呪いの武器屋
十四話目です。
遅くなって、申し訳ありません。明日も遅めの投稿です。
無事に職業が決まった、俺とクロはそれぞれ武器を買いに行く事になった。
俺は、クロと一緒に買いに行きたかったが。同じ武器屋でも、買うものが違う為。其々が良いと思った店で買う事になり。俺は、山賊達から奪ったお金を見ながら、武器屋通りに向かう。
「ほんとに武器屋通りだ!」
目の前の道には、色々な武器屋が道を塞ぐ勢いで店を出していた。 これで通行の邪魔に成らないか店の人に聞くと。
「大丈夫だよ。此所で店を出すのは、日の出の後から十時間って決まってるから、それより御客さん何をお探しで?」
俺は、そのお店で予備の短剣を買い。店を後にした。
「良く見れば、何れも簡易的な作りだよな。俺の世界で言う展示即売会とバザーの合体版かな」
此所で簡易的な店を出して要る殆どの店は、違う所に本店を持っており。新しく作った武器や最新の防具を出していた。他には、以下にも新人が作ったような物が売っていたり。武器や防具以外にもピアスや首飾り、指輪やネックレス等の小物屋があった。
俺は、何処か懐かしさとお祭りに来た様な気分で店を見て回った。
暫く店を回ったが、大鎌を売っている店自体が少なく。合っても欲しいと思う様な物は無かった。
俺は、一度探すのを辞め。適当に休めそうな場所を探して歩いて入ると、一軒だけ誰も御客が居ない店が、他の店から離れた所に合った。
疑問に思いつつ、興味本意で向かうと。
「そこのお客さん、その店には行かない方が良いよ」
すぐ側にいた沢山の装飾がされ、高価な武器を置いた店の老婆に止められた。
「行かない方が良いって、何ですか?」
俺が聞くと、老婆は嫌な笑みを浮かべながら。
「あの店は、呪いの武器屋さ。あの店で武器を買った奴は。皆次のクエストで死んじまったよ。
悪い事は、言わないからこっちで買いな。今なら安くしとくよ」
俺は、パッと見て欲しい物が無いのを確認にしてから。いちを御礼を良い、呪いの武器屋に向かう。後ろから、何か言われて要るが今の俺には、聞こえなかった。
店の前まで行くと、かなり多くの武器が並んでいた。俺は、呪いと言う言葉にワクワクしながら店の人を呼ぶ。
「すいませーん」
「あん、冷やかしなら間に合ってるよ」
そう言って、出てきたのは犬耳とフサフサの尻尾を生やした長身の女性だった。
(モデルみたいな体だな)
その女性は、まるでモデルの様な綺麗な体型をしており。顔は綺麗さの中に強い意思の強さを感じさせる、何処か凛々しい顔付きだった。
俺が、思わず見とれて入ると。
「あんたが、客かい」
脅すような低い声で言われた。
「そうですが、何か問題でも?」
何か嫌な気分にさせる様な事をしたか、考えながら答える。犬耳の女性は暫く俺を見た後。
「ふん、冷やかしじゃ無いなら。何が欲しい」
「えっと、探してるのは大鎌ですけど。あれが欲しいと思いました」
俺は、店に入る前から気になっていたお面を指差す。お面は白狐をモチーフにしたリアルな半面で顔の殆どを隠せる様になっていた。
元々お面は好きだし、何故かその狐面を見ていると不思議と欲しくなった。
「白狐のお面か?……一度被って見るかい?」
「被ります。被らせて下さい」
俺は、ほぼ即答していた。犬耳の女性は白狐のお面を取ると、投げるようにして渡してきた。
「被っても良いけど、嘘なら責任は持たないからね」
何が嘘なのか疑問に思いつつ、白狐のお面を被る。
(意外と軽い、それに何か落ち着く)
「ふん、大丈夫そうだね。それは、あんたにやるよ」
「やるって、良いんですか?」
「大鎌も探してんだろ? うちの本店の方に有るから見にきな。お面はサービスだよ」
そう言うと、すぐに店を解体し。武器や防具、それ以外の物をマジックバックに容れていく。ものの数分で綺麗さっぱり何も無くなった、場所を後にして。俺は犬耳の女性について行った。
店に着くまでに自己紹介を済ませた俺達は、呪いの武器屋の中にいた。
呪いの武器屋店主の犬耳の女性は、シャンマオと名のり。俺も、名前を言うと、シャンマオは、物凄い勢いで笑った。
「アハハハハハ……、ハーア、ハーア。あんたが、あの噂の変態かい。確かにあたしの耳や尻尾を物凄く見てたから、もしやと思ったけどね」
「シャンマオさん笑いすぎです。流石に俺でも傷付きますよ」
「プフ……ごめん、ごめん。怒らないでよ?」
「怒ってませんよ、ただ傷付いただけです」
「だから、ごめんって……プフ…」
「謝ってるのに、何で顔をそらすんですか?」
シャンマオは、気さくな姉さんタイプだった。ただ、冷やかしに店に来る客が多く、またある事情から殆ど武器を売らないので嫌がらせも受けているそうだ。
俺は、こんな好い人なのにと思い店の中を見る。
店の中には、さほど武器等は置いてなく広々としている。なのに、何故か狭く感じる。置いてある物達のからの威圧が凄いせいらしいが、俺には何故か余り効かないらしく、少し狭くなった感じしかしない。
シャンマオが言うには、慣れない人間なら店に入る事すら出来ず。慣れた人間ですら余り長居は出来ないらしい。
「まあ、別に笑われても良いですけどね。…所で大鎌って何処に有るんですか?店の中には、無いみたいですけど」
今だに、笑いながら謝っているシャンマオに言うと。今、持ってくると言って店の奥に消えてった。
一人になった俺は、店の中の武器を見る。
「これが、全部呪いが懸かった武器か」
シャンマオの店に置いてあるのは、全て強い呪いが懸かっており、呪いに耐えられると思った人物にしか売らないそうだ。
それに、呪いの武器は全て強力な力を持っており。廻りにも少なからず影響を与える。そのせいで、同じ武器屋からも嫌われてるそうだ。
俺は、何気無く一本の剣を取る。一瞬電気が走った様な痛みが襲うが、すぐに無くなる。
(予備の武器でこれも良いかも)
と思っていると。店の奥からシャンマオが戻ってきた。そして、俺が剣を持って要るのを見ると、慌てて持ってきた武器を置き。俺が持っていた剣を奪い取る。直後剣から稲妻が出てシャンマオを襲う。
「シャンマオさん!」
「グゥ!…大丈夫だよ。良い子だから静まりな!」
シャンマオが、叫ぶと剣から出てた稲妻が消える。
そして、剣を置くと。振り返り際に殴られた。
「あたしが、居ない間に勝手に武器に触るな。もし武器の呪いに負けたらどうすんだ!」
「…ごめんなさい。もう勝手に触らないよ」
俺が謝ると、まだ怒りながらもいちを許してくれた。その後、剣を持た時の事を言うと。
「それは、拒絶反応。剣が嫌がったって事だ。でも、その後何も無いなら嫌がりつつも認めたって事だな」
「認めたって、なら買っても良いですか?」
「武器が認めたんなら売るけど、あんたが欲しいのは大鎌だろ。まずはそっちを選びな」
そう言いながら、目の前に何個も大鎌を置いて行く。
……
「今、何か言いました?」
「いや。あたしは、何も言って無いけど?」
誰かに呼ばれた気がしたが、気のせいだったらしい。
「ふー、この中に気に入ったのは有るかい?」
そう言って、シャンマオは額の汗を拭く。そこには、二十本を越える大鎌が、置かれていた。
「これって全部呪いの武器ですか?」
「いや、普通のも混じってる。呪いの武器以外もたまに扱うからな」
……
「そうなんですね……これで全部ですか?」
「そうだけど、同かしたか?」
俺は、首を傾げる。何故か此所に有る以外にもう一つだけ有る気がした。それに、何故か店の奥から呼ばれている気もする。
……
「シャンマオさん、すいません店の奥に有るのを見せて貰っても良いですか?」
その一言を聞いた途端シャンマオの顔色が替わった。
「店の奥って、何か感じるのかい?」
「なんとなく何ですけどね、もう一つ有る気がしたんです。それに、誰かいるのか声も聴こえますしね」
「声が?……何て言ってる?」
「解んないですけど、呼ばれてる気がします」
「解った…ついてこい」
俺は、シャンマオに続いて店の奥に行く。店の奥には他の武器が多く並んでおり、不思議な感覚がした。シャンマオは、そんな部屋を通り過ぎると、床の一部にポケットから鍵を取り出すと差し込む。そして、勢い良く床を持ち上げた。
持ち上がった床下には、階段があり下に行ける様になっていた。シャンマオは、側に有った蝋燭に火をつけると。
「こっから下の武器には、絶対手を触れるな。何が有っても」
そう言って、階段を降りてく。それに続いて俺も降りて行った。
階段の下は、意外と広く上の御店より二倍位広かった。ただ、上の御店より狭く感じる。まるで今すぐ押し潰されそうな感じがした。
「此所に有るのは、上のと違って呪いを弱める事が出来なかったり、そもそも触れる事すら命を落としかねない危険な子達だよ。だから、あたしが良いって行った物以外触るな」
真剣な表情で言った後、壁際まで行き。電気をつけたらしく部屋が明るくなった。
「あれだ!」
他に幾つかの武器があったが、すぐにそれが俺を呼んでいたのが解った。それは、二本一対の大鎌だった。
一つは、柄は真っ直ぐで先端に黒い水晶が浮いており。その水晶から少し湾曲した細身の刃が出おり、まるで名刀の様な雰囲気があった。
もう一つは、柄の先端に行くと湾曲したしており。片側に鋭い刃が並んでいて、何処か禍々しさを感じた。
そんな、二つの正反対とも言える二つの大鎌は、鎖で御互いを繋いでいた。
俺が、大鎌に見とれていると。シャンマオが、大鎌に近寄り。話始めた。
「この二つは見ての通り、二つで一つの武器さ。水晶が付いてる方が【無斬り】で禍々しい方が【龍喰らい】
【無斬り】の方は、まるで何も無い空間を斬るかの如く。獲物を切り裂くから、無の空間を斬るで【無斬り】
【龍喰らい】は、龍がその牙を持って、獲物を喰らうかの如く、肉や骨を喰らい千切るから【龍喰らい】
その子達の名前さ」
「無斬りに龍喰らいか…」
俺が、名前を言うと。まるで答える様に震えた。
「こりゃ、完全にシロ。あんたの事を気に入ってるね」
「えっと、いくらですか?」
俺は、完全にこの武器を買う予定だった。シャンマオは、少し困った様に唸っている。
「悪い、これは売りもんじゃ無い。売るとしたら七億コルンは、最低でもかける」
「……前々足りない」
今の手持ちは、三十万コルンだった。
此方の世界では、四人家族が一年間六万コルン有れば生活できる。今の手持ちでも五年は養える大金であるが、それでも桁が違いすぎた。
諦めて、違うのを選ぼうとした時。意気なり目の前に、無斬りと龍喰らいが倒れてきた。まるで行かせないと言う感じに。
俺は、それで心を決めた。シャンマオに土下座をして叫ぶ。
「お金は、何年掛かっても払います。なのでこれを、この武器を売ってください。御願いします」
シャンマオは、困った様に溜め息を吐いた後。徐に一枚の紙を取り出す。
「この依頼をギルドに出そうとしたんだけどね、他の店に邪魔せれて出せなかったんだよ。誰か受けてくんないかな?報酬は、まだ決めてないしね」
俺は、一度シャンマオを見る。そこには、困った様な顔を作ったシャンマオが、紙を見える様に持っていた。俺は、紙を取り内容を読む。
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依頼主 シャンマオ
依頼内容 サイクロプスの目玉×10
ゴブリンの魔法石×30
依頼何度 E
報酬 未定
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サイクロプスと書いてあるのを見て俺は、最初の事を思い出す。
あの時は、逃げる事しか出来なかったが。今なら何処まで戦えるか。
「この依頼やります。やらせて下さい」
俺が、言うと。シャンマオは笑顔になった後。
「解った。ただ新米が武器を持たずに行くのは危険だから。うちに有るのを一つだけ持っていきな」
俺は、目の前に有る大鎌を取る。とった瞬間にまるで永年使ってきた武器の様に不思議と手に馴染んだ。
俺は、シャンマオに御礼を言うと急いで店を出て城門に向かって走っていった。
「無事に帰ってこいよー、じゃないと相方の方に支払わせるからなー」
後ろから、シャンマオが叫んでいた。
俺が、城門に向かって走っている頃。森の中は異様なほど静まり帰っていた。
「グボァーー」
何かの悲鳴がした方に行くと、サイクロプスが頭を潰され死んでいた。側には、血だらけの棍棒を持っち鎧兜姿の異様な姿のサイクロプスがいた。 街の方を見る、そのサイクロプスの目は赤く光っていた。
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