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やっちまった!……

十一話目です。

次回、少しだけシロの過去について書予定です。

(予定なのでちがくなる可能性もあります。御了承下さい)

「もしかして、空いてない?」

今夜泊まる、宿を探してもう7件目に入った。ただ、何処の宿も満室で断られる。8件目の宿もどうやら満室の様で、眉間にシワを寄せたクロが、出てきた。

「空いてた…けど大部屋」

「俺は、大丈夫でもクロが駄目だね」

クロは、男裝している。大部屋は、大体7~10人程度が同じ部屋で泊まる。なので、万が一が起こるかもしれない以上。大部屋は、NGである。

他の宿の看板を探しながら歩いていると。

「お客さん、困ってるなら店に来ない」

クロが、客引きに合っていた。クロの顔が迷惑そうにしているので、止めようとした時。客引きの女性が着ている服をまじまじと見る。客引きの女性が着ていたのは、メイド服だった。

(あれ、このメイド服。最近見かけたような……あっ!ギルドに居た猫耳の子だ。あの子可愛かったな)

俺が、そんな事を思い出している間にクロは、抵抗虚しく店に消えてった。消える直前その目が、俺を睨んでたのは多分気のせいだ。

「お連れの方もどうぞ」

クロを店に連れてった子と、違う子に呼ばれ俺も店に入った。

店の中は、一階が酒屋けん飯屋らしく。かなりの客で賑わっており、その中心にクロが仏頂面でいた。

他の客を掻き分けながら、クロの元に向かう際。客達が色んな事を喋っている。それを聴くに、クロが、男なのか女なのか賭けをやっている様だった。

客達を掻き分けながら、クロの元に辿り着いた時。クロの側にいた熊の様な大柄の男が叫ぶ。

「よし。女神の相方の変態も来たことだし、賭けを締め切るぞ」

客達が慌てて、お金を熊男の机に置いて。熊男に言い紙を取っていく。ある程度して誰も居なくなると、熊男が笑顔で賭けを締め切った。机の上にはかなりの額のお金が置かれていた。

「よし、今から女神に直接聞いて見ようじゃないか。では、女神答えをどうぞ」

廻りの客達が、静まりかえる。クロは、溜め息を吐いた後、一言だけ。

「シロに聞いて」

「えっ!? ……俺?」

まさかのパスだった。廻りの客達は、クロから直接聞けなかったのが残念なのか。一度溜め息を吐いた後、俺の方を見る。

「仕方ねえ、女神から直接聞けなかったが。相方の変態に答えて貰おうぜ」

「そうだ、チャント答えろよ変態」

「女神は、女だよな変態」

「違うわよ、男よね変態」

俺は、一度場を静かにさせてから。大きく息を吸い全員に聞こえるように言う。

「だ・れ・が・変態じゃボケー! 俺は、変態じゃ無いわー!」

『何言ってやがる。お前は変態だろがー!』

従業員を含めた全員に、言われた。

「なっ!?…嘘だろ」

俺は、膝から崩れ落ちる。

「嘘な訳無いだろ、ギルドであんなに露骨に見てたんだ。それに他にも色んな噂があるぞ」

熊男が、背中を叩きながら喋りかけてくる。

「俺が、知ってる限りでも。獣人の尻尾を掴もうとした。ドワーフの少女を見て興奮していた。道端で粋なり騒いだりする。後、エルフを押し倒した何てのも有ったが。エルフを押し倒したりしたら、命が無いからなこれは、嘘だろう」

(すいません、全部俺です。エルフも押し倒したあげく耳を触りました)

心の中で思いつつ、これからの自分の行動を改めさせられる時間だった。

その後、この店の二階の一部屋が空いており。今日は、ここに泊まることになった。

途中から熊男と意気投合し酒を飲みながら。獣人の何処が良いか、エルフの何処が良いか語り合い気付けば。夜遅くになっていた。結局ギルドであった子は、居なかった。

ただ、熊男ことオルンは、この店の近くに家が在るらしく。明日朝一緒にエルフが、喜びそうな物を一緒に選んでくれることに成った。

その際には、あの出来事は言わず。謝りたいエルフが居る事を伝えた。

オルンさんは、笑ってあんまり手を出しすぎんなよ。と言っていた。



今日泊まる、部屋の前で三回ノックをした後一声かける。

「クロ、入って大丈夫」

「良いよ」

何と無くお邪魔しますと言いながら入る。部屋は思ったより広く綺麗だった。ただ

「ベットが一つかよ…」

ベットが一つしか無かった。クロは、その一つだけのベットに横に成りながら何かを撫でている。何を撫でてるのか見える位置にいくと。

「ネズキチ!お前今まで何処に居たんだ?」

気持ち良さそうに撫でられている、ネズキチが居た。

「街を探らせてた」

ネズキチの変わりに、クロが答える。

「街を探らせてたって、ネズキチの言葉解るの?」

「解らない、でもこの子も私が蘇らせた子だから。契約したお陰で、離れれてもある程度、感覚で解る」

「感覚で解るもんなんだ……あれ、それって俺の事も…」

「解るのは、この子だけ。貴方(シロ)とは、契約してないから」

俺は、良かったと安堵した。今までの事が全部感覚で解られていたら余りにも恥ずかしすぎる。それに、これからクロと居る時へたげな事を考えられない。

ただそこで、一つの疑問が浮かんだ。

「あれ、クロってアンデット嫌いだよな。何でネズキチと契約したんだ」

クロは、少し考えたてるのか。暫くした後

「使える、非常食だから」

「使えるは解るが。非常食って」

「ボイルラット…良く茹でると美味しい」

意外な形で、ネズキチの利用方を知ることに成った。ただ、ネズミのボイルは、余り想像したくなかった。

「クロ、ネズキチ食べないでくれよ。俺の親友なんだから」

「使えるから食べない」

(それ、使えなく成ったら食べるって意味じゃ)

声に出さなかったのは、クロに撫でられているネズキチが大丈夫だと言わんばかりに「チュウ」と、鳴いたからだ。

「さて、俺は寝るわ。床に寝るから踏まないでね」

床に寝ようとすると。クロが、ブレスレットを外した後。徐に俺の腕を掴むとベットに引き込んだ。

「……クロさん?」

困惑する俺にクロが、優しく言う。

「今日は、魔力をつかいすぎたから。シロから回収する」

「回収って、どうやって?それに、俺魔力有るの」

「魔力は、少しだけ有る。ただ側にいて暮れれば少しづつ奪ってく」

「なら、俺までベットに居なくて良いんじゃないか?側なら床でも…」

「近ければ、近いほど良い……もうだめ、お休み」

「あのクロ……クロさーん…駄目だ寝てる。どうすんだよ俺が、寝れ無いよ」

美少女に、後ろから抱きつかれたまま。寝れる程精神が強いわけなく、一新不乱に心の中でお経を唱えて襲い来る邪念と戦っていた。


「おいどうした? 凄い隈が出来てるぞ!」

オルンさんが心配そうに聞いてくる。俺は、曖昧に答えた後、オルンさんオススメののお店に向かった。

「うわ。すげえ!」

そのお店には、所狭しと可愛いぬいぐるみが並んでいた。

何でこんなお店を知っているのか、オルンさんに聞くと。

「娘がなこの店で働いてんだ」

「娘って!オルンさん結婚してたんですか!」

「おう、嫁さんと娘三人いる父親だ」

嫁さんがどんな人か聞こうとしたとき、定員の一人がこちらに気付くと慌ててやって来た。

(綺麗な子だな、それに猫人だ)

淡い茶色の尻尾と耳をした、猫人の少女だった。猫人の少女は、オルンさんの前まで行くと。

「何で此所に居るの、お父さん。母さんや姉さんの誕生日は、まだ先でしょ……まさか母さんに隠れて誰かに渡す気じゃ無いよね。もしそうなら、絶対に売らないからね」

怒号の勢いで喋りだす。ただ問題はそこでは無かった。

(お父さんって、この子が娘なのかよ!有り得ない、似てなさすぎる)

俺が、オルンさんと娘さんを見比べていると。

「いや、違う違う今日は、こいつの用件で来たんだ」

オルンさんが、笑いながら俺の背中を叩く。反動で一歩前に出た俺は、娘さんをまじまじと見た後、振り返りオルンさんに向かって叫ぶ。

「娘さんを下さい。お父さん」

店の中が一瞬固まった。暫くしてオルンさんは、頭を描きながら

「娘が良いなら良いが。女神は良いのか」

危ない危ない、クロの事を忘れていた。 俺はもう一度やり直す。

「娘さんも下さい。お父さん」

オルンさんは、困った顔をして。

「アー、イヤーそう言う事じゃ無くて、取り合えず後ろ向け」

「解りました。お父さん」

笑顔で振り返った先には、ブレスレットを嵌めているのか。ショートヘアーのクロが居た。

俺は、笑顔のまま固まる。止まらない汗を欠きながら何が起きたのかを考える。

(えっと俺が、告白してるのを聞かれたと…それも二股宣言付きで………)

クロが、どうするのか店に居た全員が固唾を飲んで見守るなか。クロが喋る。

「私は、男だし。シロの告白に何か言うつもりは無いけど。ただ、此所には告白しに来たんじゃ無いよね。さっさと買ってあの子に謝りに行くのが先だと思う」

クロは、それだけ言うと店から出ていった。その顔は、少しだけ寂しそうだった。暫く固まって居た俺の肩を、オルンさんが優しく叩く。俺は、此所で三つのぬいぐるみを買った。

少女の返事は、

「ごめんなさい、今は仕事が大事なの。後、お父さんの面倒も見なくちゃいけないから。また、何かあったらうちのお店に来てね。その時は、割引するから」

だった。

冒険者ギルドに、向かう途中一度宿に戻り買ってきた鳥のぬいぐるみを、部屋に置き。側に他のぬいぐるみが、入った袋を置く。

「ご免なさい、もうしません。後、この子達をミントさんとリリア・フルトゥナさんに渡しといて」

と書いたメッセージカードを口にくわえさせる。

これでまた、クロは、怒るだろうなと思いつつ。椅子に腰掛ける。

そこで気持ちが緩みつい本音が出た。

「クロ、ゴメン。クロは、アンデット嫌いなのに。俺クロの事好きだ。だからもっと嫌われる様に、クロから遠ざかって貰える様に、したけど…あんな寂しそうな顔されたら無理だ。俺に人を好きになる資格なんて無い筈なのに。

だから、何でクロが俺を側に置いていてくれるのか解らないけど、俺どっか行くわ……あーあ。何でこんな事言ってるんだろ。よし、決心が鈍らない内に行くか」

部屋を出る際に、誰かに見られた気がするが。振り替えって見ても誰もいない。

「気のせいか?」

俺は、気のせいだと思いドアを閉めた。



















「チュウ?」

その様子を、ネズキチが隠れて見ていた、事には、気付かなかった。


誤字、脱字、こうした方が良いよなど。色々なご意見、ご感想、お待ちしております。

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