SF風四天王
かなりしょーもないですすいません
禍々しい色のたいまつが揺らめく陰惨な部屋で、ただの人間が見ればそれだけで狂ってしまうような大きな力を持った存在達が円卓を囲んでいた。
口を開く者はおらず、部屋の雰囲気はただひたすらに重たい。
パリンッ
そんな中、空席の前にあった精巧なグラスが前触れもなく砕け散った。
「ウンディーネが死んだか……」
「クックック、勇者は随分と調子づいているようだが所詮奴は我ら四天王の中では比べるべくもなく最弱の存在よ!」
土色の肌をした老人が呟くと、赤黒い肌と巨大な角が目立つ鬼人が哄笑する。
「勇者のつぎの行き先は水晶砂漠……目当ては神殿の精霊、か」
異形ながらもどこか貴公子然とした男が、目下の問題である勇者の動向を述べると、
「神殿ですか、冒涜しツクして罠ヲ張るにはうってつけですネ、次はワタシが出向きまショウ」
「罠なんていうまだるっこしいことやってられるかよ! 次はこの俺様が直々に出向いて叩き潰してやるよ!」
「ワタシは構いませんヨ、せいぜい四天王の名を汚さナイでくださいネ」
目も口も鼻も耳もない真っ黒な顔をしたナニカが、背中の6枚の翼を準備運動のように動かし、それに呼応するように虎を無理やり人にしたかのような歪な外見の男が体を膨らませていくと、二人とも黒い霞のようなものを残してその場から掻き消えた。
「ちぃっ! 先を越されちまったなあ! 仕方ねえ、どっかの適当な街でも襲ってひと暴れしてくるか! おいトウの字! おめえはどうするよ!」
「モグモグ、興味ない、ムシャムシャ」
「相変わらず騒々しいなお前らは、今日の議題はこれだけだな? 悪いがそこまで暇ではないのでな、話が済んだのなら帰らせてもらう」
「そうじゃな、儂等は静かにあやつを弔うとしようかの…… 癖はあれど仮にも魔王様の復活という野望を共にした仲間じゃからな」
「同じ水を扱うものとしていずれ敵は取る。いずれな」
「南方の人間どもの動きがきな臭くなっていますのでわたくしもこれで失礼します」
一人を除いて目の前の御馳走に手を付けることもなく、別れの挨拶もそこそこにその場から立ち去って行く。会議場にはしばらくの間ものを食べる咀嚼音だけが響いていたが、それもやがて止まると、最後まだ残っていた大きな気配も霧散し、部屋は今度こそ静寂に包まれる。
荘厳な雰囲気の中、それまで一言も口を開かずに部屋の入口の扉を守っていた一人の警備兵は、極度の緊張から解放されたことで息をゆっくりと吐き出すと……
再び息を吸い込んで思いっきり叫んだ
「十 一 人 い た!!!」
死んだ人も入れると十二人ですね、もはや四天王というより十二神将(魔将かな)といったほうが……
全員の名前が分かったあなたはきっとすごい