パーティー前の一勝負
18話目です。
眠さの限界です。2日(土)は、更新御休みです。
俺は、シャンマオの店に来ていた。クロが男裝をしない間の下着を一緒に買いに来て貰う為に。
「っで、何であたしの所に来たんだい。シロ?」
「いや、あの、何て言いますか?、ある人に挙げる、下着を買いたいんですけど…シャンマオさん一緒に来て貰えません?」
「だから、何であたしなんだい?。相方のクロがいるだろ?」
「えっと、クロとは。クロの下着 (男裝様の)を買いに行くので。シャンマオさんには、その…女性の下着 (男裝して無いクロの)を買いに言って欲しいんです」
「却下だね。何であたしが、買いに行かなきゃ行けないんだい」
「そこを何とか、御願いします!」
俺は、土下座のままで御願いし続ける。シャンマオは、根負けしたのか。戸手も長い溜め息の後に。
「はー…解ったよ。で、誰の下着を買いに行くんだい」
「それは、……リ…リリア・フルトゥナさん?」
「リリア・フルトゥナって、あのエルフの?」
「そう!、エルフのリリア・フルトゥナさんにね。ほら、前にシャンマオさんや、クロと一緒に俺を探してくれた御礼にね」
俺は、咄嗟に嘘をつき心の中で謝る。
(ごめん。リリア・フルトゥナさん。でも、背格好が似てたのが貴女しかいなかったんです)
リリア・フルトゥナをクロが抱き締めた際の事を思い出していた。
その時に、何気無く背格好が似てたのを思い出した。
「シロあんた絶対変わってるよ。そりゃ変態何て通り名がつく筈さ…いや、面白い変態になったんだっけか?」
「…ノーコメントで」
俺は、シャンマオと後で買いに行く約束をした後。店の外で待っていたクロと一緒に男物の下着店に行った。
「いらしゃいませ、今日はどの様な御用件で」
垂れた犬耳の少年が話し掛けてきた。
「下着を俺と相方の分、買いに来たんだけど」
「わかりました。こちらに試着室がございます、御自由に御使いください」
垂れた犬耳の少年は、店の奥を差しながらお辞儀をする。俺は、買う物が決まったら呼ぶと言って、少年を下がらせる。
(いくら男裝してるからって、クロの下着姿を誰かに見られるのは、嫌だからな)
俺は、少年が完全に居なくなるのを確認してから。何着か選んで試着室に向かう。
「シロこれ、ほんとに要るの?」
「要るに決まってんだろ!」
俺は、笑顔で言う。今クロは、さらしを胸に巻いている。最初は、無難に男裝しても、しなくても使えそうな物を選んだつもりである。
(うん、これは買いだな)
速攻で買うことを決定した俺は、次のを渡す。渡したのは、ポロシャツに似たタイプの物である。
(男性用下着って言ってるけど、普通にシャツとかだよな売ってるの)
店の中を改めて見る。店は下着店と言うより、普通に服屋だった。
(まあ、男性用下着ってあっちの世界でも少なかった気がするし。こっちでは防具の下に着るもの、イコール下着だから仕方無いか)
クロの下着選びは。最初のさらし以外の物は、色を基準に選んでいった。ただ、クロに選ばせると全部黒色一色になるので、何色か違う色も買っといた。
「意外と良いかも」
今クロは、服の下に薄手のYシャツみたいな下着を着ている。
「なっ買っといて損は無いだろ。古くなったり、破れたりしたら。切って汚れを拭く布にすれば良いしな」
「ん、そうする」
クロは、そう言うと一足先に冒険者ギルドに向かう。今まで貯めた素材なんかを売りに行くのと、サイクロプスの異業種の事で説明をしに行く為だ。
俺は、クロと別れた後、シャンマオの店に向かう。
(さて、本番はこれからだ気合をいれて選ぶぞ)
俺は、気合を入れなおし。途中から走って向かった。
「これは、やっぱり。俺はだけでは来れませんでしたよ。一緒に来てくれてありがとうございます。シャンマオさん」
俺は、今街一番の女性用下着屋の前にシャンマオと一緒にいた。
(でかすぎるだろ、これ)
お店はかなり広く、男性用下着屋の三倍は有るだろう。さらに、地下と二階が有るらしく。店の中央に階段が上下に伸びていた。
さらに、下着の種類も豊富であっちの世界で見慣れた物もかなりあった。
俺が、店の大きさと品揃えに驚いていると。
「御礼は良いよ、あたしもちょっと用が会って来たしね。それに、シロの力を借りるかも知れないからね」
「俺の力って、重い物でも運ぶんですか?」
「重いって言えば、重いね。でも、軽い時は軽いからね」
「何の謎なぞですか?、それ」
「ああ、簡単だよ」
シャンマオは、そう言うと店の中に入っていく。そして、歩いていた定員らしき女性を捕まえるとこう言った。
「呪いのドレスの件で来たんだけど、店長いる?」
俺は、謎なぞの答えが解った。
(確かに呪いは、重いか軽いって言うか。……でも、何で俺の力を借りるんだ?)
新たな疑問が浮かんだまま。シャンマオが、店の店長らしき人物と何から何まで話した後。手招きで俺を呼んでいたので、答えを考えつく前に考えるのを辞めた。
シャンマオに付いていて、店の中央の階段を降りると。そこは、商品を置いてある倉庫になっていた。
「呪いのドレスは、もっと奥にあります」
そう言うと店の店長らしき人物は、シャンマオに何かの鍵を渡すと、上の店の方に戻ってしまった。
「呪いを弱めたり、落とす時は。廻りの人物に被害が出るかも知れないからね。上に行って貰ったのさ」
俺が何か言う前にシャンマオが答える。
「ああ、シロあんたは万が一の時の保険さ。シロは、呪いに強いからね。
なんせあたしの店の一番強力な奴に気に入られる位だからね」
シャンマオが、笑いながら言う。そして
「そうだ、いい忘れてた。呪いが強すぎた時は、破壊して良いって許可貰ってるから。気にせず壊して良いから」
事如く俺が、何か言う前に答えられた。俺が、黙って頷くと。
「成功しても失敗しても商品を何個かくれるらしいから。そん中から良いの選んで、買う筈だった金で花の一つでも御礼の足しにしな」
シャンマオは、俺の頭を撫でながら言うと。倉庫の奥のに歩いて行った。
俺は、シャンマオに心の中で感謝しながら後を付いてった。
「これは、また、強力だね……」
シャンマオが、真剣な表情で呟く。俺達の目の前には、黒いドレスが禍々さを放ちながら浮いていた
そのドレスは、黒を基準として、フリルなどに赤色を僅かに彩としてついていた。
俺は、そのドレスを見た瞬間叫んでいた。
「ドレスってか、ゴスロリの人が着るやつじゃん。これ!」
「ゴスロリ?」
シャンマオが、首を傾げた。俺が、どう説明使用か悩んでいると、突然ゴスロリ衣装の廻りに氷の礫が表れ浮かぶ。そして物凄い速度で、此方を目掛けて飛んでくる。
俺は、咄嗟にシャンマオの前に立ち。側にあった帽子を掛ける、棒状のやつで迎撃する。
(うわ、もう駄目になったし。どんだけ威力あんだよ)
迎撃に使った帽子掛けは、無残に半分以上壊されていた。俺が、次のを探していると。
「シロ、ありがとよ。でも、あたしを庇う必要は無かったんだけどな。まあ、いいさ。後これ使いな」
そう言って、シャンマオが自分の腰に差していた短剣を俺に渡す。
短剣は、刃の部分が翠の石で出来ていた。
「それは、翡翠石の短剣だよ。風の魔力と草の魔力、二つの魔力を持った貴重な子だからね。壊したら後が酷いから注意しな」
「なら、何で俺に渡すんですか!」
「時間を稼いで欲しいからさ、あれを封じ込める時間をね」
俺達が、会話している間に。ゴスロリ衣装の廻りにさっきの倍近い氷の礫が浮かんでいた。
「いや、それは、きついな。出来れば一個づつで……駄目か」
一個づつではなく、一斉に飛んできた。俺は、まずシャンマオに当りる礫を狙い短剣を振るう。振るった直後、風が短剣を覆い斬れる範囲が広がると同時に、草の刃が表れ礫を破壊する。
俺は、驚きつつも短剣をもう一度振るう。たった二度振るっただけで、氷の礫を全部壊していた。
「これ、凄いな。これなら余裕で守れるな」
その後も、氷の礫が襲って来る度に。短剣を振るい礫を壊していく作業を続けていった。
「シロ、準備出来たから。あいつの動きを止めてくれ」
シャンマオが、後ろから言ったのを聞いて。ダッシュでゴスロリ衣装に、近付くが後一歩というところで。
「嘘だろー?」
ゴスロリ衣装の後ろから、氷の鳥が飛んできて俺の額に直撃した。その反動で俺が仰け反ってる間にゴスロリ衣装が逃げる。
「シロ、逃がしたら。あたしが怒られるんだけど!」
「すぐに、追いかけてきます!」
俺は、その後二時間近くゴスロリ衣装との追いかけっこをした。幸いにも。階段や他の商品には、シャンマオが結界を張ってくれていたので、一階に逃げられる事も商品を壊すことも無かった。
変わりに、なんども氷の礫と鳥が俺を襲い全身氷が溶けビショビショになっていた。
「本当にありがとうございます。御礼の商品は、後日届けさせて頂きます。本当に今日は、ありがとうございました」
店の店長に無事に封印出来た事を話すと、戸手も嬉しそうな顔をしていた。
「シャンマオさん、あの、ゴスロリ衣装貰って良いですか?」
「別に呪いは、封じたから良いけど…!、まさかシロ、お前が着るんじゃ無いよな?」
「違いますからね!、俺にそんな趣味は有りません。…それを、あげたい人がいるだけです」
「へー。まあ、聴かないでやるよ。あの、ドレス…ゴスロリ衣装だっけか?。良いよやるよ、今回の報酬ってことでな」
「ありがとうございます」
俺が、御礼を言って暫くした後。シャンマオが、何かを思い出した様な顔をした後俺に向かって叫ぶ。
「シロ悪い!、パーティーの事忘れてた。時間大丈夫か?」
「…あっ。やばい」
慌てて時間を見るとギリギリ間に合うか、ギリギリ間に合わないかの瀬戸際の時間だった。俺は、シャンマオに御礼を言って。クロとの待ち合わせ場所の、冒険者ギルド前に向けて全力疾走で向かった。
「ほんとんに悪かったな、後で何か奢るから店に来いよー」
後ろから、シャンマオが叫んでいるのが聞こえ。手を振って返事をした。
(間に合えー)
俺は、無我夢中で走ったら。
冒険者ギルド前では、先に来ていたシロが何かを見ていた。
「ん、頑張って走ってる。でも、遅れたら死刑…次は、何が良いかな」
シロの手の中にあった当銘な板の様な物には、頑張って走ってるシロの姿が映っていた。
後日、脱字、こうした方が良いよ等。色々なご意見ご感想待ってます