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新宿ダンジョンで拾ったのは、魔王の娘でした。  作者: 黒井メイド
二章:幼女サキュバスは自分の夢を見れない
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EP.しょうらいのゆめは

 モンスターフラワーを倒した後の顛末を、少しだけ語るとしよう。

 あの後、モンスターフラワーが枯れたため扉を開けれるようになり、外から従業員の人たちが入ってきて救急車を呼んでくれた。

 モンスターフラワーは、飾っていた花に付着していたものだったことが判明してタキシード代や、ウエディングドレス代の弁償はまのがれて、むしろ謝礼金すら払われたほどだった。

 その後、俺とリリィは病院へと運ばれることとなった。

 そこで発覚したのが、リリィのあの能力の正体だ。

 輸血パックを指して寝る俺に解説してくれたのは、前回、俺を見てくれた茶目っ気の聞いたあの医師である。

 名前は確か、橋渡先生だったか。

 橋渡先生は俺を見るなり、呆れたような苦笑いをしてきた。


「君も懲りないねぇ、なんで二ヶ月も連続で死にかけてるんだい? もう少し行動を考えた方がいいじゃないかい?」


「できれば俺もそうしたいんですけどね……まあ、俺のことはいいですよ。リリィのあの能力についてはどうなんですか?」


「結論から言うとね、検出されなかったんだよ」


「え、どういうことですか? でも確かにリリィの使ってたんですよ?」


「いや、君たちのことを嘘つき呼ばわりしてるわけじゃないさ。だから私の立てた憶測は、通過儀礼による一時的な力の解放だと思うんだよ」


 そこでクレームの言葉を思い出した。

 確かに通過儀礼を行なえば、力が解放されるとは言っていた。だが俺も調べたが、一度通過儀礼で解放された力は継続すると書いてあった。


「きっとリリィ君の力を解放するには、通過儀礼の内容が足りなかったんだろうね。だから一度空いた口も閉じてしまったんだよ」


 それを聞いて、俺は安堵の溜息を付いた。

 とうことは、俺はリリィと本番を迎えたわけではなかったのだ。

 よかった、これでまた表を歩くことができそうだ。


「体も回復してきているし、念のため点滴を打ってもらってるから帰ってね」


 そんな訳で、俺とリリィのその日の内に退院。

 数日経った今では、お互いに元気となって、元の生活にへと戻っている。

 のだが、ここに来て一つの問題が発生してしまったのだ。


「つるぎぃ、きーすきーす」

「しないしない」


 あの一件以来、リリィがキスにハマってしまったらしく、 あれ以来、常に俺の隙を見てはキスをしようと迫ってきていた。

 おかげで最近は睡眠不足に悩まされて大変困っている。はてさて、どうしたものか。


「きす、きもちいいよぉ? だからつるぎぃ、きすしよ?」


「駄目だっていってるだうが。あのときは成り行きだったかもしれないが、本当は好きな相手とするものなんだからな?」


「それならだいじょうぶ! だってりりぃは、つるぎたちのことがだいすきだから、いっしょういっしょにくらすの! それがりりぃのゆめだから!」


 そう言って、満面の笑みで笑うリリィの表情は、今まで見てきたどんなリリィの顔よりも魅力的で可愛く、そして迷いがなかった。






 リリィとの結婚式をして数日後、スマートフォンに着信が入った。

 表示されていたのは「月夜」の名前であり、出てみて早々に、彼女はこんなことを言ってきた。


『先輩、私と一緒に一夏の冒険、しちゃいませんか?』


 電話越しに笑う小悪魔が、そう俺に囁いた。


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