第十一章『邂逅と憎悪』(上)登場人物紹介
<主人公サイド>
◎ リーパー
【アースフェイル】という世界に(物理的に)落っこちてきた、尻尾と二対の腕を持った二足歩行型の『惑星外生命体=エイリアン』にして、この物語の主人公。ようやく地上へと進出し、清潔な水で体を綺麗にできたのもつかの間、偶然付近に居合わせた【シンビオフスク連邦軍】の訓練生たちで構成された部隊と鉢合わせしてしまい、半ば強引に軍へと復帰させられた後述のアダムスカ・クラフトフ中尉率いる【シンビオフスク連邦軍第一〇三法術兵士訓練部隊】と相まみえることになってしまった。しかもよりによって今回、この惑星で初めて手傷を負う羽目に。とはいえ、残念ながら彼の苦労はまだ終わらない。
<異世界サイド>
◎ アダムスカ・クラフトフ
【シンビオフスク連邦】の【下級民】に位置する農民出身者。階級は中尉。【第三次平定戦争(のちの【厄災事変】)】において、突如現れた未知の怪物たる主人公と交戦経験を持つ部隊の、唯一正気を保ったまま終戦を終えた数少ない生き残りの一人。一時は行方不明扱いとなっていたが、【シンビオフスク連邦軍】の参謀本部直轄である【特別情報収集保安対策事務局】、通称【特務】所属する後述の人物『グレゴリー・ムドールィ・ヴォルク中佐』率いる調査隊によってにより発見され、半強制的に軍へと復帰させらたかと思ったら、中尉の肩書を押し付けられた挙句、山岳演習をハイキングと勘違いしている中流~上流階級お坊ちゃん・お嬢ちゃんたちのお守りを押し付けられる。選民思想が根強く残る彼らと仲違いをして対立しているさなか、最悪なことにこの騒動の果て、主人公と遭遇してしまうことに。【法技】、【体躯増強】によって肉体能力が向上したことに加えて、数分前までいう事を聞かない訓練生を相手取っていたことでアドレナリンが程よく生成されていたことによる精神高揚状態にあったことが功を奏し、正気を保ったまま未知の怪物と対峙する事となり、その結果として怪物相手に初めて手傷を負わせることに成功した。血が出るなら殺せるのである。
◎ グレゴリー・ムドールィ・ヴォルク
【シンビオフスク連邦軍】の参謀本部直轄、【特別情報収集保安対策事務局】、通称【特務】に籍を置く軍人兼局長。階級は中佐。アッシュグレーの髪、程よく引き締まった一八〇センチメートル前後はあり、微笑んでいるような糸目(キツネ目)であることに加え、常に笑顔を絶やさないようにして感情が読みにくい細マッチョ。重度の愛煙家であり、こと煙草に関してかなりのこだわりを持つ人物。葉巻も吸えなくはないが、個人的には紙巻き煙草派。今回の章では名前しか登場しなかったが、山岳演習中にとある災害が起こったことで、クラフトフが指揮していた【シンビオフスク連邦軍第一〇三法術兵士訓練部隊】所属の訓練生たちが遭遇した『リーパー』の存在をすり替えつつもうまく覆い隠し、さらに訓練生たちについてはその存在について徹底的な箝口令を敷く。その代わり、クラフトフが率いていた訓練部隊を『災害から生き残った奇跡の部隊』として祀り上げることで大衆の目を欺き、巧みな情報操作とカバーストーリーを作り上げるため動き始める。
◎ ユーリ・ジハチェフスキー
先述のヴォルク中佐同様、【シンビオフスク連邦軍】の参謀本部直轄の【特務】に所属している軍人。階級は准尉。白みがかった肌色をしているため、顔に浮いているそばかすが目立ち、本人はそのことを若干厭うしく思っている。今回の山岳演習においては、後述の訓練生たちを引率する副官役を行なう傍ら、彼をして野獣と称したアダムスカ・クラフトフの言動が本当に正常であるか否か確かめるべく、上官であるヴォルク中佐より密命を受けていた。ちなみに彼自身、途中で現れたリーパーとは一度、『とある場所』の火災現場で遭遇している。
◎ マリーヤ・レオナヴナ・ボカチョリーワ
クラフトフ率いる【シンビオフスク連邦軍第一〇三法術兵士訓練部隊】所属の訓練生にして、珍しくクラフトフ側についた女性訓練生。相当階級は上等兵。何といっても、【第三次平定戦争(のちの【厄災事変】)】時のクラフトフの上官、クラフトフに続いて、【アースフェイル】でリーパーに生身で単身挑んだ三人目の人物。遠距離用の【法術】は不得手のため、自身の身体強化を可能とする【法技】である【体躯増強】の重ね掛けと、得意な殴打武器による近接格闘戦に持ち込む戦術を主体としている(ちなみに【体躯増強】の重ね掛けにはかなりの精神力を必要とするため、並みの男の【法術兵士】でも発動と維持はかなり難しい)。ただ今回ばかりは、挑んだ相手が悪かったとしか言いようがいない。側妻の子供という出生でありながらも貴族としての矜持は失っておらず、逆に、そのような境遇をものともしないバイタリティある行動力と、直向きな修練の日々によって彼女の本質は形成された。そのため、気が強くて口よりも先に手が出やすい、何事にも負けず嫌いな性格をしており、出生に関しての罵倒には問答無用で実力行使する。しかしその反面、優しさも人一倍であり、――貴族としての基本的な道徳感の精神も持ち合わせていることもあって――傷ついた人や弱い立場の人物を放っておけない性質も持ち合わせている。余談ではあるが、同期の女子訓練生に比べて胸囲が低く、反対にお尻が大きいことにコンプレックスを抱いている模様。
◎ エカチェリーナ・アレクサンドロヴナ・エリストラートフ
クラフトフ率いる【シンビオフスク連邦軍第一〇三法術兵士訓練部隊】所属の女性訓練生。相当階級は上等兵。【シンビオフスク連邦】で五本の指といわれる【エリストラートフ商会】会頭の一人娘であり、金髪縦巻きロールの『テンプレお嬢様』を体現したような女性。加えて容姿端麗、成績優秀、まさに非の打ちどころのない人物ではあるものの、お嬢様育ち特有の高飛車な言い回しや言動が端々にみられることがある。さらに訓練生に成りたての頃はその気質が強く、加えて彼女の『親衛隊』気取りな取り巻きの男子訓練生たちによるゴマすりによって増上慢となってしまっていたが、今回の山岳演習にて彼女の親衛隊(自称)たちが揃って彼女を置いて逃げてしまったため、『身分にあった相応の品格を持たねば、他者は付いて来ない』という結論に至るとともに、自身の立ち振る舞いを改めねばならないと自覚するようになる。なお、本来の彼女は遠距離攻撃型の【法術】の使い手であり、火、風、水、土の【四大属性法術】を複数発動が可能であるため、変則的な遠距離【法撃】のラッシュや、本来直線的にしか飛ばない【法術】の軌道を時限式で曲げることができる【偏向法撃】の発動も可能である。また、先述のレオナヴナ訓練生とは、訓練生に成りたての頃はあまり接点がなかったものの、山岳演習中の負傷で動けなくなっていた自身の窮地を救ってくれた人物という事もあって、徐々に交友を深めていくこととなる。ちなみに「胸が重い」と無意識に独り言を言うほどの胸囲を持ち、俗にいう『出るところが出てて、引っ込むところが引っ込んでいる』プロポーションであるため、同性からも羨望の眼差しを受けることがある。
◎ グルピェーツ
後述のドゥラーク上等兵同様、クラフトフ率いる【シンビオフスク連邦軍第一〇三法術兵士訓練部隊】所属の訓練生にして、バカその一。階級は上等兵。自尊心が非常に高い事が仇となり、実習で使った経験もない中級の【法術】を使って周囲の被害を拡大させただけに飽き足らず、――【法力切れ】による不安定な精神状態だったとはいえ――利己的かつ身勝手な持論を展開したことで、彼自身に対する周りの心象を悪化させた。挙句の果てには、自身の放った中級【法術】によって針葉樹の上から高みの見物を決め込んでいたリーパーを戦闘区域に引き込んだ、ある意味戦犯的人物。といっても、リーパーが戦闘区域に現れた時にはすでに【法力切れ】であったため出来ることは一切なく、リーパーの姿形を目の当たりにしたことで完全に戦意喪失してしまっていた。その後のクラフトフが撤退命令を出して殿を務めようとリーパーに対して戦いを仕掛けた際には、自分より身分の低い階級の出である彼の言葉を聞き入れる余力も度量などないため、無視する形で近場の大きめな露岩の陰に縮こまって身を潜めて震え上がっている状態であった。
◎ ドゥラーク
クラフトフ率いる【シンビオフスク連邦軍第一〇三法術兵士訓練部隊】所属の訓練生にしてバカその二にして、今回の戦端を開く原因を作った張本人。階級は上等兵。レオナヴナ上等兵に侮蔑の言葉を投げてしまったせいで顔の形が変わるほどブン殴られ意識を失う。彼女からの徹底的な仕置きから目覚めた矢先、見たこともない怪物ことリーパーと目が合ってしまい、脊髄反射且つ生存本能的な反応から【法術】で攻撃を敢行。しかしリーパーの咄嗟の機転によって術を無効化されただけでなく、リーパーが取った行動によって不用意に晒していた身体と両眼を炎と熱波で炙られてしまう。クラフトフが発した撤退命令の号令時には、近くにいた同派閥の同志に肩を担がれ下山を開始するも、碌すっぽ目の見えない状態であったため、最終的には仲間に見捨てられる形で山中のどこかに置き去りにされた模様である。
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2021/11/25…文章表記を一部修正




