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夏だ!プールだ!水着だぁー!!後編

俺は鈴と『オーシャン・リゾート』に来ている。

鈴はこういう所は初めてなのだろうか、初っぱなからアクセル全開だった。

「康太、あっちも行ってみよう!!」

「おいおい、マジかよ...。まだ行くのかよ。」

園内に入って直ぐに鈴がウォータースライダーに行きたいと言ったため、始めはウォータースライダーだった。その途中で他の場所もちょこちょこ廻ってはいるが...。殆どウォータースライダーを廻っている。それも、全種類制覇したいのか既に4つある内の3つは行ってしまった...。

「まだ行くのかよ...。もう十分だろ?」

「まだだよ!最後の1つは2人ペアのやつだよ!」

鈴が指す方向には今まで行ってきたやつとは桁違いの大きさのウォータースライダーがあった。

あんなのに行くのかよ...。正直、こういうのはあんま得意じゃないんだよな~。

「なぁ~鈴、俺ちょっとキツいかも...。あんま得意じやないし。」

「大丈夫だよ!ノリと根性だよ!!」

鈴がバシッと言ってドヤァーと言いたそうな顔をしていた。

「ノリと根性でどうにかなる問題じゃない!そんなので変わったら人生苦労しねぇよ!!」

「大丈夫だって!死ぬわけじゃないんだから。」

「話のスケールがデカ過ぎるわっ!何で生きるか死ぬかの世界なんだよ!!」

「まぁ、何とかなるって!!」

エェェェ~!?最終的に流しやがった!

「んじゃっまぁ、行ってみようか!」

鈴は俺の腕を掴んでノリノリでウォータースライダーに向かって行った。

「ちょっ、ちょっと、マジかよ...。」

俺は抵抗する間もなく連れられてしまった。

やっぱり俺、振り回されてるな...。



ーかれこれ20分程待ったかな?

意外とこの2人ペアのウォータースライダーがカップルや親子に人気で乗るのに少し時間がかかっている。割合的にはカップルの方が多いかな?男女2人組がよく目立つ。

「けっ、リア充共が...()ぜろ。」

とついつい心の本音が出てしまった。

「い、いきなりどうしたの?」

俺の呟きが隣にいた鈴にも聞こえていたらしい。

「そんなにカップルに見られたいの?」

「そう言うわけじゃねぇけど...。」

「けど、私達、他人からみたら普通にカップルに見られてると思うんだけど?」

「ふ~ん...。」

ん?カップルに見えるだと!?

幼なじみと2人で仲良くプールに遊びに来ているだけだろ。誰がどう見たって......リア充に見えなくもないな...。

えっ??ってことは、俺らって...デートしてるように見られてるのか!?

そう思った途端に顔が熱くなってきた。

「どうかした?」

「んなっ!!何でもない何でもない!!」

「変なの。」

俺と鈴がカップルだと...。

そう考えると少し違和感があった。



鈴と話している間にいつの間にか俺達の番がきていた。

「じゃあ、康太は前ね。私は後ろに座るから。」

「はいはい、どっちでもいいから。」

前後の座る場所で何か違うわけじゃないんだから......

「イェェェーーイッッ!!」

「イャァァァァァッッ!!」

滅茶苦茶関係あった。

今までのとは比べものにならないくらい速かった。

そんな中、俺は気を失いそうになるのを頑張って耐えていた。

理由は2つ...。1つは単純にスピード。俺からすれば絶叫マシーン並のスピードだった。風の抵抗で体が浮き上がりそうだ...。

そして2つ目は、鈴の胸が当たっているのだ...。

1番近くにいるからこそ分かる。中学の時より成長している!

その柔らかく心地のよい包容力によって意識がとびそうになっていた。

しかも鈴のやつ、何で後ろで抱きついてんだっ!?

始めっから当たってるんだよ!!

もう駄目だ...頭がショートしそうだ...。

俺はそっちの方に気がいってしまいウォータースライダーどころではなかった。



ー結局、ウォータースライダーの後に凄い解放感と脱力感がきた。

そして今、昼食を食べていたため店の中にいた。

「いやぁ~、楽しかったねぇ!」

「おう、そうだな。」

完全に力の抜けた返事だった。もう身体的と精神的に結構きていた。そして、さっきまでのウォータースライダーでの出来事が俺の頭の中でも何度もリプレイされていた。

「最後のウォータースライダーの1番楽しかったよね!」

「おう、そうだな。」

さっきと同じで上の空の返事の俺に鈴が違和感を抱いたようだ。頭を傾げている。しかし、そんな中でも俺の脳内ではずっとリプレイされていた。

「お昼食べたけどお腹空いたからから焼き肉行こうか!」

「おう、そうだな。」

「あっ!あんなところに100万円が!!」

「おう、そうだな。」

「あっ!あんなところに限定モデルの『中二◯』のフィギュアだ!!」

「えっ!?マジで!?どこどこ??」

「そこで反応するの!?」

鈴に全力で突っ込まれてしまった。

完全に意識があっちの世界にいっていた俺に、鈴が少し不安そうにしていた。

「どうかしたの?ずっとボケ~ってしてたよ。」

「あぁ、実は...。」

と言いかけた途中で俺は気付いた。

このこと鈴に言ったら駄目じゃないか??

「いやっ、何でもない!!」

「何か今日変だよ。」

危ねぇ~。あんなこと言ったら何されるか分からん...。



その後、午前中ではしゃぎ過ぎたせいか、どっと疲れがきたので早めに出ることにした。

流石に帰宅部の俺達には体力的にキツい。

帰りの電車は運よく空いていたため座ることが出来た。

その電車の中で、鈴は俺の方に(もた)れてスヤスヤと寝ていた。

「康太......。」

ドキッ!!

突然、鈴が呼んだのかと思って見てみたが、どうやら寝言のようだ。

「なんだよ、寝言かよ...。」

鈴の方を見てみると、気持ち良さそうに寝ている。

こいつ、こんなに可愛かったっけ...?

そう思うと少し恥ずかしくなった。



その日の夜、俺はベッドに入ろうとした時、

ズキッ!

突然、激しい頭痛が襲ってきた。

「今日は少し無理し過ぎたかな...。」

最近、治まってきたと思っていたのだが...。

このことは鈴には内緒にしておかないと、また心配をかけてしまう。あいつのあんな顔はもう見たくない。

そんなことを考えながら俺は深い眠りについた。





まずはこの作品を読んでいただき有り難う御座います。今回は前回の続きとなっております。今回の話では主人公のちょっとした一面を出してみました。また、終盤に出てきた頭痛についての事情は後々明かしていこうと思っております。次話は日常的な話にしようと思っております。現実との時期が全く違いますが次話も読んでいただけると幸いです。次話の更新は未定ですのでご了承下さい。

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