 時系列とか矛盾が多くても。噂があれば、人は"もしかして"と想像してしまう。アークもそれを利用していたし。


「貴様のその顔。その跡も信憑性を促した」


 な、何……だと?

「アルミナ嬢がリリアル嬢(公爵令嬢)への貴様の未練を疑ってーー」

 ……痴情の縺れ、そう言うことだそうだ。



 級友(クラスメイト)達のアルミナ嬢を見る目が冷たくなる。

 私の()()()を見て。


(これは、不味い……)


 リリアルが気にする風もなくアルミナ嬢と会話している。

 普段通りの二人に周囲も少し様子見に入ったようで。一先ず衝突は避けられた。


 この噂。

 どう考えても悪いのは私なのに"王子"である私には敵意を向けられない。

 そこを、巧妙に突いてくる。


 新生徒会長、いやーー

 

 "サリドマイド・トルーエン"


  一筋縄では行かない、厄介な相手だ……。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 リリアルがアルミナ嬢を家まで馬車で送るらしい。

 仲が良くて羨ましい限りだ。

 まさかの徒歩で帰っていたらしいから、この仲良しさも今は救いだろう。

 噂は良い方には向いてくれないだろうけど……。



 側近達と対策を練る。

 アルミナ嬢を見捨てる訳にはいかないから。

 私が謝るべき相手はリリアルだけじゃない。

 彼女の気持ちを踏みにじった。鈍感による思慮不足故など言い訳にもならないし。


 ほとんど私情なのに二人は動いてくれるそうだった。

 カインはともかくアークもだ。


「借りは作らないが。貸しはいくら作っても良いしな」と言っていたけどアルミナ嬢がらみだからでは?


 これを言うのはやっぱり"お前が(貴様が)言うな"となりそうなので、心の中だけで留めておくことにしよう。


 それよりも次に相手が動く時。それまでに用意しておかないと。


 いきなり本番では上手くいく自信は無いからね――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ