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017 ― 【幕間】鬼神将へのロングインタビュー 其の壱 ―

いつもご高覧いただきありがとうございます。

さて、今回は幕間からのスタートさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

悪かったな、遠路はるばる来てもらった客人なのに待たせちまって。


急な用事が立て込んですっかり遅くなっちまった。


ふぅ……。


さて、まずは挨拶から始めようじゃねぇか。


俺様は『ウォラ』。


周りからは【鬼神将(きしんしょう)】なんて呼ばれてる【角鬼亜人族(オーガ)】だ、よろしくな。


…………ほう、記者。


そりゃあ、アレだろ? 誰かから聞いた話をまとめて、いろんなヤツに伝えて回るってスゲー仕事をしてるヤツだろ?


謙遜すんな、むしろ自慢するくらい堂々としてろ。


そんで?


地上の、しかも『ニンゲンの国の記者様』とあろう者が、何だってこんな地下の辺鄙(へんぴ)なところにわざわざ足を運んできたんだ?


『あの人』について知ってるか、だと?


知ってるもなにも、俺はあの人の舎弟(しゃてい)だった(オス)だ。知らねぇワケがねぇじゃねぇか。


…………何だ、この鬼神将の話が信じられねぇってのか?




……ぶふっ、がはははッ!


いやぁ悪い悪い。


あんまりてめぇらがビクついているもんだから、少しばっかりからかってみたくなっちまっただけなんだ。


まぁあれだ、そんなにビビんなってこった。


そもそもそんなにビビられたら話したいことも話しづらくなるじゃねぇか。


安心しろ、地上のバカと違って俺様は理由もなしに取って食いはしねぇよ。


だからいちいちビビんじゃねぇよ。興が削がれるヤツだな……。


んで? あの人を知ってるか、だったか?


答えは是、だ。


あの人ほどデタラメに強く、どこまでも(ふところ)のデケェ生き物を、俺様は生まれてこのかた見たことがねぇ。


ま、単に俺様がまだ出会っちゃいねぇだけかもしれねぇがな。


それで? 聞きてぇことはソレだけか?



……んぁ? 全部?



そりゃあつまり、俺様があの人に知り合ってから今日までってことか?




…………はは、がははははははははッ!


随分と知りたがりなんだな、記者ってヤツは!


ある意味、俺達【角鬼亜人族(オーガ)】よりもよっぽど欲張りじゃねぇか!


鬼神将(きしんしょう)】と呼ばれるほどの俺様に対して、そこまで豪胆な要求をしたヤツは久し振りだ!


いいぜ、気に入った!


おい、今月の料理番を叩き起こせ!


このニンゲンの記者様達のための宴をやんぞ!


それと酒だ! 酒蔵(さかぐら)にあるとっておきのヤツをあるだけ持ってこい!


あとはそうだな、警備番で出られねぇヤツ以外は強制参加だ! 寝ぼけ(まなこ)のヤツがいたらぶん殴ってでも目ェ覚まさせてやれ!!


……あん? なに呆けてやがる。


何ぃ? 仕事中だから飲酒は困るだぁ?


バーカ、あの人の話を全部聞きてぇって言ったのはてめぇ等じゃねぇか。


そういう話ってのはなぁ、こんな堅苦しくて辛気くせぇところでブツブツボソボソ話すもんじゃねぇ。明るく楽しく、ゲラゲラ笑いながら話すに限るんだよ!


まぁ多少は誇張だ自慢だと入るかもしれねぇがな。そこんところはてめぇ等が真実を選び出せばいい。


それにな、あの人のことを知ってるのは俺様だけじゃねぇ。他のヤツからも話を聞けた方が手間が省けるだろうが?


自分から全部知りてぇって言ったんだから覚悟しろよ? 文字どおり、ぜぇーんぶ教えてやるよ。


まぁ、宴の準備が整うまでしばらくはかかるからな。


その間、少しばかり()()()の部分だけでも話してやるか。


まずはあの人、『リーパーの兄者(あにじゃ)』と俺がどこで知り合ったか辺りからがいいか?


そうだな、もうずいぶん前になる……。


あの時の俺様は、この世界で一番強いのは自分自身だって思い込んでた、腕っぷしだけが自慢の、ツノの青い餓鬼(ガキ)だった……。




……鬼だけにな。

ここまでご高覧いただきありがとうございます。

誤字脱字ならびにご指摘ご感想等があれば、随時受け付けておりますのでよろしくお願いいたします。

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