表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

じゃんけん

作者: マロ

ショートケーキが1つだけ残っている。


ここから3人の女の熾烈な戦いが始まろうとしていた。


女たちの名前はユキ(私)、サキ、カナである。


「1つだけ残ってるわね。」

「ユキちゃんはダイエット中でしょ。

サキが食べるよ」

「…ダメ私…食べる…」


「誰も譲る気ないわね。いいわ、もうじゃんけんで決めましょう」

「普通のじゃんけんじゃ面白くないよ」

「…あれをする?」

「じゃんけんバトルしよ、しよ」


じゃんけんバトルとは、五回戦方式でグー、チョキ、パーはそれぞれ2回ずつしか使えない。引き分けでも決着がつくと次の戦いに入る。一番勝ち数の多い人が勝ちである。


「サキはね、グーだすよ」

いきなりサキめ、揺さぶりを掛けてきたわね。でも、あなたが揺さぶりをうまくかけることができる頭がないことは、分かっているわ。問題はカナね、サキの思考を理解しているか微妙だから出す手に困るわ。先手は取りたいものね。

うっ~迷うわ。きっとカナは、裏を取ろうするはずだからチョキを出すはずだわ。

「じゃんけんぽん」

サキ:グー

ユキ:グー

カナ:パー


ここは、パーだったか。

「負けちゃったよ」

「ユキ…考えすぎ(笑)」

「次は勝つわよ」


さて次はどうしようかしら、カナに先手を取られたからここは並びたいわね。

前半で持ち手を2種類にするようなことはしないだろうからグーかチョキね。

私たちはパーかチョキを出すと考えはずよ。

「サキはパーをだすよ」


またあの子は言わないでいいことを。

「私…チョキを出す」


何~カナまで言い出したわ。でも、これで読みやすくなったわ。


「じゃんけんぽん」


サキ:グー

ユキ:パー

カナ:パー


「わぁ~負けちゃったよ」


よし。勝ったけど、カナの2連勝は痛いわね。


えっと状況は、サキがパーとチョキを二枚ずつ、カナがグーとチョキの二枚ずつ、私がパーとグーが一枚でチョキが二枚か。


ここはサキが何かを言うの待ちましょう。


「……」


なぜこの大事な時に何も言わないのよ。

カナの様子は勝負に出るという雰囲気はないわね。ここは妥当にチョキかしら


「じゃんけんぽん」


サキ:チョキ

ユキ:チョキ

カナ:チョキ


みんな考えは一緒か…次は難しいわね。



もし5回戦でも決着着かない場合は勝ち数で並んだ同士の一騎打ち、つまり普通のじゃんけんになる。


だからここでリスクを負わずに次で決める。

サキはパーが二枚だから、あの子は勝負をあきらめるような子じゃない。パーを出してくるわ。

カナもサキはパーと予測しているはず。

ここは…チョキが正解


「じゃんけんぽん」


サキ:チョキ

ユキ:チョキ

カナ:チョキ


「…う…そ…」

「なんで…サキ…チョキだすの?」


「えへへっ裏かいちゃった」


これは予想外だけど私の負けはなくなったわ。


「私とカナの引き分けね。」

「…そうみたい」

「ちょっと待ってよ。6回戦まで入れたらみんな引き分けだよ」


サキはパー二枚、ユキはパーとグー一枚、カナはグー二枚。


確かにそうなる。

「でもこれは五回戦までだわ。諦めなさい」


「うっうっ」

サキは泣き出した。


「はぁ仕方がないわね。みんなで分けましょう。いい?カナ?」

「…別に」


「ありがとうユキちゃんカナちゃん」

読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ