少女の正体!
六話目です。
前回、話が一気に進むと書いてありましたが。進みませんでした、すいません。
次で、やっと冒険に出られます。(絶対です!絶対出します)
「おはよう。いや、こんにちはか?まあ、どっちでもいいか。それより傷は大丈夫?」
丁度、起きた後の日課になっている柔軟体操をしていると。丁度少女が目を覚ますのが見えた。
「アッ………」
目を覚ました直後勢い良く起き上がろうとして、お腹を抱えてまた、倒れた。まだ傷は、塞がりきっていない。
少し動くだけでもかなり痛い筈だが、何を思ったのか。岩に体重を預けながら立ち上がると、そのまま歩き出そうとする。
「いやいや、無理でしょ!」
俺は、急いで少女の元に走る。案の定少女は、フラツキ前のめりに倒れる。ギリギリの所で間に合った俺は、少女を優しくお姫様抱っこで戻す。
「無理すんなよ。五日間も眠りっぱなしだったんだぞ。暫くは、絶対安静だからな」
少女は、無言で睨む。でも、暴れずに大人しく言うことに従って、横になってくれた。
「何か、食べたい物ある。言っても君のバックの中身と。それとネズキチが持ってきてくれた木の実しかないけど」
「チュイ?」
名前を呼ばれた、ネズキチが肩に登ってきた。
少女は、ネズキチを見て俺を睨むが俺は、知らん顔して遣り過ごす。何時まで睨んでいたか、根負けした少女が小さく。
「…水が欲しい」
「オッケー、水ね」
少女のバックから竹製の水筒に入った、水を一旦捨て近くの小川に汲みに行く。
汲んできた水を少女が、飲みやすいように支える。支える際に睨まれたが、気にせず支える。
少女は、水を飲み終えると。支えていた俺の腕からスルリと逃げ、横になった。
「もういいから、離れて………ありがとう」
最後のありがとうは、良く聞いてないと聞き逃してしまうほど小さな声だった。
俺は、頷くと少女から離れた。
何れ位たったのか、柔軟体操も終わり。ネズキチの毛繕いも終わった頃
「……五つだけ…五つだけ何でも質問に答える」
「!?」
余りの、驚きに一瞬何を言われたのか意味が解らなかった。
「えっ?マジで。マジで何でも聞いて良いの!?」
「…答えれる範囲でなら」
「じゃあ、先ず上からバス…すいません調子に乗りました」
俺の、頭には見事に矢が刺さっていた。同やらそっち系は、駄目らしい。少女は、呪い殺さん勢いで睨んでいる。
「えー、ゴホンゴホン。冗談は、此くらいで辞めといて」
俺は、一度大きく咳払いしてから。本題に入る。
「えっと名前を聞いても良い」
「私の名前………クロ。私の名前は、クロ」
明らかに、偽名だった。だって思いっきり目をそらしたし、自分の服を見て言っていた。
「いや、本名御願いします」
「…………」
「わかった、クロさんで良いです」
本名は、言えないらしい。そして、名前でとても重要な事を思い出した。
「そう言えば。寝言で言ってたけど、何で俺の名前を知ってんの」
前に一度復讐を仕様とした時に、名前を言われた事で復讐を辞めた事を思い出す。
クロは、何かを考えれ要るのか。暫くの沈黙の後。
「その質問に答えると、私の事と貴方の事三つ話すから、三つ使う」
何の事か、今度は俺が考える番だった。俺は、考えた後クロに確認をした。
「三つ使うって事は、残りの質問の数が一つに成るって事で良いんだよな」
クロが頷く。同やら俺の名前を知って要ることを聞くと。必然的にクロに関わる何かと、俺の知らない事を知ることに成るらしい。だから三つ使うって事だった。
「解った。それで良いから御願いします」
クロは、一度大きく息を吸うとハッキリと答えた。
「名前を知ってるのは、貴方の記憶を見たから」
「俺の、記憶を見た?」
「只、断片的だから解らない事の方が多い。私が見たのは、貴方が覚えている事だけ。だから名前と、貴方が死ぬ直前の事。此所とは違う世界で生きていたことだけ。どうやって生きていたのは解らない」
俺は、少し残念な気持ちになった。俺自身の記憶が殆ど無かったからだ。
クロは、俺が、覚えている事だけと言っていた。それは、すなわち俺が、何故この世界に来たのか。何の為に来たのか。そして、あのクロが、死にそうになった時、何であんな事を言ったのか。
(確か「いくつの大切なモノを俺から奪えば気がすむんだ」だったかな
いくつって事は、何回かあったて事だし。大切なモノって何だったんだ?)
俺が、覚えていないなら。多分、クロに聞いても解らないだろうし。まだ、クロの話は終わっていない。
聞くにしろ聞かないにしろ、後からでも大丈夫だろうと判断し、俺の様子を見ているクロに向かって頷く。
クロは、俺が頷くとまた話始めた。
「貴方の、記憶を知っているのは、私が貴方を蘇らせたから」
「いや、蘇らせたって。なら俺生きてんの?」
「貴方は、死んでる」
一瞬だが、生きて要るのにバラバラにされたのかと心配してしまった。別に死んでるから良いって訳ではないけど。
「死んでるって言われても、俺普通に動いて喋ってるけど?」
「貴方は、今、仮初めの魂で生きている様に見えるだけ。其所にいるネズミと一緒で貴方は、今動く死体になってる」
「アンデット…なら俺もしかして不老不死!…死んでるけど!」
「不老だけど、不死では無い。光や神聖魔法、上位の炎の魔法を喰らえば肉体ごと魂を消滅させられる」
「ですか…まあ予想はしてたけど」
(俺が覚えている、小説や漫画でも大半アンデットは光や神聖魔法に弱いからな。後は、炎か……自分の体に火をつけるって、良かった魂消滅しなくて)
俺が、心の中で安堵していると。
「貴方が、アンデットに為った理由と、私が貴方の記憶を知っているのは、私が、貴方を蘇らせた死霊使い
だから」
「…えっ?……えぇぇぇ?」
俺は、思わず叫んでいた。死霊使いのイメージと、目の前の美少女が、どうしてもくっつかない。
確かに、一時期悪魔と呼んでいたが。それは、怒ったり機嫌が悪い時であり。何もせずにいる姿は、どちらかと言えば聖女に近い。
唖然としている俺を、しり目に。
「後一つ答える、無いなら寝る」
ちょっと待って欲しかったが。普段余り喋らないのに今日だけで、かなり喋っている。それもまだ怪我人だ、良くみれば無理をしているのか、少し呼吸が速く汗を欠いている。
俺は、少し考えた後。
「クロが、俺を蘇らせてくれたんなら。何で俺の扱いが酷いの」
これで、もし水浴びを覗いたせいなら。どうすれば赦して貰えるか聞くつもりだったが。クロの答えは、予想外の答えだった。
「私は、アンデットも死霊使いも大嫌いだから」
「……えっ?」
「五つ答えたから寝る。五月蝿くしたら…射つ」
そう言い残して、クロは寝てしまった。その手に、弓と矢を持って。
(アンデットも死霊使いも大嫌いって。なら何で死霊使いに為ったの?何で俺を、アンデットにしたんだ?いやそもそも……)
今日。最大の謎を残されてしまった俺は。その日、一日中考え続けたが、答えは出なかった。
あの謎を残された日から、数日が経った。
クロの傷は、順調に回復しており。最初は、クッキーみたいな非常食を、お湯でふやかしたのを食べていたが。今では、普通に固形物を食べれるように為った。
只問題も出てきた、食糧が足りなくなってきたのだ。
俺自身は、食べなくても(食べても)大丈夫なので良いとして、クロには、栄養を有るものを摂って速く元気になって欲しい。
そうなると、クロのバックの中の非常食では、全然足りない。良くなったといえ、まだ長時間歩いたりするのは、かなりきつそうである。
「俺が、町か村まで行ければ良いんだけどな。クロは、何処にあるか教えてくれないからな~」
クロは、頑なに町や村までの道筋を教えてくれなかった。ダメもとでネズキチにも聞いたが。首を横に振っていた。
「町も村も無理となると、狩るしかないか」
この森には、まだ、見たこと無いが多くの生き物が住んでい筈である。運が良ければ食べられそうな生き物を見付けられるかも知れない。
「よっしゃ、行くか」
気合いを入れる。剣はクロのを借りるとして、後は、帰り道である。自慢では無いが俺は、物凄い方向音痴であり、此所に戻って来れる自信は無い。
「まあ、あんまり離れなきゃ大丈夫か?」
俺は、洞窟を出る前に一度クロを見た。クロは、スヤスヤと寝ていた。その天使の様な寝顔を忘れないように鮮明に脳に焼き付けてから、洞窟を出た。
「これ、帰れないかも」
俺は、いつの間にか何かに囲まれていた。
誤字、脱字、こうした方が良いよ等。色々なご意見、ご感想お待ちしております。
明日は、自分の都合上投稿出来ないです。次回の投稿は、6月20日になります。(時間は、出来るだけ速く投稿します)